2019年12月11日

クッキー美味しい! と言って瓶を空っぽにしてくれるのは、ただただ嬉しい【我が家のごはん日記/大友まりこさんちの食卓・2】

 忙しいママにとって、日々の家事の中で悩ましいのがごはんのこと。適度に手を抜きたいけれど、家族には栄養のあるものをバランスよく食べてもらいたい。では、食にかかわるお仕事をしているママたちは、家族のごはんをどうしているの? 

料理家の大友まりこさんの連載の2回目。4歳から8歳までの男の子4人のママである大友さん、アレルギーだったり、好き嫌いだったり、それぞれのお子さんの食事はどうやってやりくりしているの? 今週も簡単なレシピ付きで、日々のごはんをご紹介いただきます。

大友まりこさんちの食卓 #week2

<月曜日>

サーモン丼となめこの味噌汁

幼稚園参観日からの仕事の日。幼稚園で見る我が子って、なんでいつもより1.2倍ほど可愛く見えるんだろう(笑)。離れているから? 園にいる時だけは責任から解放されるから? とにかく集団に混じっている子どもは可愛い。 

9時から開いているスーパーがあるので、幼稚園に送った帰りに足りないものはさっとそこで補充します。

子どもたち4人ともサーモンが大好きで、手巻きなどの時はサーモンのお刺身を買っていたのですが、どうにも足りないのでいつしかサクを購入するようになりました。サクを買ってもお米に比べてサーモンばかり減っていくので、醤油漬けしたサーモンをコロコロカットにして酢飯に混ぜ込むようになりました。夫のアイディアです。これだとサーモンばかり食べられずにすみます。

 お味噌汁はなめこのお味噌汁。なめこは洗うだけで包丁とまな板を出さなくてもいいので時間がない日には重宝します。 小ネギはサーモン丼にも、お味噌汁にも両方入れられますね。

サーモン丼の作り方

サーモンは1センチ角にカットし、たっぷりの醤油に漬けておく。冷ました酢飯の上に載せるだけ。お好みで海苔やゴマやネギなどを。

<火曜日>

おやつ。仕事用の試作品が並ぶ時は並びます。レシピ提案の時などは0.1g単位で変えながら試作を続けるので、たくさんの試作品が出来上がります。

4人兄弟それぞれ好みが違うので、好きなものを自分で蓋を開けて取っていきます。 また子どものお友達が遊びにきた時にも、たくさん食べてくれるので助かります。 卵やバター、小麦粉のお菓子を食べているであろう子どものお友だちが、ここのクッキー美味しい! と言って空っぽにしてくれるのは、ただただ嬉しいです。

ビスコッティ

打ち合わせで出したビスコッティもおやつに。玄米粉と米粉で出来ていてザクザクした食感がクセになるお菓子です。次男と四男の大好物です。あっという間になくなってしまいます。

<水曜日>

白菜と豚肉の鍋

今日も夕方は子どもの習い事がたくさんです。体操を習っている次男、できなかった技ができるようになったりキレイになったりするとやはり嬉しいようで、私も褒めます。いちばんできないことは待つこと。順番が回ってくるまで前後の男子たちとわちゃわちゃしていていつも怒られます。女子はしっかり待てるのに、なんで男子は余計なことばかりしてしまうんだろう。

無駄なことはないというけれど、正直無駄ばかりに見える(笑)。毎日4人分の無駄に付き合うのもなかなか大変です。

そして母はその無駄な時間を待つことが苦手なのに、子どものことはたくさん待たせているみたいです。先日四男にお願いごとをしたら、「ちょっと待ってね、今は無理」と言われました。反省です(笑)。

朝から晩まで予定がビッチリで今週は買い物もままならず。白菜と豚肉があったので、重ねて蒸すだけの簡単鍋。ポン酢と柚子胡椒でいただきます。寒い日にも喜ばれます。

テーブルにどんと出すとそれだけでなんとなく豪華に見えるので、鍋ごと出すことが多いです。というより取り分けている時間もないくらい急かされます。

白菜と豚肉の鍋の作り方

鍋にオリーブオイルを入れて白菜と豚肉を重ねて詰めていく。鶏がらスープを少し入れて蓋をして蒸す。水分が足りなければ足してください。

<木曜日>

豚肉と豆苗炒め、カレイの煮付け

「ママ今日のご飯何?」と聞かれた時に魚と応えるとテンションがだだ落ちするので、魚の日は魚とお肉を半々で出します。この日はカレイの煮付けと豚肉の野菜炒め。 

ぶり、カレイ、鮭、サワラ、は基本的に子どもたちが食べやすいみたいです。普段冷蔵庫の中にあるものを基準に考えるので名前なき料理が多いのですが、やはり一人につき一品は好きな食材を出すように考えています。食事は栄養素を摂るものだけど、楽しみの一つですし、食卓になんにも好きなものがないというのは寂しいので。

