冷える時には火を通して、熱がこもるなら生で。夏にトマトを食べる理由【日登美のタベコト in Berlin・4】
ベルリン在住で6人のお母さん。モデルとして活躍する傍ら「台所から子育て、暮らしを豊かに」をコンセプトに、オンライン講座とウェブサイトを主催している日登美さんによる、「食」からはじまるエッセイ、第4回です。
焼きトマトが活躍。夏のドイツの食卓より
ベルリンは早くも夏休み終盤。8月中旬から新学年がスタートです。この夏は例年になく雨や曇りが多く、気温も低め。夏!って感じの時期が短かったのはちょっと残念。 そういうこともあって、台所にも異変が。トマトを生で食べる回数が減り、焼きトマトを使うことが多かったこの夏。焼きトマトって簡単な上に料理をアップグレードしてくれる優れもの、奥様、これはおすすめですわよ。
例えばサルサ。しっかり皮ごと玉ねぎやニンニク、チリなどとグリルしたトマトをピュレ状にして作るメキシカンサルサが大活躍。コーンチップスにアボカドとこれ、が頻繁に食卓に、そしておやつにも上がったのでありました。火を入れたサルサは日持ちがするので、多めに作って置けるのも便利。そして別の料理に使いまわせます。なるべく火を使う回数を減らすのも夏の台所では大事なテクニックですよね。
パスタソースも生のトマトを微塵切りにしたニンニクと塩、オリーブオイル、バジルでマリネしたものを冷たくしたパスタに絡めるってのが夏の定番なんだけど(私のレシピ本にものってるやつ!)、今年はトマト、ニンニク、玉ねぎ、アンチョビに塩、オリーブオイルをかけて200度オー ブンで30分ほど軽く焦げ目がつくまで焼いたものをパスタに絡める、あったかいグリルトマトのパスタの出番が多かったなぁ。
夏野菜って体を冷やしてくれるから、暑い時には美味しいのだけど、気温が低かったりすると覿面(てきめん)に冷える! でも、火をしっかり通すことで美味しく旬を食べられるから調理法も大事なポイント。そして、オーブン焼き旬のトマトのソースはトマト缶を使うより甘味があって旨味もあって、しかもオーブンに放り込むだけ、と簡単で嬉しい。真夏を過ぎてもきっと活躍すること請け合い。
焼きトマトといえば、バゲットにのせて食べるのもおすすめ。お気に入りはドライトマトを戻して オリーブオイルとペーストにしたものを焼いたガーリックバゲットに塗って、その上にモッツァレラチーズを潰して混ぜたもの(お豆腐の水切りチーズ風でもいいよ)、みじん切りのガーリックと塩、オリーブオイルをまぶして200度で5〜10分ほど焼いたプチトマトを載せて食べるのがおすすめ。焼きトマトが肝なの。あったかくて冷たくて美味しい。食べやすく、消化にも優しい感じです。
気がつくと、そんな赤い食卓も多かったこの夏のベルリン。うんちくを言えば、マクロビでは夏に適応する色は赤。トマトは心臓の熱をとってくれて熱循環を助けるし、心臓の血管の脂汚れを分解するリコピンも豊富。冷える時には火を通して、熱がこもるなら生で食べる。旬の食べ物ってありがたいよねぇ、と思った我が家の夏の記録でした。
日登美/ひとみ
3男3女6児の母。10代よりファッションモデルとして雑誌、広告等で活躍。その後自身の子育てから学んだ、シュタイナー教育、マクロビオティック、ヨガなどを取り入れた自然な暮らしと子育てを提案した書籍、レシピ本など多数出版。現在はモデルとして活躍する傍ら、オーガニック、ナチュラル、ヘルシーをモットーに、食、暮らしと子育てのワークショップ、オンライン講座などを行う。
台所から子育て、暮らしを豊かに。「Mitte(ミッテ)」
instagram / @hitomihigashi_b
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