親子で話すきっかけに。「平和を考える絵本」5選【最新号からちょっと見せ】
大切だと思っても、言葉で説明するのが難しい「戦争」や「平和」のこと、どうやって伝えたらいい? 絵本を一緒に開いて話をすることが、親子で平和を考えるきっかけになるかもしれません。ウェブでは、本誌で紹介した絵本の中から5冊をご紹介します。
※対象年齢は目安です。絵本はどの年齢で出会ってもよいものです。
せんそうって
なあに?
当たり前の日常が奪われる
悲しみ、苦しみ、そして怒り
「へいわとせんそう」
4歳~ 戦争になると、どうなるの?
『へいわとせんそう』
たにかわしゅんたろう/文
Noritake/絵 ブロンズ新社 1320円
「へいわのボク」と「せんそうのボク」。「へいわのかぞく」と「せんそうのかぞく」。左右のページをくらべると、その違いが見えてくる。思わぬラストにハッとします。
トットちゃんの 15つぶの だいず
5歳~ 黒柳徹子さんの戦争の記憶
『トットちゃんの 15つぶの だいず』
黒柳徹子/原案 柏葉幸子/文
松本春野/絵 講談社 1760円
戦時中、トットちゃんの一日の食べ物は炒った大豆が15粒。登校中に3粒、お昼に3粒、防空壕で2粒。残りを食べる夜までに、爆弾が落ちてこないか、空襲で家が焼けないかも心配です。
平和を守るために
お互いを大切に思うこと
忘れてはいけないこと
空はみんなのもの
3歳~ この問いの答えを、誰か教えて
『空はみんなのもの』
ジャンニ・ロダーリ/文 関口英子/訳
荒井良二/絵 ほるぷ出版 1870円
「空って みんなの空だよね」。誰にでもいつでも等しく、果てしなく広がる空。じゃあどうして、大地はさかいめだらけなんだろう? イタリアの国民的作家・ロダーリが問いかけます。
せんそうしない
シンプルな言葉に願いを込めて
『せんそうしない』
たにかわしゅんたろう/文
えがしらみちこ/絵 講談社 1430円
ちょうちょとちょうちょは、せんそうしない。こどもとこどもは、せんそうしない。子どもたちののびやかな笑顔と、「せんそうしない」の繰り返しが波紋のように胸に広がる。
このほしのこども
世界を知ろう、
未来へ祈ろう
『このほしのこども』
吉田尚令/作 あかね書房 1760円
世界中で、今もたくさんの子どもたちが泣き叫んでいる。ぼくたち、私たちと変わらない、同じ空の下の子どもたち。みんなで手をつないで、一緒に歩こう。新しく明るい明日へと。
編集協力/原陽子(司書・JPIC読書アドバイザー)(kodomoe2025年8月号掲載)