2023年5月20日

手間のかかる餃子や肉まんなどは特別な日、平日は一汁一菜が基本。定番メニューがあれば、大家族の食事も大変じゃない【日登美のタベコト in Berlin・47】

 ベルリン在住で6人の子どものお母さん。モデルとして活躍する傍ら「台所から子育て、暮らしを豊かに」をコンセプトに、オンライン講座とウェブサイトを主宰している日登美さんによる、「食」からはじまるエッセイです。

我が家の定番料理

大家族の我が家では料理するの大変でしょ?とよく聞かれるのですが、確かに量を作らねばならないのでそこは大変ですけど、ご飯作ること自体は実はそんなに大変じゃないんです。

というのも、それなら毎週でも食べられるっていう定番のメニューがあって、それを繰り返せば子どもたちが満足、というルーティーンがあるからなんです。

多分一生食べられるね、と家族全員意見が一致しているブラジルの豆料理フェジョアーダ。ほぼ週1の定番メニューです。

最近はキムチブームの我が家。ドイツの大きな子どもにも大人気です。

確かにいろんなお料理を作って食べるのは楽しいのだけれど、毎日買い出しに行く手間も大変。とにかくいつも家にあるご飯と味噌汁を軸にして、はたまたドイツでは良質のパン食も地産地消ですからそれも混ぜ込んでおくと、あまり努力しなくても献立ができてきます。

例えば、我が子はご飯党なので、ご飯とキムチや納豆などの発酵食品は定番でほぼ毎日食べられるようにしておきます。それに余裕があればお肉を食べる子にはそのおかずを追加、食べない子にはお豆腐やお揚げなどを季節の野菜とあわせてお味噌汁に入れちゃって一汁一菜を基本に。それでも十分バランスの取れた食事になっているので、不思議と物足りない感じにならないのです。和食ってすごいですね。

ご飯を炊く暇すらないときには、パンの出番です。夜ご飯をパンとビーガンのスプレッドにサラダで済ませてしまう。朝学校に持って行く朝食もパンと果物、ナッツ、野菜などをメインにしてしまう。それで朝と夜の時間がないときには、台所の仕事を軽くします。

とりあえずご飯になんでも乗っけて食べる。美味しい手作り調味料さえあれば、一汁一菜で大満足です。

何もなくても海苔巻きにしちゃうと見栄えもして便利。海苔巻きは我が家の弁当の定番です。

あとは定期的に食卓にあがるのはフェジョンと呼ばれるブラジルの豆の煮込み。これを肉なしで作っておくと肉を食べない子どももたっぷり食べられるし、肉が欲しい子には焼いてあげればいい。残ってもカレーみたいなものでおいしく、翌日もサルサと一緒に食べたりアレンジもきく。栄養価も高く、脂肪も多くないのでいつでも食べられる日本の味噌汁みたいなありがたいメニュー。

こういう地味な一鍋料理と、ご飯に季節の味噌汁、ちょっと漬物などの発酵食品、いざという時のパンに瓶詰めのスプレッド。それさえあればみんな満足。というわけでこういう骨組みを家庭それぞれに作ってしまえば台所はうんと楽になるように思います。

餃子や肉まんなど、子どもらの好物だけど手間のかかるものは思い切って誕生日などの特別な日のメニューにしてしまい、平日には基本出てこない、としてしまっても意外と特別が嬉しくなってよかったりして。食事をシンプルにすることで手間を省く。そして質の良い食材でバランス良く飽きがこないメニューを繰り返す。それが今の我が家の楽々な食卓です。

肉まん、昔は普段から作ったけど、今では特別な日か時間がある時しか作らない。でも家族に大人気なので作ると喜ばれる。たまにしか作らないのも、ありがたみがあって良いようです。

手間がかかる料理は子どもと楽しむ。たまにだから楽しめる。台所は楽に、シンプルにを基本に。

日登美/ひとみ
3男3女6児の母。10代よりファッションモデルとして雑誌、広告等で活躍。その後自身の子育てから学んだ、シュタイナー教育、マクロビオティック、ヨガなどを取り入れた自然な暮らしと子育てを提案した書籍、レシピ本など多数出版。現在はモデルとして活躍する傍ら、オーガニック、ナチュラル、ヘルシーをモットーに、食、暮らしと子育てのワークショップ、オンライン講座などを行う。 

台所から子育て、暮らしを豊かに。「Mitte(ミッテ)
instagram / @hitomihigashi_b
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