旅先で。旬の野菜、採れたての美味しさよ【我が家のごはん日記/良原リエさんちの食卓・4】
忙しいママにとって、日々の家事の中で悩ましいのがごはんのこと。適度に手を抜きたいけれど、家族には栄養のあるものをバランスよく食べてもらいたい。では、食にかかわるお仕事をしているママたちは、家族のごはんをどうしているの?
リアルな食卓を写真でレポートする連載、音楽家の良原リエさんの第4回目です。夏休みも終盤、今回は、夏の旅。収穫した野菜や果物もたくさん登場します!
良原リエさんちの食卓 #week4
<月曜日・昼>
冷やしうどん(出汁、醤油)。トマト。
息子の体調回復のため、のんびりと過ごす日。体調悪化の原因は、屋外の気温と室内の冷房との急激な温度差だったので、エアコンはつけずに、二人で汗をダラダラ流しながら、冷たいおうどんとトマトを。暑い中食べる、冷たい麺の美味しさったらないですね。
<月曜日・夜>
うどん鍋(蕪の葉、シメジ、出汁、醤油)。キュウリの醤油もみ。
息子より、夜もうどんが食べたいとのリクエストあり。からだをあたためてゆっくり寝れるように、と土鍋で煮込みました。蕪の葉を加えたら、さっぱりとした美味しいスープに。地味な夏休みになってしまったけれど、本もたくさん読めたし、これはこれでいい一日になったかな。
<火曜日・昼>
いなり寿司、にぎりなど。
息子が楽しみにしていた【旅その1】をキャンセルしたので、何かイベントをと思い、くら寿司へ。食欲も少し回復してきたし、いい息抜きになったと思います。私たちも、たらふく食べて満足。 家族連れが多くて行きやすいお店。助かります。
<火曜日・おやつ>
桃。
ご近所さんから、香り豊かな桃をいただきました。至福の時間です。
<火曜日・夜>
レモンサワー。キュウリの漬物。
息子を夫にお願いし、中学校の同級生との飲み会へ。仕事以外で夜に一人で出かけるのは、息子が生まれてから、まだ2回しかないのです。当然、浮き足立っています。同級生と会うのも、久ーしぶりのこと。話に夢中で、一軒目の美味しい生ビールの写真は取っておらず、2軒目の全く記憶にないレモンサワーの写真だけが残っていました。どこのお店なのかすら覚えていません。べろべろになって、どうにかこうにか帰宅。
<水曜日・夜>
焼肉。
息子の体調と私の二日酔いの回復のため、またのんびり過ごす日。さすがに3日間、これと言った予定がないと、出かけたくなってしまうものですね。結局、夜になって、家族で近所の焼肉屋さんへ繰り出すことに。息子の体調も食欲も、かなり上向きになってきました。あとひと息といったところです。
<木曜日・朝>
キュウリの味噌ドレッシング和え(味噌、酢、オリーブオイル)。きのこの醤油炒め(シメジ、エノキ、米油)。ミニトマト。大根の味噌汁。ご飯(白米)。唐辛子味噌。
息子、かなり元気になりました。これなら、予定していた【旅その2】に出発できそうです。となると、冷蔵庫の食材を使わなくてはなりません。普段の朝ごはんなら、ごはんと味噌汁、納豆ぐらいですませますが、朝から食材消費のためにもと、おかずをいくつか作りました。
<木曜日・昼>
アサリとトマト、インゲンのファルファッレ(オリーブオイル、塩、醤油)。キュウリと豆腐のサラダ(味噌、白すりごま、酢、オリーブオイル)。
お友達からいただいた段ボールいっぱいの夏野菜も、このインゲンにておしまい。大きさも味も力強かったから、のびのび育った野菜なんだろうと思います。どれもこれもとても美味しくいただきました。
アサリは、飼っているヤドカリの餌用に買ったもの。まず、ヤドカリに先に与えて、残りを私たちの食材として使いました。順番が逆のようですが、我が家の大切な一員なので、ヤドカリ優先です。
<金曜日・おやつ>
焼きおにぎり(出汁、醤油)。
岐阜の佐見という山間の地域にある、千空農園さんにやってきました。千空農園さんからは、無農薬のイチゴやトウモロコシ、枝豆をはじめ、夏野菜やお米などを送っていただいていて、年間通してお世話になっています。
現地集合で、お友達家族とも合流。先に着いていたお友達のお母さんが、焼きおにぎりを作ってくれていました。美味しいお米に、子どもたちの手がどんどん伸びます。あっという間になくなってしまいましたよ。
<金曜日・夜>
トマトカレーライス(玉ねぎ、ナス、ジャガイモ、醤油、米油、カレーパウダー、カレーの壺、ココナッツミルク)。キュウリのサラダ2種(塩、オリーブオイル)。トマト。
泊まらせていただくので、お料理のお手伝いをすることに。夏野菜真っ盛りの時期ですから、大量のミニトマト、キュウリが台所にありました。これらを使ってカレーを作ります。大人4人、子ども6人のために、大きな鍋で仕込みました。
ミニトマトはおそらく100個近く使ったのではないでしょうか? 何度もフードプロセッサーにかけて、ピューレ状にしていきます。玉ねぎは飴色に炒め、ナスも輪切りにして加えました。水を一滴も加えず、野菜の水分だけでルーができあがっていきます。
カレー粉を入れる前に、すでにとても美味しくなっていました。トマトの甘みがたっぷりで、なんとも贅沢な味!
