あの本は何歳？　夏休みに読みたいロングセラー絵本　50代・60代以上

誰かが自分と「同い年」や「同世代」とわかると、ぐっと親しみを感じませんか?
長く愛され続ける絵本の中にも、あなたと同い年が見つかるかもしれません。
読みきかせ経験豊富な読書アドバイザーのおすすめコメントで、定番絵本を紹介します。（kodomoe2015年8月号掲載）
撮影／岡森大輔　編集協力／原陽子（JPIC読書アドバイザー）　読者モデル／浅水星恩くん、川名結麻ちゃん、高麗凛音ちゃん、志賀旭くん、中村瑛斗くん、三上さくらちゃん・明道くん、若林優愛ちゃん　コメント／【JPIC読書アドバイザー】井出ひかる、鈴木清美、原陽子

60代以上の絵本

1936（82歳）

5歳〜
英国絵本の伝統的シリーズ
『チムとゆうかんなせんちょうさん』
エドワード・アーディゾーニ／作　せたていじ／訳　福音館書店　本体1300円＋税

船乗りに憧れ続けた少年チムは、初航海で嵐に巻き込まれます。「厳しさと優しさ、初めて見る大人の覚悟。子どもが未知のお話に惹き込まれていくさまを実感します」（鈴木）

1942（76歳）

4歳〜
忙しく移りゆく時代の中で
『ちいさいおうち』
バージニア・リー・バートン／文・絵　石井桃子／訳　岩波書店　本体640円＋税

ちいさいおうちの周囲はいつしかにぎやかな都会に。「少し長いですが、絵を楽しめるようにゆっくり読むと、『ちいさいおうち』の家族になったような気持ちになれます」（鈴木）

1947（71歳）

3歳〜
いつでも好奇心でいっぱい！
『ひとまねこざる』
H．A．レイ／文・絵　光吉夏弥／訳　岩波書店　本体640円＋税

「しりたがりやのおさるのジョージの大冒険。失敗したり、ほめられたり、けがしてしまったり。アニメとは少し違う絵ですが、ジョージのかわいさをじっくり楽しめます」（鈴木）

1947（71歳）

2歳〜
おやすみ絵本の大定番
『おやすみなさいおつきさま』
マーガレット・ワイズ・ブラウン／作　クレメント・ハード／絵　せたていじ／訳
評論社　本体1200円＋税

こうさぎは、もう寝る時間。「ベッドの中から、お月さまとお部屋の中のもの、ひとつひとつに『おやすみなさい』とごあいさつ。ゆったりとした眠りへ導く絵本です」（鈴木）

1955（63歳）

1歳〜
うさこちゃん誕生の物語
『ちいさなうさこちゃん』
ディック・ブルーナ／文・絵　いしいももこ／訳　福音館書店　本体700円＋税

ふわふわさんとふわおくさんのもとに生まれた赤ちゃん、うさこちゃん。「声に出して読むとやわらかで歌うような口調になって、ママも幸せな気持ちになる絵本です」（井出）

1957（61歳）

4歳〜
ぐんぐんひきこまれる昔話
『三びきのやぎのがらがらどん』
マーシャ・ブラウン／絵　せたていじ／訳　福音館書店　本体1100円＋税

「表紙を見せると『しってる！』と言う子が多いですが、『しってる』子ほど夢中になり、『おしまい』の後で『こわかったー』と胸をなでおろす、とても力のある絵本です」（鈴木）

1958（60歳）

5歳〜
2匹のうさぎの、永遠の愛の詩
『しろいうさぎとくろいうさぎ』
ガース・ウイリアムズ／文・絵　まつおかきょうこ／訳　福音館書店　本体1200円＋税

大好きなしろいうさぎと、ずっとそばにいたいくろいうさぎ。「大好きな相手と一緒に『いつもいつも、いつまでも』。読んであげる大人の方が、しみじみしてしまうかも」（原）