小児アレルギーの予防は乳児期のスキンケアがポイント!子どもの肌トラブルQ&A~前編~
2020年2月7日

小児アレルギーの予防は乳児期のスキンケアがポイント!子どもの肌トラブルQ&A~前編~

アトピー性皮膚炎、咳、下痢、嘔吐など、さまざまな症状で現れる小児アレルギー。実は、これらが乳児湿疹から発症することが解明され、乳児期のスキンケアで予防できることがわかりました。
毎日のスキンケアってどうすればいい? アトピー性皮膚炎の見分け方とは? 小児科医の先生にうかがいます!

正しいスキンケアが子どもの未来の肌を守ります!

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1. 乳児期からのスキンケアがアレルギーを予防する!

「乳幼児の食物アレルギーは、実は乳児湿疹から発症することが最近の研究結果でわかってきました。そのため、乳児期からスキンケアを徹底することで、アレルゲンの吸収を抑えることができ、小児アレルギーも防ぐことができる時代になったのです」

2. 顔や体だけでなく、頭も保湿を忘れずに

「乳幼児は大人の半分しか肌に厚みがありません。そのため、乾燥や化学物質の刺激を受けやすい状態です。肌が荒れるとますますバリアが弱まり、そこからアレルゲンを吸収してしまいます。体だけでなく頭も保湿して、肌の未熟な部分を補ってあげて」

3. アトピーかな?と思ったら様子見せずに医療機関へ

「子どもの肌トラブルが改善しないときの“しばらく様子見”は悪化のもと。すぐに小児科や皮膚科を受診して。昔は産院などで“自宅で少し様子を見ましょう”と言われることも多かったのですが、今は早期治療が症状を悪化させないための近道です」

 

子どもスキンケアQ&A

子どものアレルギー体質を予防するには日々のスキンケアが大切です。
スキンケアの素朴な疑問を小暮先生に答えていただきました。

Q1. 毎日のスキンケアはどうすればよいですか?

A. きちんと汚れを落とす&保湿を毎日欠かさず繰り返して

「以前は“子どもはしっかり洗わなくてもOK”と言われていましたが、それはNG。子どもは新陳代謝がよく、汗っかきで汚れやすいので、きちんと汚れを落として必ず保湿してください。皮膚が汚れたままだったり、顔に食べ残しが付いたままだと、アレルギーの原因になります」

毎日やること

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デリケートな肌に刺激を与えないよう、低刺激ソープや全身シャンプーで洗う。首のシワやわきの下など、くびれた部分は汚れが溜まりやすいので、丁寧に洗浄して。

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頭皮も皮膚の一部。特に乳幼児は頭皮トラブルが多いので、洗浄したあとは必ず保湿を。ベタつくのがイヤなら、ローションタイプのものを塗ってあげて。

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入浴後は肌の水分量がどんどん減っていくので、入浴直後に肌を保湿すること。体を軽く拭いて、肌が湿っているうちに全身に保湿剤を。乾燥したら1日何度でも塗ってOK。

 

Q2. アトピー性皮膚炎の見分け方はありますか?

A. 汗をかかない部分が荒れ続けたら、赤信号!

「子どものアトピー性皮膚炎を疑うときは、汗をかかない部分が荒れていないかチェックしましょう。関節が曲がる側とは反対の伸側が2か月以上荒れている場合は、可能性が高いと思います。また、両親に喘息や花粉症、鼻炎がある場合も、子どもにアトピーが出やすくなります」

 

Q3. UVケアはいつから始めたらよいですか?

A. 生まれたときから外出時は必ずUVケアを

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「肌バリアがない乳幼児にとって、紫外線は大敵! 太陽は皮膚を傷める原因です。生まれてすぐの時期でも、外出するときは必ず低刺激の日やけ止めを塗り、UVケアを徹底しましょう。また、外出から帰ってきたら、体をきれいに洗ってあげることも忘れずに」

 

Q4. ステロイド剤をやめると症状が悪化するのはなぜ?

A. 正しい用量を守り、自己判断でやめないで

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「一時的に症状が回復しても、実は皮膚の下では治っていない場合があります。自己判断で急に使用をやめず、少しずつ回数を減らしましょう。また、正しい用量を守ることも大切。人差し指の先から第一関節にのる量が、手のひら二枚分の面積に塗る量です。怖がらずに正しい量を塗って」

 

Q5. 敏感肌になりやすいタイプはありますか?

A. 乳幼児期に冬を体験したかがポイントに

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「実は、秋生まれの子どもにアトピー性皮膚炎が多いと言われています。それは、肌が弱い乳幼児の時期に、寒く乾燥した季節を過ごしたことが原因。皮膚は乾燥するとバリア機能が低下するので、そこからアレルギーを引き起こしやすくなります」

 

乳児期のスキンケアが小児アレルギーを予防する!の画像8教えてくれたのは
小暮裕之先生
こぐれひろゆき/有明こどもクリニック有明院・豊洲院 ・勝どき院・田町芝浦院理事長。小児科専門医によるチーム医療で子育てをサポートする。妊娠中のママ向けセミナーも開催。

イラスト/植松しんこ、編集協力/仁田ときこ(kodomoe2017年12月号掲載)

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