「まぁ、散らかっても死ぬわけじゃないしね」。子どものお手伝い、はちゃめちゃになっても、小さなことは気にしない! 【日登美のタベコト in Berlin・44】
ベルリン在住で6人の子どものお母さん。モデルとして活躍する傍ら「台所から子育て、暮らしを豊かに」をコンセプトに、オンライン講座とウェブサイトを主宰している日登美さんによる、「食」からはじまるエッセイです。
小さいことは気にしない、が料理好きを育てるコツ
子だくさんの我が家は子育ても手が回らないことが多いのですが、だからこそ子どもも巻き込んでなんでもやってしまう、という手段を、暮らしのいたるところで使うようになりました。
ご飯作りだって私ひとりで8人分は大変すぎるので、「お手伝い」と称した子どもたちの半分遊びが入ると、それはそれではちゃめちゃになったりもしますが、とりあえず食べられればいい、っていうレベルで考えると苦になりません。ふだん野菜を食べない子どもも、自分で切った人参なら食べられたりもするので一石二鳥です。
確かに子どもと一緒にやると、結局時間が倍くらいかかったり、失敗したり、散らかったりしますし、「手洗ったの?!」みたいな恐ろしい事態が起こったりもしますが(笑)、もうその辺も、とりあえず小さなことは気にせずどんどんやっちゃおう! みたいな感じでいくと、お互いにストレスが溜まりません。
子どもも自分が参加しているので、食事に文句も言えないし、でき上がる過程がわかっているので、「待つ」ということも覚えます。また、こういう体験を通した印象とか思い出というのが、実は後々の人生の思わぬところで何かをするモチベーションになったりするんですよね。
机の上の勉強は頭に残ると思うのですが、体験したことってだいたい心に残ります。だから、たかが日々の台所のお手伝いなんですけど馬鹿にできないんですよ。
ご飯が焦げようが、粉が散らかろうが、子どもに「たのしかった!」という印象さえ残ればオッケーです。栄養やお腹がいっぱいになることも大事なんだけど、楽しいっていう気持ちもやっぱり大事ですよね。そしたら、いつかまた自分で料理をしようかなぁという気分になる可能性は高いです。
そうは言ってもついガミガミ言いたくなるんですけどね。でもそんな時は「まぁ、散らかっても死ぬわけじゃないしね」という広い視点を持ってしまえば、気持ちがラクになります。ご飯だって毎日きちんとしなくても、とりあえず穀物食べたからオッケー、っていう日があってもいいじゃないですか。
忙しい毎日で、正解ばかり求められがちな私たち。きちんと、きれいにを目指すより、とにかくリラックスして、小さなことは気にせずに子どもと一緒に羽目を外す気持ちで台所で何かを作る。食べる。その思い出こそが何よりのご馳走ではないかなと思ったりします。
日登美/ひとみ
3男3女6児の母。10代よりファッションモデルとして雑誌、広告等で活躍。その後自身の子育てから学んだ、シュタイナー教育、マクロビオティック、ヨガなどを取り入れた自然な暮らしと子育てを提案した書籍、レシピ本など多数出版。現在はモデルとして活躍する傍ら、オーガニック、ナチュラル、ヘルシーをモットーに、食、暮らしと子育てのワークショップ、オンライン講座などを行う。
台所から子育て、暮らしを豊かに。「Mitte(ミッテ)」
instagram / @hitomihigashi_b
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