2023年4月8日

我が家の大きな息子たちが、家に友達や彼女を連れてきて最初に向かうのは「台所」!【日登美のタベコト in Berlin・45】

 ベルリン在住で6人の子どものお母さん。モデルとして活躍する傍ら「台所から子育て、暮らしを豊かに」をコンセプトに、オンライン講座とウェブサイトを主宰している日登美さんによる、「食」からはじまるエッセイです。

自立を助けるドイツ式台所育児 

ドイツでは18歳で高等教育が終わって成人するのですが、そうすると親元を離れて暮らすことがこれまでのスタンダードでした。今では物価が上がったり家賃が上がって、状況が変わってきていますが、ともかく「成人していつまでも親元で暮らすことは恥ずかしいこと」とされているのは変わりません。

なので必然的にその頃までには、ある程度いろんな意味で自立していないと困るわけです。自立というのは、やはり「暮らし力」。なかでも食事を作る、というのは誰もが求められる基本的なスキルのように思います。

子どもらはとりあえず学校から帰るなり、台所にやってきます。この日は友達の女の子にご飯作ってあげて一緒に食べてました。

小さい頃から一緒に台所に立ってきた双子くんたち。懐かしいなぁ。

ドイツにはコンビニは基本存在しないので、手軽に何かを買うとなるとスーパーマーケットのお惣菜コーナーやパン屋さんになります。こんなふうに買い食いできるオプションが少ないし、やっぱり自炊より割高です。なので大学のそばを通りかかると、多くの学生が自分でタッパーにサラダやパスタを作って詰めたお弁当を食べているのをよく見かけます。そもそもドイツの人ってなんでも最初から作るのが好きな傾向があるので、何がどうやったらできる、という料理の仕組みを知るのも好きなのかもしれません。

双子が作ったのはご飯に焼肉キムチをのせた丼。ザ男メシ。お客は女の子なんだけど!

夫も台所大好き。この日はホットドッグをパンから作って食べてました。この満足そうな顔よ。

私も子どもとずっと台所で料理をしてきましたが、特に双子のお兄ちゃんたちは台所に立つのは当たり前、として育ててきました。もちろんドイツ人の夫も若くして家を出ている時代の人なので、当然料理はするものだ、というふうに育っています。子育ての中で男の子にこそ、台所を開放しておくのは大事なことかもしれません。

そんなわけで今では大きな子どもたちはみんな、友達や彼女を連れてきてまず最初にくるのは、台所(笑)。帰宅してお腹が空いている友達に何かサラッと作って食べる、が当たりまえ。彼女や彼氏がきても私そっちのけで勝手に料理して食べていてます。そしてその残りを分けてもらう私、という……。

上のお姉ちゃんも気づけば彼とご飯作ってます。母は出番なし!っていいもんですよ。

下の坊やも台所育ち。大好きなおやつを作ってご機嫌。ご飯だけでなく好きなものを作らせるのも台所育児のコツ!

台所って毎日のこと。すごい料理とか作らなくていいので、一緒にご飯を炊く、味噌汁を作る、野菜を切る。

そういう小さなことを一緒にやっていく先に、子どもが自分で食べ物を作ってくれる日がやってくる。それはやっぱり大きな自立への一歩だと思うのです。

日登美/ひとみ
3男3女6児の母。10代よりファッションモデルとして雑誌、広告等で活躍。その後自身の子育てから学んだ、シュタイナー教育、マクロビオティック、ヨガなどを取り入れた自然な暮らしと子育てを提案した書籍、レシピ本など多数出版。現在はモデルとして活躍する傍ら、オーガニック、ナチュラル、ヘルシーをモットーに、食、暮らしと子育てのワークショップ、オンライン講座などを行う。 

台所から子育て、暮らしを豊かに。「Mitte(ミッテ)
instagram / @hitomihigashi_b
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