2020年4月28日

撮った写真にフィルターをかけてみよう【ママカメラマンのスマホ写真術・18】

育児雑誌などで活躍中のママカメラマン、成田由香利さんによるスマホカメラの写真術。子どもを撮るときのアドバイスを教えていただきます!

スマホで撮った写真にフィルターをかけてみよう

みなさん、こんにちは。 今回は、スマホで撮った写真にアプリでフィルターをかけて楽しんでみよう、というお話です。

その昔、まだフィルムで撮影した頃は、フィルムの種類に応じて、レンズの前に色のついた薄いセロファンシートや、丸いガラスでできたフィルターを取り付けて撮影したり、また印画紙にプリントする際にフィルターをかけて色味を変えたりしていたものですが、デジタルカメラになってからは、撮影時にカメラが色を補正してくれたり、撮影後、パソコン上で調節できるようになりました。スマホカメラも、年々進化していて、写真加工・編集アプリもたくさんあって、選びきれないほどですね。

私がカメラマンのアシスタントをしていた頃は、まだフィルムカメラ全盛の時代で、このようなフィルターを、撮影場所の光の状態に合わせて付け替えていました。

写真は、「明るさ・コントラスト・色味」の3つのバランスを整えることにより、印象を操作することができるのですが、撮った写真をアプリに取り込めば、アプリ内にあるフィルターの種類の分だけ、多種多様な雰囲気の違う写真を残すことができます。

先にフィルターをかけた状態で撮影することも可能ですが、個人的には通常通り撮影した後で、加工アプリを使用することをお勧めします。そうすれば、写真に合ったフィルターの種類を後からゆっくり選ぶことができますし、フィルターがかかっていないオリジナルな写真を残しておくことで、何年か経ってから、自然な風合いを懐かしく見返すことも可能になるからです。

こちらは、明るく、コントラストが弱い写真。

今度は、暗く、コントラストが強い写真。

明るく、コントラストが弱い写真に、シアン(水色)のフィルターをかけた写真。

上記3枚は、同じ写真でも雰囲気がそれぞれ違いますね。

今回のこのコラムを書く上で、人気があると言われているアプリを10種類ほど試してみたのですが、無料アプリと言いつつ、実際使ってみると無料で使えるフィルターは数種類で、それ以上のフィルターを使うのは有料といったようなアプリも中にはあるんだなという印象でした。無料の部分だけでも十分楽しめるものもあれば、無料部分だけだと物足りないものもありますので、アプリを使う際は、注意書きをよく見て、自分に合った使いやすいものを取り入れていくとよいかなと思います。

以下は私の個人的な感想ですが……、 操作してみた中で使いやすかったのは、FoodieとLINE Cameraでした。どちらも感覚的に使えますし、撮った写真にフィルターをかける工程の中に、広告や有料コースのお勧めなどもなく、たくさんのフィルターの中から選びスムーズに加工ができました。

Foodieは、食べ物の撮影に特化したアプリなんだそうで、真上から撮るときにサポートしてくれる「ベストアングル機能」というのがついていて、カメラ機能の方もいいなと思いました。スマホが水平の状態になっていると、画面が黄色くなって教えてくれます。これは、お子さんを俯瞰どりするときにも便利な機能ですね。カメラをきちんと構えるだけで写真はグッとよくなるので、それを教えてくれるのは、とってもお役立ちの機能だと思います。 フィルターの種類も「人物」「フード」「室内」「風景」とカテゴリ分けされていて、それぞれのフィルターも多すぎず、選びやすかったです。

Foodieのベストアングル機能は、カメラが斜めになっているとプレビュー画面の縁が白色です。

カメラが水平の状態になると、プレビュー画面の周りは黄色になり、ベストアングルだと教えてくれますよ。

上の写真は、Foodieの「ビンテージ」というフィルターを使ったのですが、少し色の鮮やかさを抑えたフィルターで、シックな雰囲気になりますね。お子さんのポートレートをあえてシックにしてみると、大人びて見えますし、インテリアとして飾る時も、 お部屋に馴染みやすいかなと思います。

LINE Cameraは、ふだんからLINEを利用していることで親近感がもてたという心理的な要因もあると思いますが、操作もわかりやすくて、安心して使うことができました。フィルターも色味に雰囲気を持たせるものから、写真を漫画のようにしてしまうものまで、とても種類が多く、コラージュもできるようです。 背景をキラキラさせたり、顔にスタンプできたりするのも楽しいですが、そんなときも、元の画像を残しておくことをお勧めします。

まずは、写真にフィルターをどんどん重ねてみながら、自分の好きなトーンを探してみるといいですよ。

カラフルな背景の場所にいる時の写真にフィルターをかけるとポップな雰囲気になります。ピンク系のフィルターをかけても合いますし、

シアンがかったフィルターをかけると、赤や黄色が際立って、目をひく色合いです。

シアンがかったフィルターを自然のある屋外で使うと、緑も鮮やかに、そして青空が強調されて気持ちのいい写真になりますので、外出ができるようになった際は、ぜひ試してみてくださいね。

また、わたしは、色味を調節するアプリとは別に、白枠をつけられるアプリがあるので、それを利用した上で、インスタグラムに投稿することもあります。白枠をつけると落ち着いた雰囲気に感じますし、まとまりがある感じにもなるので、複数枚の写真をsnsにアップする際、お勧めです。

これは、昨年の夏休みの帰省の時の写真。Instasizeというアプリで白枠をつけてみました。 今、お手元にある写真でもたくさん試してみてくださいね。 

今週の一枚

おこもり生活が始まって、しばらく経ち、わたしも子どもたちがいながら、家で仕事をすることに慣れてきました。 子どもたちは、猫のように、わたしと背中合わせで本を読み始めたり、ラッコのような状態になったり、面白いです。 これは、記念に次男に撮ってもらいました。皆さんも、お子さんにお願いして、この日々の親子の様子を残すのもお勧めです。 こちらの写真は、Foodieのフィルタをかけてみました。 

それではまた。

※成田さんのおこもり時間の過ごし方、短期集中連載「我が家のおこもり日記」はこちらで読めます!

昼間でもフラッシュで撮ってみよう!【ママカメラマンのスマホ写真術・17】の画像8成田 由香利 
なりたゆかり/カメラマン。1980年生まれ。秋田県出身。大学在学中に写真にめざめ、夜間の写真学校に通い学ぶ。その後六本木スタジオ勤務を経て、回里純子氏に師事、2008年に独立。小学3年と1年の息子二人の母。主に雑誌の撮影で幅広く活動中。
Instagram @naritayukari_p
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