コミュニケーションが足りない時は、「ママとお茶しよ」と言ってココアの時間を【我が家のごはん日記/大友まりこさんちの食卓・4】
忙しいママにとって、日々の家事の中で悩ましいのがごはんのこと。適度に手を抜きたいけれど、家族には栄養のあるものをバランスよく食べてもらいたい。では、食にかかわるお仕事をしているママたちは、家族のごはんをどうしているの?
料理家の大友まりこさんの連載の最終回。4歳から8歳までの男の子4人のママである大友さんは、年末に向けて子どもたちのイベントもたくさん。日々のごはんと同じくらい、子どもたちとの時間も大切にしています。
大友まりこさんちの食卓 #week4
<月曜日>
四男幼稚園お疲れ休み。お疲れ休みという名の休みが多過ぎる件。せっかくなので四男と二人で大きい公園へ。「ママとデートだね」と言いながらニコーと笑う四男が可愛すぎたので、四男が希望の場所へ寒い中自転車を漕ぎます。
いつのまにか前にできなかった遊具も一人でできるようになっていて、子どもの成長は本当に早いです。同じように歳をとっている自分に気づいていないけれど、シワが増えているのはそりゃそうだよね、と納得したりします。
この日はすごく寒かったので温かい豚汁を作りました。野菜もタンパク質も摂れて栄養満点な一品。
おやつにはバナナが残っていたのでバナナパウンドケーキを小麦粉で作りました。以前は長男が小麦アレルギーなので米粉で作ることが多かったけれど、最近は次男三男四男には小麦粉とバターのお菓子も作るようになりました。四男は食いしん坊なのでとても喜んでくれます。喜んでくれる人がいると作りがいがありますね。
豚汁の作り方
大きめの鍋にごま油を敷く。大根、人参、きのこ、白菜、ごぼう、さつまいも、こんにゃくなどをさっと炒めて出汁を入れじっくり煮る。豚肉は別の鍋でさっと茹でておく。 野菜が柔らかく煮えたら豚肉を入れて味噌を入れる。ごま油をひと回しして完成。
<火曜日>
やってしまった。寝坊です。今週は長男のピアノコンクールがあり、日々ピアノを夜遅く練習しに行っているので、朝が起きれず遅くなってしまいました。幸い双子の二人だけのお弁当だったので、超特急で作りました。幼稚園なのに渋いお弁当。ごめん。でも意外と二人は喜んでいました。良かった。
お弁当って作るだけではなくて、おかずを冷まして詰めて蓋をして、ゴムバンドで留めて、お箸セットを用意して、コップや水筒を用意して、巾着袋に入れて、子どものカバンにそれぞれ間違えないようにセッティングする、という一連の流れを、朝のめちゃくちゃ忙しい時にするのがとっても大変。
帰ってきたらきたで、お弁当箱とお箸セット、水筒やパッキン類を全て分解し、洗って、干し、また明日に備える。
世のお母さま方、お弁当を作っている方々、毎日お疲れ様です。
とり弁の作り方
鶏肉をグリルで両面焼いた後、フライパンでみりん、醤油と絡ませる。温かいご飯の上に載せてお好みで海苔をちらす。 グリルとフライパン両方使うのが大変な方はフライパンのみで大丈夫です。グリルは余分な脂が落ち、ふっくらと仕上がる上適度に焦げ目がつき、ずっと見ておく必要がないことや、コンロが全て使われている時にも役に立ちます。
おやつは三男の希望のきなこ棒と、長男が好きなおせんべいと、全員好きな飴。袋のまま開けてしまうと全てなくなってしまうので4人それぞれ取り分けるのが大事です。
<水曜日>
この日は大きな仕事が終わり少し気持ちが落ち着いたので、お昼ご飯にお寿司を買ってきました。みんなには内緒です(笑)。こんな一人の時間が大切です。
お一人様もつかの間、子どもたちが帰ってくる時間になるのでおやつを用意しなければ、とチョコレートケーキを作りました。四男が食べたいと言っていたチョコレートケーキ。喜んでくれて何よりです。
<木曜日>
幼稚園クリスマス劇の会。この日のために衣装を準備し、縫い付ける作業をするのが親の役割。夜遅く子どもが寝てから裁縫箱を出してきて縫う作業はお母さんらしくてなんとなくいい気持ちです。
