2020年12月17日

陰でこっそり仕事をする、小さい忍者たちを妄想【ぼくとフジオ・11】

『ねたあとゆうえんち』や『よなかかいじゅうイビキラス』(ともに白泉社)などでおなじみの絵本作家でイラストレーターの大串ゆうじさんが、子育ての中で日々湧いてくる「妄想」を描きます!

こんにちは。今回は「忍者」をテーマにしてみたいと思います。

「忍者」は元々、僕が子どもの頃から好きなので、今まで描いた絵本の中にもちょいちょい登場しています。資料として忍者関係の本が仕事部屋に何冊かあるのですが、先日、息子・フジオ(4歳)が部屋に入ってきてゴソゴソと本棚を物色していると思ったら、忍者の本をペラペラとめくって大変興味深そうに見ていました。とても気に入った様子だったので、その夜は布団の中で一緒に忍者の本を見て寝る事に。いろいろな忍術や、忍者屋敷のイラストにとても惹きつけられていました。

次の日、遊びに行った近所の公園で、こんもりと大量に集められた落ち葉ゾーンを見つけると、喜んで落ち葉の山に潜って隠れたり、木に登ったりと忍者ごっこを楽しんでいました。

調べてみたら忍者体験が出来る施設や忍者の資料館・博物館などが全国にいろいろとあるみたいなので、コロナが落ち着いたら家族で旅行がてら行ってみたいな〜とぼんやり思っています。

忍者は忍術や手裏剣などの道具がとても魅力的ですが、現代でいうスパイ的な、表舞台には出てこない陰の世界で仕事をしてる感じが、なんともカッコいいな〜と思ってしまいます。ワシントンにある国際スパイ博物館には日本の忍者に関する展示もあるみたいです。忍者凄いです!

ということで今回は日常生活をおくる中で「ちょっと困ったな〜」という時に、忍者がこんなことしてくれたら助かるのに……という妄想を何個か考えてみました。

第11回 「困った時に助けてくれる秘伝の忍術!!」の妄想メモ

その1 「忍法カサカサ封じの術!」

スーパーでの買い物はエコバックやリュックに入れるようにしてますが、お魚やお肉など、汁が気になるものはポリ袋に詰めたくなります(以前リュックの中でアサリの汁がこぼれて大変な目にあったので……)。しかし指先がカサカサな時は全然開けられずとても困ります。コロナで指を湿らせるスポンジ・不織布もなくなったし、コロナが気になり指先をなめるのも嫌だし……、なめたら負けだと意地になってしまいます。フジオも一緒だったりするとバタバタしてさらに集中できず、よりいっそうイライラしちゃいます……。


そんな時! 小さい忍者が指先をシュッ!シュッ!と指先に霧吹きをして湿らせてくれる忍術です。 

その2 「忍法視線釘付けの術!」

子どもの写真を撮る時になかなか視線をスマホの方に向けてくれず、何回も写真を撮り直してしまう事があります。

「もう一回! こっち向いて〜!」というと、「また〜?」みたいな感じでテンションが下がり飽きてしまって笑顔がなくなり悪循環。なかなかいいタイミングで撮影するのは難しいものです……。


そんな時! 小さい忍者がスマホのレンズの周辺で賑やかにしてくれて、子どもの視線を釘付けにしてくれるのがこの術です。

その3 「忍法耳守りの術!」

僕は家で仕事をしているので、マスクを一日中つけている事はあまりないのですが、妻は朝からずっとマスクをしていて、耳が痛くなったり、気になってしまうようです……。そんな時! 小さい忍者がマスクを持ち上げてくれる忍術です。朝からずっと持ち上げてくれて、とてもありがたい忍者です。

以上、「困った時に助けてくれる秘伝の忍術」の妄想でした。

目立たないけれど、こっそりと仕事をしてくれる忍者達、日々のたゆまぬ訓練でその忍術は更に磨きがかかっていきます。やっぱりかっこいいです。

僕も頑張ります。ありがとうございました。

大串ゆうじ
おおくしゆうじ/1976年茨城県出身。多摩美術大学絵画科油画専攻卒業。個展などで作品を発表しながら、雑誌、テレビ、広告などのイラストレーションで活躍。著作絵本に『よなかかいじゅうイビキラス』『ねたあとゆうえんち』(白泉社)『しょうてんがいくん』(偕成社)がある。
www.senggeng.com/kushi/

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