イヤイヤ期をスムーズに乗り切る方法が知りたい!5つのポイントをご紹介
せっかくの(!?)イヤイヤ期、子どもの気持ちをつぶさずに育てたいですね。
日々の接し方で心がけたいポイントを、前回に続いて、汐見先生に教えてもらいました!
イヤイヤ期をスムーズに乗り切る
5つのポイント
1.ママの手助けや介入は
子どもの意思を確認してから
「自分で!」というわりになかなかうまくできなかったり、時間がない中ネバられると、つい途中でやめさせたりママが手を出したくなります。「子どもにとっては結果が大事なのではなく、過程そのものを楽しんでいるのです。ママが突然手を出すと、ジャマされたと感じてしまう。時間がないこともあるでしょうけれど、まずは『手伝おうか』『そろそろ終わりにできるかな?』など、子どもの気持ちを聞いてあげることから始めて」
2.「言うことを聞かせよう」と
思わなくていい!
こちらの提案やお願いに、いちいち「イヤ!」と言われると頭にくるもの。「言うことをすぐ聞く子が“いい子”なわけではありません。イヤイヤがあまりに激しいと疲れてしまいますが、まだ気持ちをコントロールする力が弱いだけ。それを育てていくには『気の済むまでやらせてもらった』という経験が欠かせないのです。そして、上手にできたり子どもがアピールしてきたら『できたね』と共感してあげること。これが大切です」
3.やめてほしい・やってほしいときは
「命令・指示」ではなく「お願い」
ママがこうしてほしいと思うことと、子どもがこうしたいと思う気持ち、それが一致しないとイヤイヤ行動に。「どんなに小さな子でも人格があります。やめてほしい・やってほしいことを伝える際は、命令したり指示をするのではなく、『~してほしいな』『~してくれない?』とお願いする姿勢で。自分が人として尊重してもらっているという感覚が持ててこそ、健やかに育っていきます。ママの意見を聞いてくれたら『ありがとう』も忘れずに」
4.ママ友同士のときは
取りつくろわなくていい!
イヤイヤっ子のママがしんどいのは「周囲に迷惑をかけちゃいけない」という気持ち。「悪いことではありませんが、他人の目を過剰に気にすると、子育ては辛くなります。せめてママ友同士の間では取りつくろったりいい子でいさせようとせず、お互いが子どものありのままを受け入れ合えるようになれるといいですね。例えばおもちゃが貸せない、ごめんねできないなどの場合も、ママが介入せず、まずは子ども同士でのやり取りを見守って」
5.時間の制限があるときには
リミットを示してもOK
いくら好きなだけやらせてあげたくても、日々の生活の中ではそうもいきません。「2歳を過ぎたら相手の気持ちや状況が少しずつ分かるようになります。ママや他の人にも都合があるということを伝えて、状況を考える訓練をしましょう。『時計の針がここまで来たら、おうちを出るよ』など視覚でリミットを伝え、子どもに心の準備をしてもらうのがいいですね。10分前、5分前と小まめに声をかけ続けるのがおすすめです」
ママとパパとで子どもへの
対応が異なってもOK!
ママはゆったり見守りたい、パパはしっかりしつけたい(またはその逆も)、などの方向性の違いは、子どもを混乱させない? 「例えば『自主性のある子に』など育児の根本方針が一致していれば、ママとパパで対応が違ってもいいんです。子どもは実は“空気読み”の名人。2歳になればママには許されてもパパには許されない、など自然と学びます。それが社会性を育むことにもつながるのです」
教えてくれたのは
汐見稔幸先生
しおみとしゆき/東京大学名誉教授、日本保育学会会長。専門は教育学、教育人間学、保育学、育児学。3人の子どもの子育て経験からくる、リアルで温かい子育てアドバイスが人気。「NHKすくすく子育て」出演中。
イラスト/山田美津子 (kodomoe2018年10月号掲載)
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