2020年5月27日

毎日家族と過ごしたこの1か月を、きっと忘れない【我が家のごはん日記/いづいさちこさんちの食卓・4】

 忙しいママにとって、日々の家事の中で悩ましいのがごはんのこと。適度に手を抜きたいけれど、家族には栄養のあるものをバランスよく食べてもらいたい。では、食にかかわるお仕事をしているママたちは、家族のごはんをどうしているの? 

今月の「我が家のごはん日記」をご担当いただくのは、料理教室「くにたちの食卓 いづい」を主宰する、料理家のいづいさちこさん。中学生の男の子、小4の男の子、小2の女の子のママです。今回で最終回。家族みんなで囲む食卓から、少しずつ季節の移ろいが感じられます。

いづいさちこさんちの食卓 #week4

<月曜日・昼>

今日の昼ごはんは、おにぎらず。具材とごはんをテーブルに並べて、各自がおにぎらずを作りながら、頬張ります。具材はごはんに合いそうなものならなんでもOK、さらに、サンドイッチに合いそうなものもよく合う、という、おにぎらずの懐の深さ。そして、具材があれこれたくさん入るので、他のおかずがいらず、なのも魅力です。

今日は、昨日の夕ごはんの残りのキーマカレーをメインに、あとはツナマヨネーズに玉子ペースト、きゅうりにミニトマトにチーズなど。大人用には青じそを添えます。私はとにかく薬味好きですが、薬味は子どもたちが食べたり食べなかったりなので、たいていは別添えにして、お好きな方はどうぞ、のスタイルにしています。

さて、おにぎらず。のりの中央にごはんを広げます。小さなタッパーに少しだけ水分をつけて、ごはんをつめつめ。タッパーをのりの上にポンと裏返しすると、ごはんが形よくのります。ごはんに塩ぱらり。

あとはお好みの具材をどんどん重ねていって、最後にもう1度ごはんをのせて。

のりで四角く包んで、ラップできつめに包んで、半分に切り分ければ具だくさんおにぎらずの美味しそうな断面のできあがりです。

 

<火曜日・夜>

晩ごはんはお手軽ビーフストロガノフ。こちらは時短ながらきちんとおいしい、我が家の人気メニューの1つです。

秘密は八丁味噌。八丁味噌のコクと酸味で、あっという間に深みのあるおいしさに昇華します。まずはスライスした玉ねぎを炒めて、しんなりしてきたら牛肉を炒めつつ、八丁味噌を肉とからめつつ。味噌がだいぶ馴染んだらカットトマト缶と生クリーム、ケチャップ、塩で、煮る、というよりもさっと炒め煮すること数分でできあがり! 多めに作って、次の日はマッシュポテトと合わせて、グラタン風に、そんな展開力もあります。

そして、そろそろそんな時期、の付け合わせを。

らっきょう漬けをするときには、ほんの少し、漬け込まずにとっておき、らっきょうのアヒージョに。爽やかなにんにく、のようなほくほくしたおいしさはこの時期ならではのお楽しみです。

それから、ひじきときゅうりとミニトマトのマリネと、先日娘と初めて作ったなめたけと走りのみょうがをのせた大根おろし。季節が移ろい、体が欲するものにも移ろいを感じます。

<水曜日・朝>

今朝はホットサンド。食パンとハムとチーズ。シンプルだからこそのおいしさです。

すぐにできるので、本当は「いただきます」のタイミングにパンにハムとチーズをのせてサンドするのがベストなのですが、家族5人だと、それなりの待ち時間に。なので我が家では先に軽く焼いておいてテーブルにずらりと用意します。

そして、いただきます、のタイミングでさっと焼き直して、焼き立てを頬張ります。付け合わせにはトマトベースの味噌汁。カットトマト缶と味噌の相性たるや。パンにもごはんにも合うので、我が家の朝の定番スープの1つです。

