2020年1月12日

『たべものやさん しりとりたいかい かいさいします』【今日の絵本だより 第100回】

kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。

『たべものやさん しりとりたいかい かいさいします』【今日の絵本だより 第100回】の画像1『たべものやさん しりとりたいかい かいさいします』
シゲタサヤカ/作 白泉社 本体1200円+税

kodomoe読者の皆さんからの投票で決定した、第12回MOE絵本屋さん大賞部門賞、パパママ賞。
前回は第1位『ノラネコぐんだん おばけのやま』をご紹介しましたが、第2位もkodomoe発の絵本、『たべものやさん しりとりたいかい かいさいします』が受賞しました!

町のたべものやさんに届いた、しりとり大会開催のお知らせ。
優勝チームにはなんでもほしいものをプレゼントとあって、お店の食べものたちは大はりきり。
お寿司屋さんのお寿司、ケーキ屋さんのケーキ、八百屋さんの野菜、他にもいろんなお店のみんなが、優勝めざしてもりあがっています。
でも最後に「ん」のつくたべものは参加できないのがしりとりのルール……、そこであるお店が大ピンチに!
笑いあり涙あり、そして驚きのラストが待ち受ける、感動のしりとり物語です。

私はおはなし会や小学校など、いくつかの場所でこの作品を読みましたが、しりとりがまだわからないお子さんはいろんな食べものを指さして興味津々、小学生たちはしりとりの先の展開を予想して大もりあがりと、それぞれに楽しめるその年齢の幅広さに驚きました。
大人の自分も、ピンチに陥った小さき者のドキドキハラハラからの大逆転に、読むたびに胸を熱くしています。

発売中のkodomoe2月号では、パパママ賞発表ページで作者のシゲタサヤカさんの受賞のことばを掲載。同じ子育て中のパパママの投票で選ばれた喜びを語られています。
そしてMOE絵本屋さん大賞総合ランキングでも見事第3位にランクインした本作、発売中のMOE2月号では、さらに詳しいインタビューを掲載しています。
子育て中で、これが実に4年半ぶりの新刊となったシゲタさん。
ふろく絵本で読者の皆さんのコメントに励まされたことや、ふろく版の表紙だけに隠された秘密のお楽しみも語られていて、ぜひkodomoe読者の皆さんに読んでいただきたい記事になっています。

シゲタさんにとって作家活動10年目で10冊目という『たべものやさん しりとりたいかい かいさいします』。
ちょうど100回目の「今日の絵本だより」でご紹介できた偶然を、うれしく思います。

 

選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

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