子どもの正しい靴選び 足にいい靴履かせてますか?後編
日々すくすく大きくなる子どもの足。伸び伸びと育つには、靴選びがとっても大事です。足にいい靴の選び方から正しい履き方まで、専門家に教えてもらいました。(kodomoe2018年2月号掲載)
イラスト/オガワナホ
教えてくれたのは
吉村眞由美さん
よしむらまゆみ/早稲田大学人間科学学術院招聘研究員。靴教育のエキスパートとして、子どもの靴と足の健康について、正しい知識を広めるべく「シューエデュケーション」を展開。講演やメディア出演等広く活躍。
オフィシャルサイトyoshimuramayumi.com/
すこやかな足を育てるためのポイント
足をすくすくと育て、足が本来持っている機能をしっかり発揮できるように
日ごろから気をつけたいことをチェックしましょう。
足の形や爪の様子を
定期的にチェックしよう
グングン大きくなる幼児期は、気がつかないうちに靴が小さくなっていることも。3~4か月に1度はサイズを確認して。靴に足を入れたままだと分かりにくいので、中敷きをはずして上に立たせ、後ろ端を基点に指先の余裕分量で確認するのも◎
3か月履きたければ1.2cm、
半年履きたければ1.4cmの余裕を
※4〜6歳の場合
「すぐに小さくなってしまうから」と、ジャストサイズよりも大きな靴を買う場合は要注意。3か月履かせたければ1.2cm、半年なら1.4cmの余裕までが許容範囲で、それ以上は大きすぎ。余裕のある靴を履かせる場合は、ベルトでしっかり固定!
子どもにフィット感を聞くのではなく
ママの目で見て確かめて
靴がきついかどうかを子どもが自分で言葉にするのは、小学校低学年でも難しいもの。「きつくない?」と子どもに聞くだけでなく、ママが実際に触って確かめたり、中敷きを使ってサイズ確認を。
デザインやブランドにとらわれず
本当にいい靴を選ぼう
名のあるスポーツブランドの靴でも、安定感が悪かったり幼児に適していないことも。このブランドなら安心と過信せず、いい靴の条件を満たしているかで選びましょう。
5歳になったら
自分で正しい履き方が
できるようにトレーニング
靴教育先進国のドイツと異なり、日本の小学校では靴をゆっくり履くためのスペースは設けられていません。小学校に上がると立ったまま慌ただしく履くことになるので、それまでに立った状態で正しい靴の履き方(前編を参照)ができるように練習しておきましょう。
吉村さんに聞きました!
靴と足のQ&A
kodomoeママから挙がった足と靴についての疑問・質問にズバリお答えします!
Q. 片方の靴のかかとだけすり減ります。
歩き方が悪いの?
A. 靴を正しく履くことで片減りは防げます
「片側のかかとがゆがんでいると、立ち方や姿勢のバランスが悪くなるため、片側の靴のかかとだけ減ってしまうことも。靴には矯正具としての機能もあるので、正しく履くようにすれば、自然とバランスが取れてきます」
Q. 人気の「速く走れる靴」、効果のほどは?
A. 靴の機能よりも正しく履くことが大事
「各社様々工夫した靴がありますが、それを履けば誰でも速く走れるわけではなく、心理的な効果や個人の力も大きいのでは。まずはサイズの合った靴を、正しい履き方で履くことを大事に」
Q. 健康のために裸足で過ごすのと、
靴を履かせるのはどちらがいい?
A. もちろん裸足!
靴も裸足感覚で履けるのがベスト
「足が自由に動くので、それが許される環境なら裸足がいいですね。ただ、適切なサイズの靴を正しく履けば、足指が自由に動くので裸足に近く、発育の邪魔をしません」
Q. きつく締めすぎると足の血流が悪くならない?
A. 甲をしっかり締めることで足指がより自由に!
「甲のベルトでは、しっかりホールドしても血流が悪くなってしまうほど締め付けることはありません。むしろ甲をきちんと留めることで、足指が動きやすくなりますよ」