2020年1月31日

「もういっかい!」の気持ちに応えたい。ママタス編集長・原田直美さんの読み聞かせ【うちの読み聞かせ・7】

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気になるあのママ・パパは、絵本をどんなふうに楽しんでいるの? 親子の読み聞かせについてお話をうかがう連載。第7回はママ向け動画メディア mama +(ママタス )編集長で、8歳の男の子ママの原田直美さんです。

強さや優しさ、多様性などが伝わるものを意識して選んでいました

――原田さんはお子さんがいくつのころから絵本の読み聞かせをされていますか?

 卒乳後の寝る前の儀式として決まった形ができたのは1歳のとき。大きくなってどんどん文字が増えて1冊あたりの時間が長くなっていき、読み聞かせに1時間くらいかかることも多くなったので、途中からは寝る時間を考えて2冊までと決めました。毎日寝る前に、ベッドに入って並んで座ってふとんをかけながら、という体勢で読むのが習慣になっていました。

――その日に読み聞かせる絵本はどうやって選んでいましたか? 絵本を買ったり借りたりするときの基準はありますか?

1冊は息子が選び、もう1冊は私が選ぶことが多かったです。 ベッドサイドに常に子どもがその時に好きな本を20~30冊積んでおき、子どもがその中から選ぶ方式。私は新しい本や、自分が読みきかせたい本。夜遅い時はついつい短いものを選んだりも(笑)。子どもは物語系の本が好きなので、そういう本を選ぶことが多かったです。

購入については、 福音館書店の月刊誌の絵本「こどものとも」「かがくのとも」が毎月届くのと、家族で毎週末書店に行くのが習慣なので、毎週1、2冊は購入していました。その時の年齢に合わせて、この棚のここから選んでね、という方式で、基本的には本人のセレクトしたもの、それに私が良いと思うものを追加。

「もういっかい!」の気持ちには必ず応える。ママタス編集長・原田直美さんの読み聞かせ【うちの読み聞かせ・7】の画像1

書店では各自自由行動。親が自分の本を選んでいる間に息子も自分で選んだり読んだりしています。

私は名作系で昔自分が読んでいたものを選ぶことや、メディアのおすすめ絵本特集を参考にすることが多かったです。色々な種類のものを読みきかせたかったので、絵本特集などで気になる本があれば、アプリでリストにしたり、スクショしておき書店でそれを探す、というやり方で。「kodomoe」さんも参考にしていました(笑)。多かれ少なかれ、絵本には子どもにとって良い要素があると思いますが、強さや優しさ、多様性などが伝わるものを意識して選んでいて、結果的に主人公が冒険に出るものが多めだった気がします。

「もういっかい!」の気持ちには必ず応える。ママタス編集長・原田直美さんの読み聞かせ【うちの読み聞かせ・7】の画像2

小学生になっても同じ。これは水戸へ空手の試合に行った時に駅ビル内の大きな書店で。旅先でも書店に寄ります。

―― 「kodomoe」も参考にしていただいたなんて、ありがとうございます(笑)。原田さんが絵本の読み聞かせで、決めていたことはありますか?

「もういっかい!」と言われたら必ずもう一回読むこと。子どもが集中して楽しんでいる証しだと思うので、その気持ちには応えると決めていました。日中は仕事や保育園、帰宅後もバタバタ忙しくて、読み聞かせはやっと落ち着いて向き合える時間なので、受け止める意味で必要だと思って意識的に。息子はほぼ毎回「もういっかい!」と言うので、いつも同じ絵本を2回は読むことになりました。結局2冊と決めていても4冊分の時間がかかっていましたね。

――絵本の読み聞かせがきっかけになった、お子さんの印象的なエピソードなどあれば教えてください。

息子が3歳の時にいきなり『ぐるんぱのようちえん』を最初から最後まで一言一句間違えずにスラスラと暗唱しました。意味というより音で覚えている感じ。子どもってなんてすごいんだろう! と感動しました。その後、響きと絵が面白くて気に入ったので『寿限無』(工藤ノリコさん絵のもの)を読み聞かせ、私は覚えようと意識的に頑張りましたが、意識していない息子の方が断然早かったです(笑)。

息子は8歳の今でも寿限無を覚えていて、たまに寿限無の一節に出会うと二人で「あ!」と一緒に口ずさんでいます。音で覚えてしまうのは、声に出して耳と口で味わう読み聞かせならではだと思います。

――このお写真は、猫の絵本のコレクションでしょうか。いろんな国の言葉で書かれていますね。海外の絵本も読み聞かせをされたりするのでしょうか。

「もういっかい!」の気持ちには必ず応える。ママタス編集長・原田直美さんの読み聞かせ【うちの読み聞かせ・7】の画像3

各国で購入した猫本の一部。北欧やアジアなどバラバラ。どこで購入したのか忘れてしまったものもあります。

昔から私は旅と猫が大好きで、旅先で必ず猫の絵本や図鑑を探して買っていたので、家に猫の絵本がたくさんあります。発展途上国では猫はただの動物でペットとして注目されていないので本が存在していなかったり、そもそも自国語の本自体が数少ない。対して先進国では猫がお姫様のように扱われていたり、と文化の違いがはっきり浮き彫りに。しかも、猫絵本は凝ったしかけのものが多く、絵本としても楽しいです。

