2019年10月27日

『おばけきょうだい はじめてのハロウィーン』【今日の絵本だより 第83回】

kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。

『おばけきょうだい はじめてのハロウィーン』【今日の絵本だより 第83回】の画像1『おばけきょうだい はじめてのハロウィーン』
松田奈那子/作 小学館 本体1500円+税

前回の『ハロウィンのおきゃくさま』に引き続き、今回もハロウィンの絵本をご紹介。
今シーズンの新刊、そしておばけが主人公というところも、偶然ですがおそろいです。
『おばけきょうだい はじめてのハロウィーン』。

水色のイチ、ピンクのニイ、緑のサン、黄色のヨン。
カラフルなおばけきょうだいが、ベッドに並んでおひるね中。
そこへ突然、玄関に「トリック オア トリート!!」。
いろんな仮装の子どもたちが、お菓子をもらいにやってきました。
並んだフランケンシュタインやガイコツたちに、おばけきょうだいはびっくり。
でもみんなが仮装の日ですから、子どもたちはイチ、ニイ、サン、ヨンが本物のおばけだと気づきません。
おばけのかっこうで準備万端の子どもと思われて、
「きみたちも いっしょに おかしを もらいに いこうよ」。
そして、みんなでなかよく家々をまわります。
もちろんイチ、ニイ、サン、ヨンはかわいい顔して本物のおばけですから、大人をおどかすのはとっても上手ですよ。

おばけきょうだいのキャラクターもお話も愛らしい絵本なのですが、読後のおたのしみがこれまた贅沢。
はさみこみで、フランケンシュタインのお面やデビルのつの、かぼちゃのお菓子入れなど、いろんなハロウィンアイテムがつくれるクラフト付録がついています。
他にも、魔法使いの帽子やほうき、お部屋のオーナメントに使えそうな飾りなどの工作アイディア、それに絵描き歌まで。
作者は、造形教室やワークショップも主宰している、松田奈那子さん。
子どもたちにハロウィンを楽しんでほしい、そんな気持ちがあふれてくるような1冊です。
「クラフト系ってちょっと面倒……」というママ、親子でチョキチョキペタペタできるのって、実は案外わずかな間。
もしかしたら絵本の読み聞かせよりも、短いスパンかもしれません。
おせっかいかもしれませんが、並んで一緒に工作できるうちに、わいわい楽しめたらいいですね!

 

選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

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