揚げ物は小さな子どものお弁当には入れない。子どもの年齢によって、お弁当の内容を変えている理由【日登美のタベコト in Berlin・71】
ベルリン在住で6人の子どものお母さん。モデルとして活躍する傍ら「台所から子育て、暮らしを豊かに」をコンセプトに、オンライン講座とウェブサイトを主宰している日登美さんによる、「食」からはじまるエッセイです。
子どもの年齢でお弁当の内容を変えています
我が家ではお弁当を使い分けています。
ドイツの学校に行っていると、小さい子どもたちはお弁当をできるだけシンプルにしてほしい、と思うようです。
周りのみんなが持ってきているものが、丸ごとりんごなど季節のフルーツ、切っただけの野菜に、黒いパンのサンドイッチ。そういうものを年間通して全く変化なく(笑)持ってくるので、変化に富んだいわゆる日本のお弁当とはかなり違います。
日本スタイルのお弁当を持っていけば「わぁ、すごい!」と言われることもありますが、それはだいたい高学年以上の子どもの場合。小学校低学年くらいまでは「みんなと一緒」という共感できるものの方がいいようです。
けれど大きな子どもになると、いわゆる日本の立派なお弁当を誇らしそうに持って行きます。その頃になると文化の違いがわかるようになるし、シンプルな食事をするドイツ人の子どもから見ると、品数の多さ、手の込み具合、見た目から味、入っているもの全てが「異文化の塊」のようで、「日本食ってすごい!」と称賛を浴びますし、いろんなものを食べたくなってくる。年齢によってお弁当に期待するもの、必要性が変わってくるんですね。
そんなわけなので、我が家ではお弁当も子どもの年齢やTPOに合わせて使い分けています。
日本のお弁当って毎日が正装のように、あらゆる意味できちんとしてる。でも、子どもって実はそれを必要としていないこともありますよね。
日本では、お弁当を残して困る、っていうことがあるようですが、ドイツのお弁当だと品数も少ないし、嫌いなおかず、というほどの料理は入ってないので(笑)、残すことがほとんどありません。それに食べるのに時間がかからないから、集中してささっと食べてくれるという利点もあります。作るのも簡単だし、ちゃんと食べてくれるならお互いに食事に係るストレスが少ないです。
なので、日の丸弁当やおむすびだけのお弁当とか、そういう簡単な弁当が、特に幼い子どもとの生活ではもっと推奨されてもいいのかな、と思ったりしています。
日登美/ひとみ
3男3女6児の母。10代よりファッションモデルとして雑誌、広告等で活躍。その後自身の子育てから学んだ、シュタイナー教育、マクロビオティック、ヨガなどを取り入れた自然な暮らしと子育てを提案した書籍、レシピ本など多数出版。現在はモデルとして活躍する傍ら、オーガニック、ナチュラル、ヘルシーをモットーに、食、暮らしと子育てのワークショップ、オンライン講座などを行う。
台所から子育て、暮らしを豊かに。「Mitte(ミッテ)」
instagram / @hitomihigashi_b
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