どうする?子どものすり傷・切り傷、頭痛【症状から見る子どもの救急ガイド・3】
暑さがやわらぎ過ごしやすくなるこれからの季節は、お出かけが楽しいシーズンでもありますね。
そんなときに気を付けたいのが出先での急なケガやトラブルです。
【症状から見る子どもの救急ガイド・3】では、転んでできたすり傷や切り傷、注意したい頭痛の対処法をお届けします。
ケガや痛みがあるとき
すり傷・切り傷
転んだりぶつかったりしてできる傷は、日常茶飯事ですが、出血や骨折をともなうことも。
傷口から雑菌が入らないように注意して。
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□傷の部位は?
手、足、顔、頭。出血や打撲、骨折をともなっている
□傷の深さ、大きさは?
傷口がぱっくり開いている、湧き出るように出血し止まらないなど
□どこで、何でケガした?
転んだ(屋内・屋外)、人や物にぶつかった、刃物を使っていた
すぐにやるべき手当て
止血する
傷口が小さい場合、清潔なガーゼなどでおおって傷を押さえ、圧迫。止血方法は以下を参考に。
まず、手で患部をギュッとつかむなどして圧迫を。
ある程度出血が止まったら、包帯などを巻いておく。
部位によるが、できるだけ患部を心臓より高い位置に持ち上げておく。
傷口を流水で洗う
出血の少ない小さな傷は、流水で砂や汚れを洗い流します。ガラス片など異物が残っていたら、ピンセットで除去して。
こんなときはすぐ病院へ
●傷口が大きく開いている
●傷に異物が刺さっている・入っている
●出血量が多い
頭が痛い
風邪の症状が大半ですが、中耳炎などの耳のトラブルや、歯、鼻の病気からくることも。
頭の打撲や睡眠不足などの原因も考えられます。
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□熱は何度?
転んだり、ぶつかったりして傷や内出血、こぶがある
□切り傷や打撲などはない?
長時間痛みが続いている、元気がなくぐったりしている
□他の症状は?
発熱やおう吐、けいれんがある。せきや鼻水が出る
すぐにやるべき手当て
頭痛をやわらげる
静かに寝かせます。こめかみを冷却シートなどで冷やしたり、後頭部を温めたりすると、痛みが軽くなることも。
打撲の場合は……
腫れがあるときは、冷却シートで患部を冷やします。
安静にする
他に症状がなく比較的元気なときは、室内でゆっくり過ごさせて様子を見ます。なるべくそばに付き添って、症状が急変しないか見守りましょう。
空気を入れ替え経過観察
換気の悪い部屋や臭いのこもった部屋にいると、頭痛を起こす場合も。窓を開けて新鮮な空気を取り込みましょう。化学薬品の臭いをかいだときは、病院で診察を。
こんなときはすぐ病院へ
●頭を打った後に激しい頭痛
●意識がもうろうとしている、ぐったりしている
●吐き気やおう吐がある
●手足がしびれている
●けいれん
●目が見えにくい
伊藤隆一先生
いとうりゅういち/的場医院院長。日本小児科医会常任理事。小児救急医療の専門家として、家庭でできる救急処置を啓蒙している。
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イラスト/ホリナルミ 取材・文/田所佐月