2020年3月26日

『かぜ かぜ かぜ』【今日の絵本だより 第116回】

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kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。

『かぜ かぜ かぜ』【今日の絵本だより 第116回】の画像1『かぜ かぜ かぜ』
山田美津子/作 こぐま社 本体1200円+税

空気も少しずつやわらいで、風も春めいてきましたね。
新型コロナの影響でまだまだ外ではしゃげないこの時節ですが、気持ちだけでも春風に吹かれますよう、風の絵本『かぜ かぜ かぜ』をご紹介します。

「ふわっ
 あっ かぜだ」
と、吹いてきた風で、小さな子の服の裾が柔らかくふくらんだら、
「びゅーっ ここまで おいで!」
と、ニコニコ顔の風が、帽子を持っていきました。
「いろんな かぜに あいに いこう」。
最初に会うのは、春の風。
そよそよふんわり、桜色。
お花たちも、風に吹かれてごきげんです。
梅雨どきの風は、しっとりと重たそう。
もわんもわんとなまぬるく、後ろに雨雲を連れています。
いつもは目に見えないはずの風も、春夏秋冬、季節ごとにいろんな色と形で描かれて、「ああ、この頃の風はこんな感じ!」と、確かにその姿が見えてくるようで心がはずみます。
大人よりも日々風にふれている子どもたちの方が、すとんと共感するかもしれません。

道ばたで、おうちの中で、どんな小さな植物や生きものにも心を見つけて、その声を聞かせてくれる山田美津子さん。
kodomoe本誌の記事にも、よくイラストを描いていただいてます。
『かぜ かぜ かぜ』にピピッと来たら、HP「みつこ絵日記」をぜひのぞいてみてください。
山田さんの目を通して見ると、当たり前の日常が今までと違って、楽しく光りだすのです。

『かぜ かぜ かぜ』にはさみこみの「作者のことば」は、こんな文章で結ばれています。
「たとえ外で遊べなくても、窓を開ければ風は入ってきてくれます。
 カーテンをゆらす風は、やさしい友だちのようです。」
たくさんの方が、風と友だちになれますように。

 

選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

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