2021年9月18日

バイオリンより難しい!? ベルリン、タコパ(たこ焼きパーティー)レポート!【日登美のタベコト in Berlin・6】

ベルリン在住で6人のお母さん。モデルとして活躍する傍ら「台所から子育て、暮らしを豊かに」をコンセプトに、オンライン講座とウェブサイトを主催している日登美さんによる、「食」からはじまるエッセイ、第6回です。

ストリートフードがご馳走

ベルリンでは週末のマーケットやフードマーケットだと、お好み焼き屋さんが結構人気なんです。粉物だし、パンケーキのしょっぱいやつみたいだし、マヨネーズにソースもついてガッツリしているし、これはドイツ人好きだわ、って感じ。けれど、さすがにたこ焼き屋さんは見たことがありません。まずタコ自体が珍しく、わざわざ電車で買いに行く代物。なんかめでたいことでもなけりゃ食べられない値段。たこ焼きはベルリンでは高級品なのです。

けれど長女が日本から来ていたし、次女の誕生日もあったので、めでたい日のカテゴリーに入る。ということで(笑)、南部鋳造でできた年に一度くらいしか使わないたこ焼き器を引っ張り出して、ベルリンでタコパ(たこ焼きパーティー)を開催しました。

思春期真っ只中の息子までキッチンにやってくる。これぞたこ焼きマジック!

おじいちゃん、真剣です! バイオリンより難しいらしい。

お友達にも指南する娘。一緒に母国の食べ物を作って食べるっていいもんです。

たこ焼きって簡単に見えて結構めんどくさい作業なんですね。小さい丸いのをいくつも作ってひっくり返したりつっついたり。けれど次女は細かいことが得意な性格で、せっせと焼いて、お店屋さんみたいに上手なのを作ってくれました。数年ぶりのたこ焼きに一同感動……。そして、ちょうど来ていた友達や義父にも指導して、狭いキッチンでたこ焼き教室を開催。するとバイオリンを弾く義父が一言、「これってバイオリンの練習と同じくらい難しいよ。手先が鍛えられる。箸もそうだけど日本人が当たり前にやってることってほんとびっくりするよ」とのこと。

ふむ。確かに私たちにはこれが当たり前だけど、実は難しいことやっているんだよね。お箸など小さい頃から毎食毎食持ち方を直されて、の積み重ねなんですね。日本の食卓って結構いろんな知恵が詰まってる。ただ食べるてるだけじゃないんだなぁと、気がつきました。

本物のタコ入りたこ焼きの貴重さ。何年ぶりだろう、タコを食べたのは。

まるでお祭り。枝豆、お好み焼き、たこ焼き。これにもちろんビールもありました。

みんなでお好み焼きをケーキみたいに切り分ける。苦労したたこ焼きのタコを取り出してたべるちびっこよ……。

じゃーん! 自家製たこ焼き! 鰹節は自分で削ったよ!

ともあれ、ドイツ人にとっては食事はお腹がいっぱいになるのが大事。「たこ焼きは労力が多い割にそこまでお腹いっぱいにならない! これをせっせと作る日本人ってさすがだ!」といかにもドイツ人らしい発言も飛び交いながら(笑)、たっぷりお好み焼きも用意して、ソースにマヨネーズも自家製紅生姜も用意してガッツリ食べていただきました。この日はすっかり居酒屋? 祭り? みたいなメニューに。こんなストリートフードもベルリンで食べると、いろーんな意味でご馳走になっちゃうのでした。

日登美/ひとみ
3男3女6児の母。10代よりファッションモデルとして雑誌、広告等で活躍。その後自身の子育てから学んだ、シュタイナー教育、マクロビオティック、ヨガなどを取り入れた自然な暮らしと子育てを提案した書籍、レシピ本など多数出版。現在はモデルとして活躍する傍ら、オーガニック、ナチュラル、ヘルシーをモットーに、食、暮らしと子育てのワークショップ、オンライン講座などを行う。 

台所から子育て、暮らしを豊かに。「Mitte(ミッテ)
instagram / @hitomihigashi_b
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