うたのお兄さん・横山だいすけスペシャルインタビュー「だいすけ君の歌はつまらないといわれました(笑)」
「横山だいすけ」の新しい引き出しを増やしたい
春の「うたのお兄さん」卒業の報に、全国のママが「だいすけロス」に陥った。しかし、DVD発売、バラエティやドラマへの出演、コンサート、映画の主題歌に吹き替えなど、その後のだいすけお兄さんは目を見張る活躍ぶり。
――2017年7月にはあの人気者「かぞえてんぐ」のDVD、「かぞえてんぐといっしょにかぞえよう!」も発売しました。
「横山だいすけ」と「かぞえてんぐ」は別人なんですが(笑)。出演は4年間ですけど、本当に、あのキャラクターがこんなに愛されるようになるなんて、ねえ。1年目なんてみんなシーンとして、子どもたちは口あんぐり、みたいな。コンサートでも出てくるとワ~ッてなるんですけど、実際に客席を歩くと、子どもたちは5mぐらい離れて見るのがちょうどいいみたいなね。かぶき者ですよ、本当に(笑)。
「かぞえてんぐ」は僕の卒業と同時に終了が決まっていたのですが、「育児で悩んだときも、かぞえてんぐに救われた」といったお手紙もたくさんいただいて、DVD制作が決まり、短い期間で各関係者が一気に動いてくれて、超異例の新曲まで作られて。てんぐの今の気持ちを代弁してくれる歌詞で、聴いた瞬間、もう大号泣で、本当に涙なしでは聴けないですよ。こんないい歌、もっと早く出してよ、って思ったくらい(笑)。
番組宛にいろんなお手紙が届くんですけど、卒業時には段ボールいっぱいにいただいて、それぞれがもう分厚くて。皆さんの歌に対するいろんな思い出や子どもたちの反応が書いてあります。僕らも本当に一曲一曲、語りきれないぐらいの思い出があって。「あ、この歌はうちの子がこの頃に聴いたな」とか、親御さんがその瞬間に帰れる歌がいっぱいあるし、「かぞえてんぐ」も「あ、このとき子どもと笑ったなあ」とか、親子の大切な時間を振り返るきっかけになるのかなあって。本当にこの9年間、共に過ごした皆さんのあたたかい気持ちは、いつまでも胸にとっておきたいと思います。
――ドラマやバラエティなど、新しいお仕事はいかがですか。
これまでと全然違う現場で、僕、緊張しいなので、初めての現場だと「どうしよう~、不安だよ帰りたいよ~」と軽いパニックなんですけど。でも、その現場で自分の今できることを、一生懸命やろうって。ドラマもそうですし、あと、映画の主題歌とか声優も。
――8月25日に公開された映画「くまのがっこう&ふうせんいぬティニー」の主題歌、「さよならだよ、ミスター」ですね。初めてのソロCDとなった。
はい、「いきものがかり」の水野良樹さんが作詞作曲されて。水野さんもお子さんが生まれたばかりで、いつかは独り立ちしていく子どもたちに大切な言葉を伝えていこうという、とてもいい歌なんです。僕はまだ結婚もしていないですし、子どももいないですけど、親御さんのお手紙などでいろんな話を聞いて、育児の一端を担わせてもらっているような気持ちでやってきて、共感できるところがいっぱいあったので、ファミリーの皆さんの心にもしっかり届くように歌いたいです。
声優では「トムとジェリー 夢のチョコレート工場」のウォンカさんっていう、ちょっと不思議な役をやります。「お兄さん」とはまた全然違うので、怒ったりもしますし、やっていく中で「こんな声の使い方ってあるんだ」とか、キャラクターとしてのセリフ回しもすごく楽しいなと。今までとは違った楽しさも届けていきたい、親子で楽しめるものをひとつでも多く提供したい、その思いがひとつずつ実現できているので、今は毎日が充実しています。
この9年間で「だいすけお兄さん」というひとつの核が自分にできたので、また今後、演技やバラエティなど違う挑戦をしてみて、「だいすけお兄さん」とは違う「横山だいすけ」の引き出しを増やして、何年か後に「こんなのも楽しいんじゃない?」っていうものを多く差し出せるようになりたいですね。