会は午前中に終わったのでお昼ご飯は四男と二人で食べに行きました。四男はカレーとポテト、私はがっつりランチ定食。お腹が空いたのでたくさんエネルギーチャージです。
<金曜日>
週の最後の平日。今週最後の日だー! となんとなく万歳がしたくなります。打ち合わせから帰ってきて買い物をする時間がなく、おやつが何にもなかったので冷蔵庫にあったジャガイモでポテトを作りました。久しぶりだったようで子どもたちはとても喜んでいました。しかしこれだけでは足りないだろうと、おにぎりとりんごを足しました。
仕事があったり長男のピアノの練習があったりで、買い物にあまり行けなかった今週は外食が多くなりました。
子どもたちがみんな好きな焼き鳥へ。家の近くにある焼き鳥屋さん。よく行くので顔も覚えていただき、「アレルギー表はいりますか?」と気にかけてくれる店員さんが有難い。4人とも容赦なく食べます。今日は何本食べるのだろう。行くたびに本数が増えていくのが目に見えて分かります。お会計が怖い(笑)。
ポテトの作り方
ジャガイモの皮をむき適当な大きさにカットして水にさらす。水気をきり、キッチンペーパーで水分を拭き取る。鍋に油を入れて160度で揚げる。塩をまぶして完成。紙コップなどに入れるとお店で買ったみたいになり子どもも喜びます。
<土曜日>
習い事の日です。明日は長男のピアノコンクール。今週はずっと長男の練習に付き合っていたので次男三男四男に待ってもらっていました。
こういうコミュニケーションが足りないなと思う時には「ママとお茶しよ」と言って夜寝る前にココアやはちみつシロップ(と名付けています。蜂蜜をお湯で割ったもの)を作ります。
「待っていてくれてありがとうね、助かるよ」と言いながらココアで乾杯。寝る前の温かく甘い飲み物は最高です。
ココアの作り方
鍋に牛乳、ココア、てん菜糖を入れてかき混ぜながら火にかける。沸騰する前に火を止め、はちみつを少し入れて混ぜる。
<日曜日>
長男ピアノコンクール当日。今まで練習でも散々揉めながら、当日もギリギリまで揉める(笑)。
本番は夜間だったので、昼間はレッスンに2回通いました。お昼ご飯は炊き込みご飯とお味噌汁。コンクールは夜遅い出番だったのでお腹が空くと思い、おにぎりにして会場まで持ち込みました。炊き込みご飯って便利ですね。タンパク質も野菜も炭水化物も摂ることができるので、遠出をする時や移動が多い時などにも重宝します。
コンクール本番。技術的なこともたくさん練習して、感性のほうも、いろいろ見て聴いてたくさん感じて磨きました。 審査員はロボットではなく人間だから、人に伝わるように、最後は「誰かにお話しするように弾いてね」と伝えました。
楽譜を文章と同じように、丁寧にお話ししてね、と。指導として合っているかどうかはわからないけれど、長男にはしっかり伝わっていたようで、落ち着いて力強く弾き切り、清々しく舞台から戻って来た笑顔が宝物です。
ひき肉とごぼうの炊き込みご飯の作り方
フライパンにごま油を敷き、鶏肉や豚肉、ピーラーでひらひらにしたごぼうを入れて炒めます。お酒、醤油を1:1で入れて煮詰めます。ざるにあげて汁と具を分けておきます。お米は研いでざるにあげておきます。
炊飯鍋にお米、汁を入れてメモリまで水を入れる。具を入れて炊飯器で炊く。
炊き込みご飯というと具がたくさんなイメージがありますが、うちは三男が野菜が苦手なので、取り除けるように種類を少なめに入れます。季節の野菜や、鰤や鰆や秋刀魚など残った焼き魚の身をほぐして一緒に炊き上げても美味しいです。
テレビ雑誌等のヘアメイクとしての活動を経て、4人男児の母となる。アレルギーをもつ子どもを機に7大アレルゲン不使用の米粉を使ったおやつを研究。企業のレシピ提案や商品開発にも携わる。展示会やパーティー等にてMARI&Co.オリジナルクッキーのサービスなど。ELLE gourmet公認料理家。
webサイト:www.mariandco.co
Instagram:otomomarico