災害時だけじゃない!今すぐ家の中と外で気を付けたいのはこんなこと!【ママのための防災ガイド・3】
身のまわりの安全を再チェックすることは、日々の事故防止になると同時に、災害時には命を守ることにもつながります。
身のまわりで危ない場所はないかを、よくチェック! 子どもと過ごす家の中や屋外で注意することは何か? 事故防止の上で大切なポイントを集めました。
家の中で注意するポイント
たんすや冷蔵庫など
大型家具を固定していますか?
地震の揺れで大型の家具や家電が倒れて、避難経路をふさいでしまうケースが多数。大きな家具は必ず固定して。賃貸の場合は壁に穴を開けても大丈夫か大家さんに確認し、NGの場合は、穴を開けずに固定できる粘着テープタイプの固定具を使用するなど対策を。最近では公営物件であれば家具の転倒防止のため壁に穴をあけても元に戻す必要のない地域も増えています(各自治体に要確認)。
寝室に倒れそうな家具を
置いていませんか?
これまでの大きな地震では、倒れてきた家具の下敷きになって逃げ遅れたり、圧死する人が多くいました。就寝中の地震はとっさに逃げることも難しいため、寝室には倒れる危険性のある大きな家具は置かないように努めましょう。
ベランダに大きい荷物を
置いていませんか?
ベランダが物置状態だと、避難時にベランダを通る場合に素早く逃げることができません。暴風の際は物が窓に当たって割れる危険も! 飛散防止テープを張るなどして対策しておくのも良いでしょう。
また、小さな子どもが荷物によじ登って転落する場合もあるので、ベランダは常にスッキリと! 特に手すり側にものを置くのはやめましょう。
ドアや扉に開閉防止ロックを
つけていますか?
地震の際、食器棚やキャビネットからモノが飛び出して割れると、ケガをしたり逃げ遅れる原因に。子どものいたずら防止も兼ねて、トビラ類には開閉防止のロックをつけておくのが安心。
インテリアや食器は
割れにくいものを選んでいますか?
窓ガラスはもちろん、ガラスなど割れやすい素材を使った家具は、地震の揺れや転倒で部品が飛び散ったり、倒れるとケガする恐れも。家具はできるだけ作り付けを使用するか、買うなら割れにくいものを選び、ガラス部分には飛散防止シートを貼っておくとさらに◎
家に備蓄しておきたいものリスト
いざという時のための備蓄アイテムを、今一度見直してみてください! 子どもとの避難生活に必要なものを要チェック!
□飲料水
1人3ℓ/日を目安に、7~10日分
□段ボール(断熱素材)
保温性があり、屋外や避難所などで使える
□缶詰めなど非常食
食べ慣れたものを7〜10日分
長期保存できるものを
□カセットコンロ、燃料
温かい飲食物は体を温めて、癒し効果も
□簡易食器
紙コップや紙皿など。
紙コップは哺乳ビン替わりにも
□ビニール袋
ごみ処理やビニール手袋の替わりなど多用途
□ラップ、ガムテープ
用途の幅が広いので、多めにストック
□紙オムツ
ふだん使い慣れているものを、7~10日分
□おしりふきシート
水がない場所で活躍。
7~10日分
□災害用トイレ
7~10日分を家族の人数分
災害発生時はトイレの水を流さないで!
集合住宅で排水管が破損した場合、上の階で水を流すと下層階で水漏れが発生することも。また、集合住宅でも戸建てても、排水管が壊れているのに水を流すと詰まらせてしまい、復旧に時間がかかる場合があります。排水管の無事を確認できるまでは、流さないのが鉄則! 災害用トイレを使って。
家の外で注意するポイント
川や海が近くにある場合
避難場所や避難経路を頭に入れていますか?
水深が深い部分での津波はジェット機並みの、岸に近い比較的浅いところでも自動車程度のスピードはあると言われます。とにかくいち早く逃げられるように、ふだんから徒歩での避難経路を決めて、シミュレーションしておくのが大事。
火災時は特に注意!自分が住んでいる地域の
「東西南北」や木造密集地域は把握していますか?
火災の時は風上に逃げるのが安全ですが、出火場所が風上にある場合は吹いてくる風に対して90度の方向に逃げるのが鉄則です。
また、アプリなどで風上や風下の方位が分かっても、今いる場所の東西南北が分からなければ避難できません。自分たちがいる場所の方位は常に頭に入れておきましょう。スマホの方位磁針もありますが、バッテリー切れの場合も想定して。
また、注意したいのが木造密集地域での火災です。木造密集地域では、火を見る前に安全な場所にすぐ避難するのが鉄則! 木造密集地域よりも風上の方向に逃げることが必要です。
公園で遊んでいるとき地震が起きたら…
とっさの動きをイメージできていますか?
地震の揺れによって、すべり台やブランコなどは凶器に変わります。すべり台の上にいたらすぐ姿勢を低くして柵につかまる、ブランコからはすぐさま離れるなど、あらかじめ練習を。地震が起きると、子どもに指示を出そうとしても轟音で声は聞こえません。
よく通る道で高いブロック塀や古い屋根瓦はありませんか?
大きな地震の際、ブロック塀はブロックが1個ずつバラバラ落ちてくるのではなく、板状で倒れてきます。また、古い屋根瓦も揺れで落ちてくることが。実際に大きな地震が起きると、揺れてから離れるのはまず無理。ふだんから危険物がある道は通らないようにするのが正解です。
電車は一番前や後ろではなく
中間あたりの車両に乗るようにしていますか?
電車の脱線事故で被害が大きいのは、先頭と最後尾の車両と言われます。リスク回避のために、電車に乗る際は中間辺りの車両を選ぶのがおすすめ。また、乗った際は必ずつり革や手すりなどにつかまり、衝撃で飛ばされるのを防いで。
よく行くスーパーではワゴンや商品棚の陳列が
危なくないですか?
商品が陳列してあるワゴンは、脚が固定されていないと、地震の揺れで猛スピードで飛んでくる恐れが。陳列棚の上のほうからものが落ちてくる危険も。よく行くスーパーなどでは陳列の状態をチェックして、災害時には瞬時に対応できるようにしましょう。
被災時はインナーやアウターの着方が生死を分ける!
寒い時期に被災した際に気をつけたいのが、低体温症。衣類が濡れると体温が奪われ、命に関わります。汗をかきやすい子どもは知らないうちに肌着が濡れていることも。その上からいくら着込んでも冷える一方なので、濡れた肌着はすぐ着替えるか、替えがなければ肌着は着ず、新聞紙でくるむほうがマシ。また、保温性の高いダウンジャケットの正しい着方は、肌着のすぐ上など肌の近くで着ること。体温で温まると膨らむダウンの性質を生かします。風が通ると熱が逃げるので、ダウンの上に透湿防水・防風タイプのジャケットを重ね着したり、ブランケットなどを羽織るなど、ダウンをつぶさないで着ることがポイント!
教えてくれたのは
あんどうりすさん
アウトドア防災ガイド。阪神淡路大震災における自身の被災体験とアウトドアの知識を生かし、実用的な防災テクニックを伝える。
突然やって来る災害にそなえて、日ごろから、親子ともに防災意識を持つことが大切です。ママのための防災ガイド、ぜひお役立てください!
イラスト/山田美津子(2018年4月号掲載、内容は再編集しています)
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