お笑い芸人 くわばたりえ「困ったときは『助けて』と言える子に育ってほしい」
愛情を意識しないのは充分愛されていた証拠
――ご自身が両親にしてもらったことで、子どもにもしていこうと思っていることはありますか。
うーん、なんやろう。「お父さん、お母さんで同時に子どもを叱らない」ってことですかね。自分で子どものとき気にしたことなかったけど、絶対にそれがなくて。大きくなってからお母さんが「同時に叱ったら子どもの逃げ場がなくなるやろ」って言ったから、あっ、そっかと思って。だから私が子どもを叱ってるときは旦那さんは黙って聞いてるし。逆のときは私が「なんでお父さん怒ったか、わかるか?」って後でフォロー側に回ったり。
――ブログやエッセイには、くわばたさんの「大好きだよ」って言葉があふれていて、きっと3人のお子さんも、自分でお父さんお母さんになったときに「大好きだよ」って子どもに言うんだろうなって思います。
本当ですね。よく、3歳までにどうこうってあるじゃないですか。英語の早期教育とか、挨拶をしっかり云々とか。でも、「すくすく子育て」で、人間として生まれてきた以上、3歳までに必ずせなならんことがあるって聞いたんです。それは、「私は、僕は、愛されてるんだということを学ぶこと」って。もう、それさえできてたらええかって思えるようにもなって。それが両親からだけじゃなく、いろんな人から愛されてるっていう感覚を持てるって、すごく大きいなと思って。
私は正直、愛情をめっちゃもらって育てられたって思ったこと、1回もないんですよ。でも逆にそれって、愛情もらってた証拠やなと思って。多分、愛情もらうことが当たり前で、いちいち愛されてるって思ったことないんやって最近気づいたんですよ。愛されてることが当たり前って、こんなありがたいことなかったなって、それはすごい思いますね。
――それは素敵な気づきですね。くわばたさんのご主人も、育児に協力的だそうですね。
旦那さん、仕事でなかなか家にいなくて、休みも日曜日か隔週土曜日だけなんですけど、もう朝から子どもがわ〜って乗りかかって、わちゃわちゃして。この人すごい、むっちゃ人気者やんって思うことありますね。多分、めっちゃ子どもと接してると思う。子どもと遊びに行ったら全然帰ってこないし。よく、「うちの旦那さん、子どもと遊びに行くと30分で帰ってくる」とか言うじゃないですか。うちんとこ、6、7時間帰ってこないですよ、公園行ったら。お昼もどっかで食べてきて。
全裸鬼ごっことお菓子パーティー
――くわばたさんは平日、お子さんと、どんなふうに遊んでいますか? 男の子ふたりの相手は大変ではないですか?
男子の戦いごっこ、あれはもう大変。私も体動かすためにはちょっとやった方がええんかなと思って、1回「来〜い!」とかやったけど、もう、すぐに「ワッワッワッ、はい、おしまい!」って。でも全然おしまいにならないんですよ。だから最近もう、石ごっこ、みたいなのにして。「お母さん、石になりました」って。私がこうやって座ってまったく動かないんですよ。子どもがチョンチョンってしてもまったく動かない。「えーっ、ママ動かない」とかなって。たまにピッて触られたらペロッてするんですよ。だから、私はペロペロするだけでいいんです。たまに触ったらペロッ、これするだけで30分ぐらいもちますよ。そのかわり髪の毛引っ張られても我慢せなあかんけど。だけど、戦いごっこするより全然いいでしょ。あれしんどいねん、ほんまにもう(笑)。
――元気ざかりの子どもたちに、しっかり向き合ってますね。
でもね、やっぱ保育園に行ってるから、子どもと過ごす時間って少ないじゃないですか、基本的に。ただ、やっぱり「すくすく子育て」で先生が、子どもとのふれあいは「長さじゃなくて密度」って言ってたんですよ。だから、1日5分でもいいから子どもと声出して笑いながら遊ぶ時間を設けるというか。それでやってるのが、全裸鬼ごっことか。旦那さんいないですけど、みんなで全裸になってかくれんぼしたりとか。むっちゃ楽しいですよお、なんかアホみたいで。初めは、子どもが全然お風呂入ってくれへんから、裸になってわ〜って遊んだあとはそのままお風呂入ってくれるなって考えからやったんですけど。裸でお布団の部屋行ってわ〜ってやって、みんなでシーツかぶったりするのも楽しいし。
あと、月に1回だけ、土曜日の夜はお菓子パーティーやるんですよ。いつもやったら「早よ寝え、寝る前にお菓子食べたらあかん」やけど。パーティーと言っても、3つぐらいのお菓子をお皿に広げて食べるだけなんですけど。もうお兄ちゃんと弟の団結力すごい。「よし、お皿持って来い!」「ハイッ!」「これ行くぞ、ハサミ持ってこい!」とか言って、ふたりで一生懸命テーブル出してお菓子用意して。録画したアニメ見ながら。
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