2023年11月30日

『もうすぐクリスマス』【親子の読み聞かせに。今日の絵本だより 第365回】

kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子の読み聞かせにこんな絵本はいかがですか。

『もうすぐクリスマス』
北岸由美/作 白泉社 1540円

今年も、早くも12月。
書店の絵本売場にもクリスマスの絵本が並び始め、にぎやかでわくわくしてきますね。
ロングセラーも多いクリスマス絵本の中から、今回は生まれたての今年の新刊、『もうすぐクリスマス』をご紹介します。

うさぎさんは、クリスマスまでの24日間を毎日楽しむ、特別なカレンダーを持っています。
12月の始まりの日に「1」の日付の窓を開けると、うさぎの天使のオーナメントが出てきました。
次の日、「2」の窓からは、青いリボンのついた小さな金のフォーク。
おやつのシュトーレンは、このフォークで食べましょう。
毎日ひとつずつ、窓から素敵な何かが出てくるカレンダーを開けながら、うさぎさんはクリスマスの準備もしていきます。
3日は、ねこさんともぐらさんと一緒に、クリスマスパーティーの招待状を配りに。
4日はみんなでリースの材料を探しに森へ出かけ、5日はお部屋の中でリースづくり。
キャンディーケーンやジンジャークッキー、キャンドルに毛糸の靴下。
クリスマスのアイテムをみんなで一緒に準備するのって、なんて楽しそうなんでしょう。
もちろん大切なお約束、サンタさんへのお手紙も書きますよ。

クリスマスを指折り数えて待つ1日ずつ、その日々そのものも、うれしいギフトなのかもしれない。
そんな温かい気持ちになれる、1冊まるごとアドベントカレンダーのような絵本です。
人気イラストレーター・北岸由美さんの絵は表紙からもう愛らしく、立てかけておくだけでお部屋がクリスマスの空気になりそう。
『もうすぐクリスマス』は、発売中のkodomoe12月号巻頭特集「絵本おやつ」でも、とっておきの場面をご紹介しています。
絵本もkodomoeも、ぜひあわせてお楽しみくださいね。


選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、司書、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

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