<木曜日・昼>

そろそろお店の味が恋しくなる頃、たまにはテイクアウトランチ。家族で時々訪れる喫茶店(実は日本で一番古い喫茶店!)にて今日はテイクアウト。ビーフストロガノフにシーフードカレーに焼き立てのツナグラタンなど。

ランチのタイミングに合わせて雑穀ごはんを炊きます。付け合わせは、相変わらずのぬか漬け。セロリのぬか漬けも乙なものです。

 それから、先日ご注文が入ったときの余り、かぼちゃとツナのパテに、夏のレッスンに向けての試作メニュー、きゅうりのガスパチョ。

我が家では試作の料理が食卓に並ぶことがよくあります。家族みんなからのリアクションも実は試作出来栄えの貴重なリサーチバロメーターになっています。人数が多く、好みもさまざま、なので案外、家族のリアクションが参考になります。ちなみに今回のきゅうりのガスパチョのリアクションは上々、でした!

<土曜日・おやつ>

ここしばらくは粉類、バターなどがかなりの品薄、または品切れになっていたりと手に入りにくい日々。そして暑さがぐっと増す日も増えてきました。ということで今日のおやつは、これからの季節にぴったりのレアチーズケーキを子どもたちと作ります。

材料はクリームチーズにヨーグルト、生クリームに砂糖、それからゼラチンです。少しあたためた生クリームにゼラチンを加えたら、あとはワンボウルで混ぜていくだけなので、混ぜるのが大好きなキッズ大喜びレシピです。

くだいたビスケットに溶かしバターを混ぜたものをプリンカップに敷きつめます。ボウルで混ぜ合わせたチーズケーキ生地をプリンカップに入れます。

あとは冷蔵庫に入れて固まるまでのお楽しみ。早く食べたいときには(いつも!)最初は冷凍庫で一気に冷やし、それから冷蔵庫に移すのがスピーディー。ほどなく固まったレアチーズケーキには初夏を感じるさくらんぼをトッピングします。

さくらんぼ1つ、のはずが、いただきますのときには2つずつになりました。

……さて、1か月の、我が家のごはん日記、いかがでしたでしょうか。まさかの1か月まるまる、毎日家族みんなごはんの日々でした。子どもたちの成長とともに、小さな頃は当たり前だった、「みんなで揃っていただきます!」が、学校だったり、部活だったり、習い事だったりで、ぐんと機会が減ってくる時期に入りかけていた我が家。そんな中、これでもか!というくらいに毎日3食、朝から晩までみんなで一緒にごはんを食べ、一緒に笑い、もちろんけんかもあり!……とにかくずっと一緒に過ごす日々でした。

きっとこれから先、こんなにみんなで一緒に過ごす日々はないはず。これから先、もっと歳を重ねてからも、こうやってみんなで毎日一緒にごはんを食べた日々をふと想い出すこともきっとあることでしょう。そんなタイミングにこうやってその日々を書き綴る機会をいただいたことに感謝して。我が家のごはん日記、でした。

デッキや玄関先で、七輪バーベキューを。我が家のStay Home【我が家のごはん日記/いづいさちこさんちの食卓・3】の画像24いづいさちこ 

「くにたちの食卓 いづい」主宰。 静岡県生まれ。オーガニックレストラン、懐石料理店、 パン屋さん、料理教室のインストラクターなどさまざまな経験を生かし、 2004年夏より自宅にて料理教室を始める。 季節の料理教室やキッズ教室の開催、 カフェのメニュー開発、料理やお菓子の注文販売など。 著書に『箱詰めもてなしレシピ』、『箱詰めおやつの贈りもの』、『続けられるおべんとう』(ともに誠文堂新光社)、『箱詰め名人の持ちよりベストレシピ』(家の光協会)がある。 3児の母。
Instagram :@kunitachinoshokutaku_izui
http://www.kunitachinoshokutaku.com/index.html
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