あわてずに対応したい、子どものおう吐や皮膚トラブル【症状から見る子どもの救急ガイド・2】
2019年9月9日

あわてずに対応したい、子どものおう吐や皮膚トラブル【症状から見る子どもの救急ガイド・2】

子どものつらそうな「おう吐」や「皮膚トラブル」。いつもの元気な姿とは違う様子を前にして、戸惑うママは多いかもしれません。
「まず何をすればよい?」「どんな病気の可能性があるの?」など、突然のトラブルのためにチェックしておきたい項目をご紹介します。

おう吐・吐き気

子どものおう吐、皮膚トラブル【症状から見る子どもの救急ガイド・2】の画像1

感染症などでおう吐することもありますが、興奮して吐くことも。吐く前の様子や
吐しゃ物の臭い、色も確認しましょう。

ここをcheck!

□どんな風に吐く?
おう吐が何度も続く、勢いよく吐く、吐しゃ物に血液などが混じる

□子どもの様子は?
発熱や下痢、体の痛みをともなう、意識がなく、ぐったりしている

□直前に原因になることはあった?
吐く前に頭やお腹を打った、泣いたりして興奮していた

すぐにやるべき手当て

口をすすぎ服を着替える

子どものおう吐、皮膚トラブル【症状から見る子どもの救急ガイド・2】の画像2

吐いたものの臭いで、さらに吐き気が増すこともあります。水で口をすすぎ、吐いたもので汚れた手足は洗い流して、服は着替えさせましょう。

安静にして水分を摂らせる

おう吐直後に水を飲ませると、さらに吐いてしまう恐れも。しばらく様子を見て吐き気が収まってから、少しずつ水分を摂らせて脱水症状を防ぎましょう。

手早く処理・消毒

子どものおう吐、皮膚トラブル【症状から見る子どもの救急ガイド・2】の画像3

ウイルスや細菌による感染症の場合、二次感染予防が必須。手袋、マスクをつけて吐しゃ物を処理し、台所用漂白剤などを薄めた消毒液でふき取って。汚れた衣類は、他の洗濯物と分けて洗います。

こんな病気の可能性

ウイルスによる感染症
熱中症

こんなときはすぐ病院へ

●頭を強く打って吐いた
●高熱で意識がもうろうとしている
●吐いたものに血や黄緑色の胆汁が混ざっている

 

発しん・皮膚トラブル

子どものおう吐、皮膚トラブル【症状から見る子どもの救急ガイド・2】の画像4

原因はさまざまですが、かゆみがあるときは
かき壊して悪化させないよう気をつけてあげましょう。

ここをcheck!

□他の症状は?
せきや鼻水をともなう、首やリンパ節が腫れている、おう吐や下痢がある

□発しんの状態は?
発しんのある部位、赤いブツブツ、水疱状、かゆみや痛みがある

□発しんの直前に原因となることはあった?
アレルゲンとなる食品を口にした、植物や動物などを触ったり、近寄ったりした

すぐにやるべき手当て

別室に移す

水ぼうそうなどウイルス性の感染症の可能性も。きょうだいや家族にうつらないよう、別室か離れた場所で休ませます。

かかないようにして患部を冷やす

子どものおう吐、皮膚トラブル【症状から見る子どもの救急ガイド・2】の画像5

かき壊すと細菌が入ってとびひになることも。手袋をさせてもOK。濡れタオルなどで冷やすと、かゆみがやわらぎます。

こんな病気の可能性

感染症
アレルギー

こんなときはすぐ病院へ

●おう吐、意識がもうろうとしている
●けいれん
●激しいせき、呼吸困難

 

熱中症の予防と対策

予防

●外遊びには必ず帽子を着用

●水分補給はこまめに

●汗をよく吸う、風通しのいい衣類を

対応

子どものおう吐、皮膚トラブル【症状から見る子どもの救急ガイド・2】の画像6涼しい場所へ移し、衣服をゆるめる
 
冷房の効いた室内や風通しのいい木陰などに運び、服をゆるめて熱気を逃します。体を冷やし、水分補給を。

けいれんやふるえが出たり、意識がない場合はすぐに救急車を呼び対応してください。

 

子どものおう吐、皮膚トラブル【症状から見る子どもの救急ガイド・2】の画像7教えてくれたのは
伊藤隆一先生
いとうりゅういち/的場医院院長。日本小児科医会常任理事。小児救急医療の専門家として、家庭でできる救急処置を啓蒙している。

 

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イラスト/ホリナルミ 取材・文/田所佐月

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