2020年10月22日

『まほうのハッピーハロウィン』【今日の絵本だより 第164回】

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kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか

『まほうのハッピーハロウィン』【今日の絵本だより 第164回】の画像1『まほうのハッピーハロウィン』
石津ちひろ/文 岡田千晶/絵 ブロンズ新社 本体1400円+税

 今年ももうすぐ、ハロウィンですね。
密を避ける今年の状況では、例年とは盛り上がり方も違うかもしれませんが、この時期に街に増えるオレンジや黒や紫の彩りには、大人もなんだかワクワクしてくるもの。
ハロウィン絵本もどんどん増える中、今年の新刊を2回続けてご紹介します。
1冊目は、『まほうのハッピーハロウィン』です。

もうすぐ、子ども会のハロウィンまつり。
みのりは張り切って自分ひとりで、裾がふんわり広がるオレンジ色の、ジャック・オー・ランタン風ドレスを作りました。
ハロウィンまつりの日の夕方、準備万端のみのりは、お向かいのいとこのあきとの家へ。
今年初めて参加のあきとは、ピーターパンの緑の衣装を着ていても、なんだか心細そうです。
「しんぱいしなくて だいじょうぶ。
 あたしも はじめてのときは、すっごくドキドキしたのよ」
ふたりで手をつないで公園に向かい、さあ、いよいよハロウィンまつりの始まりです。
みんな元気に
「トリック オア トリート!」
を叫んでいろんなおうちを回りますが、あきとはなかなか声を出すことができません。
その目にうっすら浮かぶ涙を見て、心配なみのり。
そこへどこからか、
「まほうを かけてあげたら?」
という声が……。

初めての夜の冒険の、何とも言えないドキドキ。
その背中をそっと押してくれる、小さな魔法。
そうか、大人から見ると楽しそうなハロウィンのパレードでも、夜の闇、見慣れない仮装、複雑な気持ちでこわごわ参加している子も、いるかもしれませんね。
そんな心の揺れと不安に、優しく寄り添う物語。
すみずみまで優しさに満ちたお話と、夜の光の温かさがあふれる絵が響き合って、ハロウィンが終わっても長く心に残りそうな1冊です。
初めてのことにもじもじしがちなお子さんはもちろんのこと、猫好きな方にもおすすめですよ!
(理由はぜひ絵本でお確かめください。)

 

選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

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