2019年8月13日

特別な言葉がけは不要。モンテッソーリ的に考える、大人の役割3つ【ノンちゃん先生の「おうちでモンテッソーリ」・6】

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モンテッソーリ教育を日米の保育現場で実践してきた小原希美さん(ノンちゃん先生)が、子育てに役立つモンテッソーリ的考え方をわかりやすくご紹介。子どもとの向き合い方がぐっとラクになります♪

ママに求められるのは「黙ってただ見てるだけ」?

特別な言葉がけは不要。モンテッソーリ的に考える、大人の役割3つ【ノンちゃん先生の「おうちでモンテッソーリ」・6】の画像1

私たちモンテッソーリ教師は、時々こんな言われ方をすることがあります。「モンテッソーリの先生って、ただ座って見ているだけなんでしょう?」って。

モンテッソーリ教師がクラス運営をする際に心に留めていることがあります。 それは、子どもが活動を選択できるように、さまざまな角度から積極的な働きがけはするけれど、いざ活動に取り組み始めた時は教師は影のように振舞い、子ども達がより深い集中に入れるように援助するということです。

私たち大人の仕事は、子どもと環境とを繋いであげること。ただそれだけで、子どもは生まれながらに持っている、自分自身を教育する力(自己教育力)でどんどん伸びていくのです。

環境と子どもを繋ぐ役割ってどんなことだと思いますか? モンテッソーリ教育の中で考えられている主な大人の役割は、大きく分けると下記の3つ。

1.子どもがやってみたい、触れてみたいと思える環境を適切なサイズで用意する

大人が普段生活している空間は、大人に合った大きさの家具や生活雑貨で整えられていますよね。それは大人にとっては使いやすいサイズだったとしても、子どもにとっては、大き過ぎたり高過ぎたりしてしまうのです。そのため、子どもが『自分一人でやりたいな!』という気持ちが芽生えても上手く扱えず、結果失敗してしまうということに。

子どもはそんなつもりじゃなくても、忙しい時間に水をこぼされたりしたら…、親もイライラとしちゃいがち。その解決策としても、子どもの手のサイズに合った用具を用意する、届くように補助ステップを準備してあげると言った工夫をすることで、子どもが一人でできる作業が徐々に増えていくのです。

2.やり方をゆっくり見せてあげることにより、環境と子どもを結びつける

子どもが何かを失敗してしまったり、できなかったりするときの原因の一つとして、そもそもの「やり方」がわからない、というのがあります。「やり方」といっても大人がイメージする「方法」や「手順」というよりも、体(手)をどのように使って、どう動かせば、目的の動作ができるのかが分からないのです。

例えば、スプーンを持つのにも、親指→人差指→中指の順番に動かして3本の指を中心に握りますが、そもそもそのことを分かっていない(気付けていない)ので、グーで握ってすくおうとするのです。そういう場合は、大人がその動きをゆっくり見せてあげることで、子どもがその動きを真似できるようにして、正しい動きに導いていくことができます。

3.子どもが自発的に集中して活動に取り組めるように大人の存在感を消す

子どもは自分自身の体を成長させるために、周りからの間接的な助けはあっても、最終的には自分自身でできないことと向き合う中で成長していきます。モンテッソーリの考え方では、子どもは生まれながらにして自分に必要な能力を獲得するために、本能的に必要な活動(行動)をとると考えられています。つまり、身体の内面からの自然な欲求によって、それぞれの成長課題に取り組んでいるのです。

ママやパパが喜ぶ姿を見ると子どもは嬉しくなってしまいますが、何かに集中しているときの子どもは決して大人に喜んでもらいたいからそれを選んでいるわけではありません。であれば、子どもが活動に取り組み始めたら、大人は存在感を消し、そっと見守ってあげることが大切ではないでしょうか。

とは言え、まだ発達途中の子どもたちは、大人からすると「あれ? ここってそんなに難しい?!」と思うような部分でできないことが出てくると思います。そういう時はまず、良く観察すること! そして、できない部分だけを見極めて、その部分だけにそっと手を差し伸べてあげて下さい。その時に、「できなかった?」「手伝おうか?」など特別な言葉掛けはいりません。あたかも空気のように手を貸してあげれば十分です。

そうすることで、最終的に子どもの力でその活動を終えられた時、たとえ一部分を大人が手伝っていたとしても、「自分の力で終えられた〜!」という満足感や達成感につながります。 そして、その経験の積み重ねで、心もどんどん自立していくのです。

ぜひ、上手に大人の存在感を消しながら、子どもの活動を見守ってあげてくださいね。きっとたくさんの成長が見られますよ。

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撮影/花田梢

小原希美(おばら・のぞみ)
幼稚園教諭としてモンテッソーリ教育と出会い、専門知識を深めるために単身渡米。創設者マリア・モンテッソーリの流れを汲む本場の専門教育を受け、教師資格を取得。その後も米国内にて3年間乳幼児施設に勤務し、経験を積む。15年間の教諭・保育士経験で延べ2,000名以上の子どもたちと関わる。 恵比寿にある『はじめの親子教室』ではモンテッソーリ教育をご家庭でも手軽に取り入れられるよう工夫した独自メソッドにて日々指導にあたっている。
はじめの親子教室 https://hajimenooyako.com/
Instagram @hajimenooyako 

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