
第3回 井上和香さん×JPIC読書アドバイザーさん 「2歳の娘への読み聞かせ、これでいいでしょうか?」
2歳の娘さんの育児とお仕事に、毎日奮闘中の井上和香さん。
  kodomoeの連載「季節の絵本ノート」で絵本紹介を担当しているJPIC読書アドバイザー・原陽子さんに、おうちでの絵本の読み聞かせについて伺いました。
■原陽子さん:
 JPIC読書アドバイザー、フリー編集者。kodomoeでは「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本の記事を担当。3児の母。
びっくり、パパの斬新な読み聞かせ!?
井上和香さん(以下、和香):
 娘に絵本を選ぶときに、今の年齢にぴったりのものを買うべきか、少し上の年齢の本にするべきか、悩みます。
原陽子さん(以下、原):
 お子さんは今2歳ですか。
和香:
 はい、今年の7月で3歳になります。
原:
 今の年齢にぴったりでも、もっと上でも下でも、気にし過ぎなくて大丈夫ですよ。
 対象年齢が0歳〜という絵本もありますが、赤ちゃんに読み聞かせって、現実には案外難しいですよね。
和香:
 そうですね、聞いてもいない感じで。
原:
 対象年齢は、あくまで目安ですから。
 でも、純粋に絵の世界にひたって楽しめるのって、文字を覚える前の今ならではなんです。文字を読めるようになると、絵本の中の文字を追ってしまうんですね。
 たとえば、赤ちゃんにも人気の『もこもこもこ』は、まさに文字以前に、絵と音で楽しめる絵本。
 読み手もお母さんとお父さんで、読む場所も家と園で、それぞれ印象が違ったりするので、赤ちゃん向けと思って早めに卒業しないで、繰り返し味わうと楽しいですよ。
 小さいうちから「絵本って楽しいものなんだ」という体験を重ねて、読むことに親しんでいると、学校での学びへの移行もスムーズになりますよね。
和香:
 そうなんですね。
 (『なきごえバス』を手にして)「にゃー、だれのこえ? ……ねこさん」。
 この本を見て、「ぶーぶー、ぶーぶー」って一緒に言ったりしてます。
原:
 そういうやりとりも、お子さんが小さい頃だけの貴重な時間。
 今の内にたくさん楽しんでください。絵本ってきちんと読んで理解して、優しい心を育てて、という思い込みが多いですが、もっと自由に楽しんでいいはずなんです。
 よく、「子どもがどんどんめくってちゃんと読めない」というお悩みも聞きますが、一息ついて、「こんなに指先が自由に使えるようになったんだ」と、発達の証ととらえてあげて。
和香:
 それはそれでいいんですね、お話進んじゃったよ、とか言わなくても。
原:
 はい。めくると場面が変わっていくことが楽しい、その気持ちを受け止めてあげたいですね。
 どこをめくってもいいような本を選ぶのも一案です。
和香:
 ストーリー性がそんなにないものですね。
原:
 そうですね。物語をちゃんと読ませたい、という大人の思い込みからイライラが生まれがちなので。
和香:
 最近、子どもが主人に「えほんよんで」と持って行くと、読むのがめんどくさいのか、適当にページをめくって「……いろいろあるよー、……いろいろあるよー」と言うんです。
原:
 わあ、斬新ですね(笑)。
和香:
 それを聞くといつも、「もうちょっと真面目に読んであげてよ」って思うんですけど、その「いろいろあるよー」の節回しが楽しいのか、娘はキャッキャッ笑ってて。
 「いろいろあったねー、おしまい」。「もういっかい!」って、なんか娘と主人の間で成立しているんですけど、今の時期だったらストーリーを追わずに楽しんでいる方がいいんでしょうか?
原:
 ちょっとイラッとするお気持ちは、わかります(笑)。
 でも、パパと娘さんで絵本を間にして楽しい時間が持てている、そちらに注目してあげるといいと思います。
和香:
 そっか、そっちですね。
原:
 ママが読むときに、同じ本をちゃんと順番通りに読んであげると、また伝わるものがあるかもしれません(笑)。
和香:
 でも最近、娘はこのページにはこの言葉、と覚えてきたみたいで、『だるまさんが』は全部わかってるんです。
 「ぷしゅー」とか「びろーん」とか、ページを見ると全部言うようになっていて。
 「読めるの?」って聞いちゃうくらい、びっくりしちゃって。
 それがあるからこそ、「いろいろあるよー」はすごい腹が立ってきちゃって。
原:
 そんなパパには、『へんなかお』がいいかも。
 「へんなおかおが、いろいろあるよー」って。
 絵本の最後にミラーがついていて、変顔を映せます。
和香:
 これ、面白いですね。
 今、娘は変顔ブームが来てまして、カメラを向けると全部変顔。
 最近あっかんべーを覚えて、「あっかんべー」っていいながら思いっきり変な顔、してますね。
 私も必死に変な顔してるんですよ(笑)。

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原:
 和香さんが(笑)。
 他にもたとえば『こちょこちょももんちゃん』で、パパが読みながら一緒にこちょこちょをするとか。
 文字も多くないので、パパも読みやすいです。
 パパ、ママ+絵本+娘さんで楽しい、その時間を大切にできたらいいですね。



































