2023年12月11日

『ねこさんかぞくのクリスマス』【親子の読み聞かせに。今日の絵本だより 第366回】

kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子の読み聞かせにこんな絵本はいかがですか。

『ねこさんかぞくのクリスマス』
ルーシー・ブラウンリッジ/文 ソ・ウニョン/絵 石津ちひろ/訳 
ブロンズ新社 2640円

発売中のkodomoe12月号「季節の絵本ノート」では、クリスマスを指折り数えて待つ今の気分にぴったりの絵本を5冊ご紹介しています。
今回は特別にこちらでも、もう1冊をご紹介。
今年発売の新刊絵本、イギリス発の『ねこさんかぞくのクリスマス』です。

「クリスマスまであと12日」。
ねこさん一家のみんなも、学校やお仕事は明日からお休み。
今日からは家族そろっておうちで過ごします。
さあ、クリスマスの準備を始めましょう。
「クリスマスまであと11日」。
こねこたちが最初にするのは、おうちの飾りつけ。
オレンジ・ポマンダーを作ったり、ドアにリースをかけたり、もちろんクリスマスツリーにも飾りを吊るします。
「クリスマスまであと10日」。
今日はパパとママと一緒に、みんなでキッチンに集合。
クリスマスケーキとミンスパイを作ります。
伸ばした生地に、フルーツ、ナッツ、スパイスをまぜて。
クリスマスのいいにおいが広がります。

次の日は、クリスマスカードをたくさん書いて。
そのまた次の日は早起きをして、ばあばとじいじを駅へお迎えに。
クリスマスシーズンのイギリスのおうちの様子が1日ずつ描かれていますが、この本の特別なお楽しみは、12日間の場面それぞれに12のフラップ、全部で144の窓あきのしかけがついていること。
扉や引き出しはわかりやすいのですが、「こんなところに?」と驚くほど、たくさんのお楽しみがあちこちに隠されています。
棚の上のたたまれたリネン、夜空の満月、馬小屋の屋根、めくると現れる中の絵は「なるほど」だったり、「びっくり!」だったり。
そうそう、実は登場人物はねこさん家族だけではなくて……。

めくりのしかけ絵本は「一度めくるとあきちゃうかも?」と思われるかもですが、とんでもない。
一回では144の窓の全部はめくりきれないかもしれません。
サイドストーリーもあわせて、3倍、4倍のお楽しみがつまっているお得感。
来年も、その次の年も、お子さんがもっと大きくなってからも。
毎年一日ずつ窓を開けることが恒例のお楽しみになりそうな、まさにクリスマスの贈り物にぴったりの一冊です。


選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、司書、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

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