息子が小さい頃は、各国の猫の絵本を普通の絵本としてながめて一緒に「どの猫が好き?」などと話していましたが、大きくなると文字の違いに気づいたり、今では「これはどこの国?」「猫ってエジプトではなんて呼ぶの?」など、日本以外の国のことも自然に受け入れて興味を持っています。絵や写真と文字が一緒に並んでいる絵本ならではの、世界の言語への入り口かなと思っています。

原田さんの思い出の読み聞かせ絵本3冊

――それでは、原田さんの思い出の読み聞かせ絵本を3冊、教えてください。

『リンドバーグ』
(トーベン・クールマン/作 金原瑞人/訳 ブロンズ新社)

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話も良いし、とにかく絵がすごい。どのページもリアルで迫力があり、引き込まれる。最初に読んだ時に、横の息子が息を呑み、その興奮が伝わってきたのを覚えています。読む時はいつも目をキラキラさせていて、読み聞かせだけでなく、自分でも何度も読んでいました。

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『リンドバーグ』は大きくて子どもには読むのが大変ですが、その分迫力を感じられます。

『くものすおやぶんとりものちょう』
(秋山 あゆ子 /作 福音館書店 )

「もういっかい!」の気持ちには必ず応える。ママタス編集長・原田直美さんの読み聞かせ【うちの読み聞かせ・7】の画像6

 時代劇のような絵本で、文章も時代がかっているので最初は読んでいて意味がわかりにくく「ん?」となったけれど、繰り返し読むと面白い文章でくせになります。息子は、主人公のくものすおやぶんが悪者を捕まえる桜吹雪の見開きが大好きで、何度も何度も読みました。

「小さい頃好きだった絵本は?」と聞いたらこの本の題名が最初に出てくるほど、今でも好きな本。8歳になった今は戦国武将にはまっているのですが、時代物が好きなのはこの頃からみたいです。

『ラチとらいおん』
(マレーク・ベロニカ/ 文・絵 徳永 康元/訳 福音館書店)

「もういっかい!」の気持ちには必ず応える。ママタス編集長・原田直美さんの読み聞かせ【うちの読み聞かせ・7】の画像7

言わずとしれた名作で、子どもだけでなく私も大好きな絵本。

2月生まれで同学年の子に比べて小さく弱めでよく泣いている我が息子と、頑張るラチが重なって、読むたびに私が泣いてしまい、いつもこっそり涙を流しながら読んでいた思い出の本。絵もかわいく、気に入っているので、人にプレゼントすることもあります。これと、『やさしいライオン』の読み聞かせは必ず泣いてしまいます。

――ありがとうございます。ところで、原田さんご自身の子どもの頃の読み聞かせの思い出はありますか?

母親が、暇さえあれば読み聞かせをしてくれたので、絵本も本も大好きでした。毎週2か所の図書館で家族分の冊数を借り、あとは毎月分厚い世界童話全集の新刊が家に届くのを楽しみにしていて、何度も読んでもらいました。自分自身は真っ黒に日焼けした田舎の子でしたが、アンデルセン童話の「えんどうまめの上に寝たおひめさま」が大好きで、40枚の布団の下にある1粒のえんどうまめのせいで体が痛くて寝られないほど繊細なお姫様に憧れていました。今となってはとんだ階級社会だなと思います(笑)。

小学生になると自分で読むことが増え、本を読みながら歩いて通学している子として近所で有名でした。「本はいくらでも買っても良い」という家だったので、近所の書店では請求書払いで本を買い、学生時代はいつも本を読んでいました。私は今は動画メディアのIT企業にいますが、元々新卒で出版社に入ったのは、本が好きだったから。その原点は、母親にいつも読んでもらった絵本の読み聞かせだと思い、本への扉を開いてくれたことに感謝しています。

――原田さんご自身も絵本の読み聞かせと縁が深かったのですね……

子どもは8歳になり、いつもは自分で本を読んでいますが、今でも「ママが読んであげよっか」と言うととても喜んでくれます。読む内容だけでなく、読んでもらう、読んであげるという時間が好きなんでしょうね。これからも、喜んでくれる間は読み聞かせを続けたいです。

原田直美
はらだなおみ/mama +(ママタス )編集長。雑誌「Zipper」「nina’s」の編集・編集長を経て現職。趣味は子連れ海外と占い。
ママタス /C Channelが運営するママのための1分動画メディア。「らくちんもきちんとも。頑張りすぎずに子育てを楽しもう」をコンセプトに、育児や家事の動画をSNSで配信。Instagramのフォロワー数は68万人。
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