2020年8月19日

娘が嬉しそうに頬ばる、この瞬間が嬉しくて【我が家のごはん日記/津留崎徹花さんちの食卓・4】

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 忙しいママにとって、日々の家事の中で悩ましいのがごはんのこと。適度に手を抜きたいけれど、家族には栄養のあるものをバランスよく食べてもらいたい。では、食にかかわるお仕事をしているママたちは、家族のごはんをどうしているの? 

小学3年生の女の子のママで、東京と伊豆下田を拠点に料理や人物を撮影するフォトグラファー、津留崎徹花さんの最終回。梅雨が明け、下田にも猛暑の到来。梅干し作りと一緒に、今年は天草を干したり煮たり……。豊かな食環境と、日々のごはんへの思いを綴っていただきました。

津留崎徹花さんちの食卓 #week4

長い梅雨がようやく明けたと思ったら、とたんにこの猛暑。

夫と娘は「待ってました!」とばかりに、毎日のように海水浴にでかけています。私は塩漬けしていた梅を無事に干し終えてちょっとほっとしています。

娘が嬉しそうに頬ばる、この瞬間が嬉しくて【我が家のごはん日記/津留崎徹花さんちの食卓・4】の画像1娘が嬉しそうに頬ばる、この瞬間が嬉しくて【我が家のごはん日記/津留崎徹花さんちの食卓・4】の画像2

<火曜日・昼>

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下田に住んでから魚を食べる機会が圧倒的に増えました。

今日も「魚食べます?」と漁師さんから連絡をいただき「ぜひに!」といただいたのがカサゴと漁師さん特製の干物。「昼ごはんに干物食べてみてください」と言われ、さっそく娘と一緒にいただきました。鯵の顔つきとは違うまん丸の眼をしたこの魚はイサギ(イサキが正式名称で、伊豆地区ではイサギと呼ぶ)。イサギの干物を食べるのは私も娘も今回が初めてです。お箸をさしこむと身がふんわり、ひとくち頬ばると甘みがあり抜群においしい。

「すごく美味しかったです!」と漁師さんにメールをすると、今度作り方を教えてくれるとのこと。楽しみすぎます。

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<水曜日・夜>

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昨日いただいた立派なカサゴ、とてもいい出汁が出ると聞いたのでアクアパッツアにしてみました。カサゴのお腹ににんにくとローズマリーを入れ、玉ねぎとじゃがいもを投入しオリーブオイルと塩をふって15分ほど火にかけたら完成。ふっくらとした上品な白身、そしてカサゴから出た汁がう、うんまい!

「この出汁すごいー!」と思わず叫んでしまうほど凝縮された汁。調理方法はとても簡単、新鮮でおいしい魚があればこんな幸せな汁を堪能できるのか。出汁を残しておいてパスタにまぶしたらおいしいだろうな〜と想像(飲み切ってしまったので次回)。

魚の魅力をひときわ感じたアクアパッツァの夜でした。

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<金曜・朝>

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三日三晩で干し上げた梅干しを朝食に家族そろっていただきました。

太陽を燦燦に浴びた梅干し、「う〜ん、酸っぱくておいしい」。

娘も嬉しそうに頬ばってくれる、この瞬間が嬉しくて母は作りつづけているのです。

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梅干しを作るのはわが家の恒例となっているのですが、今年はちょっとした変化がありました。それは、梅干しの横に天草が並んだことです。天草漁の撮影にうかがったときに、「これ、自宅で寝かせておいてください」と漁師さんから天草をたくさんいただきました。

家で天草を寝かすなんて、なんだかワクワクします。そして先日「そろそろ干し頃ですよ」と教えていただき、ちょうど梅干しと同じタイミングで干し始めることに。

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天草は水にさらして天日で干すという作業を3回〜5回ほど繰り返します。すると、トコロテンの原料となるさらし天草になるのです(下田に住んでから知りました)。

下田に移住してから、ある女性にこんな話を聞きました。「天草がうまく煮れるようにならないと、下田のオンナにはなれないよ」と。それくらい下田の人にとって、天草やトコロテンは馴染みのあるものだそうです。

