2025年7月11日

要警戒! 子どもが「熱中症」になりやすい5つのワケを知っていますか?【最新号からちょっと見せ】

“地球沸騰化”なんてキラーワードを痛感できるほど、危険な暑さの続く季節が到来します。熱中症の場合、梅雨時からすでに要警戒! kodomoe8月号では、小さな子どもが熱中症になりやすい理由や予防策、それでも体調を崩してしまったときの対処法をまとめました。kodomoe webでは、今あらためて知っておきたい、子どもが熱中症になりやすい5つのワケを紹介します。

乳幼児が熱中症に
なりやすい5つのワケ

大人に比べて体の機能が完成していないため、暑さや湿度など環境の影響を受けやすいのが要因です。

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1、汗を上手にかけない

汗腺が未発達で汗をうまくかけず、熱が体内にこもりやすくなります。体温調節機能も未熟なため、高温な環境ではすぐに体温も上昇します。

2、体の水分を失いやすく
脱水症になりやすい

乳幼児の体の水分量は70 ~ 80%もあります。しかし、腎機能が未熟で尿を濃縮できず新陳代謝も活発なため、脱水症になりやすく、体温調整機能が乱れて体が高温になるのです。

3、地面が近く
照り返しを浴びやすい

大人より背が低く、ベビーカーなど地面に近い環境にいることも多いため、地表からの熱の影響を受けやすくて、体温が急激に上昇する場合も。

4、不調を訴えられない

とくに赤ちゃんは、体調や気分の悪さを言葉で伝えられないため、気づかないうちに熱中症になっている場合が。ベビーカーなどで移動中も、こまめに顔を見て様子をチェック。

5、自分で対策ができない

年少くらいまでは、暑くなったら涼しい場所を探して移動する、服を脱ぐといったことを自分で判断して行うことが難しく、対応が遅れがちに。

環境を整えることで
熱中症リスクを下げよう

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「熱中症と言っても、年代によって症状や重症化の度合いは異なります。救急搬送となるケースが多いのは、高齢者と、体育の授業や部活などでリスクが高まる小中高生。乳幼児の場合は大人が側についていることが多いので、重症化しにくい傾向があります。

しかし、体重に対する体表面積が大人より大きいため、高温な場所にいると周囲の熱を吸収しやすいのが子どもの特徴。汗腺や体温調整機能も未発達で、うまく熱を逃すことができず、急激に体温が上昇することで、熱中症にかかりやすくなるのです」(山中先生)

このように環境の影響を受けやすいからこそ、快適に過ごせる環境を整えてあげることで、熱中症リスクは下げられるそう。
「特に注意したいのは、梅雨の時期です。真夏ほど気温は高くないけれど、体は暑さにまだ慣れていません。さらに、湿度が高く汗が蒸発しにくいため、体に熱がこもってしまうのです。服装やエアコンで上手に温度調整をしましょう。

また、遊びに夢中になると水分補給を忘れがちです。こまめに声がけして休憩と水分をとらせ、顔色や機嫌など子どもの様子を観察するようにしてください」

教えてくれたのは
山中龍宏先生

やまなかたつひろ/東京大学医学部卒。緑園こどもクリニック院長。NPO法人Safe Kids Japan理事長。こども家庭庁教育・保育施設等における重大事故防止策を考える有識者会議委員も務める。

イラスト/yana 編集協力/田所佐月(kodomoe2025年8月号掲載)

kodomoe8月号ではさらに、熱中症のポイントは「衣・食・住・行動」!、「熱中症かも!? 症状別の対処法」をご紹介。

正しく知って、しっかり備える!「子どもの熱中症対策」は、kodomoe8月号をご覧ください!

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