2020年4月9日

昼間でもフラッシュを使って撮ってみよう!【ママカメラマンのスマホ写真術・17】

育児雑誌などで活躍中のママカメラマン、成田由香利さんによるスマホカメラの写真術。子どもを撮るときのアドバイスを教えていただきます!

フラッシュを使ってみよう

 みなさんこんにちは。 今回は、スマホカメラについている「フラッシュ機能」についてお話ししていこうと思います。

フラッシュは、スマホの背面についているカメラレンズの横についていますよね。 小さい白っぽい丸や四角のものが多いと思いますが、とても小さい部分から強い光が放たれるので、被写体となる人にダイレクトに当たると、 顔が白く飛び気味になったり、奥行きがある場所で撮影すると背景部分が暗くなってしまったりするので、「フラッシュはコントロールしにくい」というイメージをお持ちの方もいらっしゃると思います。

フラッシュ機能は基本的にオフの状態にしておいた方が、その場の光の感じや色味などを崩さずに写真に残せるのですが、撮影場所が暗ければ暗いほど、明るく撮れるようにカメラの補正機能が働き、写真の画質が落ちていきますので、 暗い環境で撮ろうとしている時は、フラッシュ機能を利用してパッキリとした雰囲気の写真で残すのも、自然光で撮った雰囲気とは変わりますが、味があって面白いと思います。

雑誌の撮影などでも、このフラッシュ(ストロボ)の硬くて強い光をあえて利用することで、ビビッドで、光と影の差が濃い写真(生っぽい写真とも言います)に仕上げる時もありますよ。

昼間でもフラッシュで撮ってみよう!【ママカメラマンのスマホ写真術・17】の画像1

子どもたちとケーキの距離感が1歳という年齢を物語っていますね。

こちらの写真は、次男1歳の誕生日の時の写真。ろうそくに火を灯して、ろうそくの赤い光で二人を撮ろうと準備していたのですが、ケーキにフォークを刺したくてウズウズしている次男を長男が牽制している様子が面白かったので、あえてフラッシュをオンにして撮りました。

手前のバースデーケーキが白トビしていますが、息子たちにダイレクトに当たった光は、発光したことへの驚きなのか少し緊張感がある表情として、写真に収まりました。

フラッシュは慣れるまでは、うまくいくこともあればいかないと思うこともあるかもしれませんが、そんな時は、写真の編集アプリなどで、フィルターをかけたり明るさを調整したりすると、写真が生きてきます。

フラッシュを使った写真は、青味が強くなったり、逆にオレンジっぽくなったりすることがあります。その場合は、アプリの編集機能の中に「暖かさ」という項目をプラスにしたりマイナスにしたりして調節すると、それだけで、印象が変化しますよ。ない場合でも、お好みのトーンを探したり、写真によってはあえてモノクロームにしてみるのもいいですね。いろいろ試してみて下さいね。

昼間でもフラッシュで撮ってみよう!【ママカメラマンのスマホ写真術・17】の画像2

つかまり立ちの次男。フラッシュを使うと、写っている人の瞳にフラッシュの光が映り込んで、それが写真のアクセントになることもあります。 テーブルのへりにつかまってぐるぐる回っていた頃が懐かしいです。

フラッシュの出番として、ぜひ活用していただきたいなあと思うのは、逆光の場所で写真を撮る時です。カメラを立ちあげ画面を見て、なんだか被写体がすごく暗いなあと思う場合は、被写体の部分をタッチして、明るさの補正をするやり方もありますが、フラッシュをオンにして撮る方法もあります。その場合は、オート機能のフラッシュではなく、強制発光を選んでくださいね。

これはコンパクトカメラで撮った画像です。 フラッシュを使わずに試しに一枚撮ってみたのですが……

昼間でもフラッシュで撮ってみよう!【ママカメラマンのスマホ写真術・17】の画像3

逆光で、息子が暗く黒く写っています。 そこで、フラッシュ機能をオンにしてみたところ、

昼間でもフラッシュで撮ってみよう!【ママカメラマンのスマホ写真術・17】の画像4

フラッシュにより、暗い部分の明るさを補うことができましたが、 写真の色味が青い印象ですね。これを、写真編集アプリで調節してみました。

昼間でもフラッシュで撮ってみよう!【ママカメラマンのスマホ写真術・17】の画像5

一枚の写真も、フラッシュを使ったり編集アプリを使うことで様変わりしますね。「暖かさ」だけでなく、「明るさ」「コントラスト」「彩度」も使いつつ、4つを調整しながら、写真が生き生きとしてくるのを感じていただけると嬉しいです。

また、フラッシュには、動きを止める働きもあります。明るい場所でもあえてフラッシュを使うことで、水しぶきなどをきれいに写すことができます。

昼間でもフラッシュで撮ってみよう!【ママカメラマンのスマホ写真術・17】の画像6

夏の日の屋外だったので、水しぶきもきれいに写った一枚です。

スマホカメラは、オートでシャッタースピードや絞りを決めるので、カメラを使う側で細かく設定ができず、状況によってはブレたりすることもあるかもしれませんが、いろいろ試してみてくださいね。

また、フラッシュで撮る際は、強く光ってしまうので、周りのご迷惑にならないよう、そして、お子さんの安全を確認して使ってください。

今週の一枚

昼間でもフラッシュで撮ってみよう!【ママカメラマンのスマホ写真術・17】の画像7

今週の一枚は、実家に帰省した時に、お着替え中の次男が、服が頭から抜けずに怒って泣いていた時のものです。薄暗かったので、フラッシュを使って撮ったのですが、次男は明るく、後ろの部分が暗く写ったことで、迫力が増したかなと思います。お子さんの日常の面白シーンを、ぜひ、フラッシュで狙ってみてくださいね。

それではまた。

昼間でもフラッシュで撮ってみよう!【ママカメラマンのスマホ写真術・17】の画像8成田 由香利 
なりたゆかり/カメラマン。1980年生まれ。秋田県出身。大学在学中に写真にめざめ、夜間の写真学校に通い学ぶ。その後六本木スタジオ勤務を経て、回里純子氏に師事、2008年に独立。小学3年と1年の息子二人の母。主に雑誌の撮影で幅広く活動中。
Instagram @naritayukari_p
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