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私は今まで天草を自分で煮たことがなかったのですが、先日初めて煮てみました。とてもとても固く仕上がってしまいましたが、知っている漁師さんが採ってきてくれた天草を自分で煮るなんて今までにはない経験。特別なものに思えて嬉しかったのです。

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<土曜日・朝>

休日になると夫が朝ごはんにパンケーキを焼いてくれます。そしてこれもよく作ってくれる手料理のひとつ、トルティーヤ。

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小麦粉と水があればすぐにできてしまうトルティーヤは、おやつにも朝食にももってこい。今朝は自分の好きなものをはさんでみよう!と、チーズや冷蔵庫に常備していたゆで卵、発酵キャベツ、残り物のカレーなどなんでも好きにアレンジ。

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娘はカレーとチーズをトッピング。かなり気に入った様子でした。

パンやパンケーキ、トルティーヤなど小麦粉料理になるとどうしても簡素になりがちです。なので、なるべくスープを一緒に食べるようにしています。かといって、とっさに作れないこともある。私はポタージュが好きでしょっちゅう作るのですが、そういうときには多めにつくって冷凍しています。

今日は冷凍してあったかぼちゃポタージュ。スープがあるだけでなんだか満たされますよね。

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<日曜日・夜>

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わが家は夫婦共に晩酌が好きで、休みの日はちょっと明るいうちから(17時以降ではありますが)乾杯するのが楽しみです。

ということで、今日はがんばらなくていいんじゃないかと自分を甘やかし、冷凍してあった猪肉のミートグラタンを(連載2週目に冷凍したグラタンです!)。そして家族が大好きなフライドポテトに、馴染みの干物やさんに立ち寄ったらいただいてしまった生落花生を茹でて乾杯。

また明日から1週間が始まるね。

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<あとがき>

4週にわたってこの連載を書かせていただき、ありがとうございました。普段あまり意識せずこなしている日々の食事ですが、記録することによって見つめ直すことができました。そして改めて「料理ってなんぞや?」と考えています。

小学3年生になる娘に「料理ってなんだと思う?」と聞いてみると、「身体と心をあやつれるもの!」と。おいしいものを食べると身体も心もウキウキして元気がわいてくるんだそうです。

私にとって料理は、一にも二にも家族との思い出が詰まっています。母は料理が上手で、家族のためにせっせと手料理をつくってくれました。醤油をまぶした手羽元の唐揚げ、手作りの餃子や焼売。運動会の定番は、くしゃくしゃのアルミホイルに包まれた焼きたらこのおにぎり。そして、土曜日の昼ごはんに父親がつくってくれたサッポロ一番は、滅多に料理をしない父の手料理でとても嬉しかったのを覚えています。そうした料理の思い出は、今でも私の心を温めてくれます。

料理上手な母の影響もあり、私は子どもの頃から料理に興味を持っていました。20代で一人暮らしをしていた頃は毎日のように友人に手料理を振る舞い、みんなで過ごした時間はとてもいい思い出となっています。今は40代、子育てと仕事をしながらあれこれ作ることもできなくなっています。

そんな自分がいま、どうしたら心地よく料理と向き合えるのか。家族が喜んでくれて、自分の負担にもならない匙加減を日々模索しています。きっとその時々でちょうどいい、自分に合った料理との向き合い方があるのだと思います。

何しろ無理をせず、お婆さんになっても料理を楽しんでいられるように。

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冷凍保存している自家製のカレーやスープ、魚の味噌漬け。干物や海藻類も常に冷凍庫にいれてあります。買い物に行きたくない、晩ご飯の支度が億劫だというときに重宝。これが最近の私に合った匙加減。

娘が嬉しそうに頬ばる、この瞬間が嬉しくて【我が家のごはん日記/津留崎徹花さんちの食卓・4】の画像26津留崎徹花

つるさきてつか/フォトグラファー
出版社マガジンハウスに勤務したのち独立し、料理や人物の撮影を中心に活動中。2017年東京から伊豆下田に生活の拠点を移す。移住や下田での暮らしについてwebマガジン「colocal」にて連載「暮らしを考える旅」を執筆中。https://colocal.jp/category/topics/lifestyle/relocate

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