2017年7月15日

絵本作家・いぬんこ「『おちゃわんかぞく』のおとうちゃわんは友人がモデル」

――『おちゃわんかぞく』は、1歳にならない子どもたちが「手足をバタバタして喜びました!」「絵本にこんなに反応したのは初めて」などの声が寄せられていました。幼児絵本を初めて手がけられた感想は?

 今までの絵本は一応ストーリーものとして、子どもが外の世界に冒険するような奇想天外のワクワク感を大事にしてたのですが、幼児向けということで、目の前で繰り広げられる限定された小さな世界感が新鮮でした。
 とはいえ、ふわっとし過ぎないようにしようと思って、おとうちゃわんを若干存在感のあるキャラにしてみました。実際に存在する友人の似顔絵で描かせてもらいました。

―― 佐渡島でのイベントの様子をちょっとお聞かせください。『おちゃわんかぞく』の原画展とおちゃわんの面白い展示をされたそうですね。

 新潟・佐渡島の「ハロー!ブックス」という、年に1回開催される「本となかよくなる」をテーマにした本のイベントです。今は使われていない小学校で本にまつわる有名なゲストを迎えて、パワフルないち主婦の方を中心に、市民の皆さんと県外のファンによって、毎年開催されています。
 2015年の「ハロー!ブックス」は、9月のシルバーウィーク、9月21・22日の2日間、開催されました。去年のメインゲストは谷川俊太郎さん、今年は料理愛好家の平野レミさんで、ダンサーのコンドルズ近藤良平さん、写真家の川島小鳥さん、そしてMOEでも大活躍の杉浦さやかさん、平澤まりこさんなど豪華なメンバーが揃い、大盛況でした。(詳しくはこちらをどうぞ!)

―― いぬんこさんと、旦那さまで切り絵師・パフォーマーのチャンキー松本さん、おふたりで、ひょんなことから毎年参加するようになったそうですね。

 最初は絵本の読みきかせとして呼んでいただいたんですが、その時の縁で「HELLO!BOOKS」に参加することになりました。本屋さんがほとんどない佐渡で、いろんな本が並んで、しかもその作者本人と会えるというので、とても喜んでもらえるのがうれしいですね。来てくださる方は地元や新潟のファミリーの方が多いのですが、東京からもたくさんのお客様が来てくださってびっくりしました。
 楽しいけれどすごく仕事がたくさんあって大変なので、体調を崩す人もいたりするんですが、それでもまた行ってしまう……謎の魅力がありますね。
最初遊びに来てくれた友人のテレビの大道具さんも、いつのまにかスタッフになってたり。誰かがそれを「サドレナリン」と呼んでいました(笑)。
 行く方としては、間近に見るカモメや大きな夕陽、天の川まで見える大自然が魅力的です。一方で、人口が少なくなって、佐渡の学校や施設がそのまま空き家になっている状況を目の当たりにもします。それでも、ド自然な中で駆け回ってる子どもや生きものたちと、そこらじゅうにある自然や廃材、それに人の力だけでイベントのほとんどを作り上げてしまう楽しい大人たちのパワーには圧倒されます。


舞台となるのは元小学校。

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