カレーや豚汁など、大量に作ると不思議と美味しくなりますよね。今日のカレーもそりゃあもう、どうしようかと思うほどの美味しさに仕上がりました。来てよかった、来れてよかったです。
<土曜日・朝>
キュウリのサラダ。トマトとキュウリの味噌ドレッシング和え(オリーブオイル、酢、白すり胡麻)。キャベツと人参の春雨炒め(作ってあったもの)。わかめと豆腐の味噌汁。ごはん(白米)。
川の源流も近い山合いだからか、お水がとても美味しいです。そのお水で炊いたごはんがまた、たまらなく美味しい。当然ながら、お味噌汁も。そして、醤油も味噌も大豆から手づくりなのだそうで、美味しくないはずがありません。夢のような食卓です。
あれ、春雨がこぼれてますね。場所からいって、私の仕業に間違いないです。
<土曜日・おやつ>
ブラックベリージャムとパン。
玄関先に、ブラックベリーがたわわになっていました。あまりに大量なので、収穫されずに朽ちているものも多数。都会に住む私から見たら、つい、もったいないと思ってしまいまいます。収穫して、ジャムを作ることにしました。
しばらく煮て、レモン汁を垂らし、粗糖を加え、ゆるめに仕上げればできあがり。甘酸っぱくて、深みがあって、けれどしつこさはない、手づくりならではの美味しさになりました。美味しいものがあちこちに、それも手に負えないほど実っているだなんて、羨ましくて仕方ないです。
<土曜日・昼>
たたきキュウリとオリーブのサラダ(醤油、酢、オリーブオイル)。ミディトマトとナスのにんにくオイルソテー(オリーブオイル、塩)。トマト。ミートソースかけごはん(ミニトマト、玉ねぎ、にんにく、レンズ豆、豚ひき肉、塩、醤油)。
結局、旅先でも料理をしています。たたきキュウリは、オリーブと合わせて酢醤油オイルでマリネしました。ミディトマトとナスは輪切りにして、にんにくの香りを移したオリーブオイルでソテーに。素材が美味しいので、味付けは塩だけでも、抜群の美味しさになりました。
子どもたちには、大量のミニトマトを使ってミートソースを。すぐ煮える赤レンズ豆を加えて、水分調節の役割も兼ねて加えました。
自分で作っておいてなんですが、ああ、どれも最高に美味しいです。
<土曜日・夜>
流しそうめん。薬味にエゴマの葉、ミョウガ。天ぷら(ナス、ニンジン、玉ねぎ、地粉、米油)。めんつゆ(昆布、醤油)。
竹を使って、流しそうめんですよ! 子どもたちは、もちろん大喜びでおおはしゃぎ。お箸でタイミングよくすくいあげるのは、意外と難しいんですね。大騒ぎしながらいただきます。水で流すので、そうめんは水っぽいったらありゃしないのですが、美味しさより楽しさが圧倒的に上回ります。
ナスは満を持して天ぷらに。とろとろになったナスは、言葉にならないほど。旬の野菜、採れたての野菜の美味しさたるや。息子に、子どもたちに一番伝えていきたいことです。
<日曜日・朝>
キュウリのサラダ。キュウリの味噌和え。トミディトマトとナスのにんにくオイルソテー。ナスの天ぷら。トマト。味噌汁(玉ねぎ、エノキ)。ごはん(白米)。
ひたすらにトマト、ナス、キュウリです。でも不思議なくらいに飽きません。ただただ、美味しくて。
<日曜日・おやつ>
葡萄。
子どもたちが収穫させてもらった、自然栽培の葡萄です。程よい甘さで、酸っぱさが残ります。それがとても爽やかで、美味しいのです。自然な甘さだからか、いくつでも食べられます。これが本来の葡萄の味なのかもしれません。
実は、お店で買う糖度の高い葡萄は、酸味が少なくて苦手です。みかんにも同じことを思います。個人的に果物は、甘みと酸味のバランスの良さが美味しさの基準です。酸味ってとても大切な様子だと思うのですが、最近の果物からは意図的に減らされている気がしてなりません。
この爽やかな酸味のある葡萄の美味しさを、一人でも多くの人に知ってもらいたいとなと思います。この甘酸っぱさは、葡萄の季節である残暑にぴったりなんですよ!
<日曜日・昼>
ナスのミートソース炒め。ナスの塩炒め(米油)。蒸しナスの生姜醤油がけ(エゴマの葉、ミョウガ)。キュウリのオリーブのサラダぶっかけそうめん。ミートソースごはん。トマトカレーライス。
ナスを塩で炒めて、昨日のミートソースで和えてメインのおかずに。塩で炒めただけでも美味しかったので、少し取り分けておいて、そのままでもいただきました。お友達が蒸しナスを作り、余っていたそうめんの薬味をのせました。
これまで作って少しずつ余っていたものを組み合わせたりしながら、全部並べて、賑やかなお昼ごはんに。大人数で食べるってだけでどうしたって楽しいし、美味しいものですね。
これで岐阜への旅はおしまい。トマト、ナス、キュウリばっかりだったけれど、どれも美味しくてたまならかったです。美味しい空気と水もあいまって、息子も私も元気を取り戻しました。良き夏の思い出です。
よしはらりえ/音楽家。アコーディオニスト、トイピアニスト、トイ楽器奏者として、映画をはじめ、TV、アニメ、CM、ミュージカルなどの演奏、制作に関わる。トイ楽器を用いた子ども向けコンサート、ワークショップなども行っている。著書に『まいにちの子そだてべんとう』『たのしい手づくり子そだて』(アノニマ・スタジオ)『トイ楽器の本』(DU BOOKS)など。