4人それぞれ個性があるけれど(夫も。笑)、4人それぞれに合わせたい。母なりの想いです。

豚肉と豆苗炒めの作り方

鍋にオリーブオイルとニンニクを入れて火にかけ、豚肉を炒める。塩胡椒、焼肉のタレなどを入れて味を絡ませ、適当な長さに切った豆苗を入れて炒める。※豚肉は余裕があれば先にさっと茹でておく。

<金曜日>

おかゆ

 調子がイマイチな四男。幼稚園を休む。仕事先へ電話連絡する。

子どもが体調崩すと一気に仕事をする自信がなくなるという……。

子どもが体調悪い時は自分にうつるかどうかなど気にせずべったり一緒になってゆっくりしてあげたい、というのが本音。でもスケジュールをずらせない仕事などもたくさんあり、こういう時に仕事と母業の葛藤が繰り広げられます。やっぱり母が仕事なんて無理なんだとか、随分マイナス思考になっちゃったりして。気持ちを改めてみたり、下がったり、この繰り返しです。

子どもたちも頑張っているのだから、母の私が諦めてどうする、と奮い立たせ、前を向きます(笑)。 おかゆは残ったご飯がたくさんある時にもよく作ります。寒い朝には体が温まりますね。普段は鮭を焼いてのせたり、しらすをのせたりします。お醤油を少し、ごま油も少しまわしかけていただくのが我が家流です。

おかゆの作り方

鍋に出汁を入れてご飯を入れる。くつくつしたら火を弱め塩を入れて味をととのえる。火をとめて蓋をしておく。お好みで醤油、ごま油をかけていただきます。

<土曜日>

野菜スープとパンの朝食

罪滅ぼしの野菜たっぷりスープ。野菜が足りなかった今週は、野菜をゴロゴロと煮込んだスープを作ってリセット。いつもはハムかウインナーかどちらかなのに、この日は2つとも出したので、「ママ今日は特別なの?」とワクワクしながら聞いてくる子どもたちが可愛い。

ちなみにパンは蜂蜜、メープルシロップ、バター、チーズなどそれぞれ好きなものを選びます。

野菜スープの作り方

鍋に昆布、コンソメスープを入れて火にかけます。沸騰する前に昆布は取り出します。大根、人参、キャベツ、白菜、キノコ、ジャガイモなど、冷蔵庫にある野菜を1センチ角くらいにカットして入れていきます。オリーブオイルも一緒に入れて煮込みます。最後に塩で味を調整します。胡椒などお好みで。

ちなみに長男(卵、小麦、乳アレルギー)のパンは米粉のパンをホームベーカリーで作ります。卵と乳製品は減感作療法(アレルゲンをほんの少しずつ摂り続けることで、過敏な反応を減らしていこうという治療法)をしているので、パンに一緒に混ぜて焼きます。卵の白味を1gスポイトで取って混ぜます。0.1gから始めて徐々に増やしていき、1gになりました。

気が遠くなるほど微量ですが、小麦粉もうどんを1g以下の微量食べることから始めて、今や1玉食べられるようになりました。6年ほどかかっていますが。それでも継続は力なりです。
※減感作療法は医師の指示に従っています。必ず医師の管理の元行ってください。

フレンチトースト

 残った卵は卵焼きやフレンチトーストやチャーハンにして、三男と四男に食べてもらいます。栄養的にも味覚のうえでも、卵という食べ物の存在を知っていてほしいと思うので、アレルギーがなく食べられる子にはこういう時に食べてもらいます。

大友まりこ

テレビ雑誌等のヘアメイクとしての活動を経て、4人男児の母となる。アレルギーをもつ子どもを機に7大アレルゲン不使用の米粉を使ったおやつを研究。企業のレシピ提案や商品開発にも携わる。展示会やパーティー等にてMARI&Co.オリジナルクッキーのサービスなど。ELLE gourmet公認料理家。
webサイト:www.mariandco.co
Instagram:otomomarico

 

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