2020年4月21日

『おばけのバーバパパ』【今日の絵本だより 第122回】

kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。

『おばけのバーバパパ』【今日の絵本だより 第122回】の画像1『おばけのバーバパパ』
アネット・チゾン、タラス・テイラー/作 やましたはるお/訳 偕成社 本体1000円+税

大きなピンクの体をどんな形にも変えられる、優しいおばけのバーバパパ。
かわいいキャラクターグッズでも、すっかりおなじみですね。
『おばけのバーバパパ』の絵本がフランスで誕生したのは、1970年。
つまり、2020年の今年は、バーバパパの生誕50周年イヤー。
これを記念してこのたび、4月22日が「バーバパパの日」に制定されました。

お話の一番最初はどんなふうに始まるか、ご存知ですか?
「バーバパパはね、にわで うまれたんです。」
男の子のフランソワがお花に水をあげていたら、不思議なことに土の中のまあるいピンクがむくむくと大きくなって、まるで芽を出すみたいに地面から現れたのが、バーバパパ。
ふたりはすぐに仲良しになりますが、あまりに大きすぎるからと家族に断られ、バーバパパは泣く泣く動物園へ行くことに。
でも、他の動物たちと遊びたくて檻から出てしまったバーバパパは、動物園からも追い出されてしまいます。
行くあてもなくひとりぼっち、町角でさびしく涙を流していたら、ある事件が……。

物語にはその後ハッピーエンドが待っているのですが、明るく元気そうなバーバパパの始まりのエピソード、ちょっと意外ではないですか?
驚きの誕生と、せつなさと、それを乗り越えての喜びと。
繊細な線や優しい色味、余白をいかしたデザインのイラストは改めて味わい深く、優しく語りかけるような言葉は、親子にここちよく響きます。

今回の50周年と「バーバパパの日」を記念して、バーバパパグッズが充実の全国のPLAZA、およびMINiPLA、PLAZA オンラインストアでは、絵本『おばけのバーバパパ』も、2020年4月17日より期間限定で販売(一部店舗は除く、また現在臨時休業店舗あり)!
バーバパパ50周年特設サイトも、ぜひご覧ください。

 

選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

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