やけど、鼻血、虫さされなどの応急処置【症状から見る子どもの救急ガイド・5】
症状から見る子どもの救急ガイド、最終章では「やけど」「動物にかまれた」「鼻血」「虫さされ」「のどに物がつまった」「おぼれた」など、子どもが日常で遭遇するアクシデントを取り上げます。
いつ起こるかわからない子どもの非常事態に備え、ぜひこの機会にチェックしてください!
子どもに多いケガ、アクシデントの応急処置
やけど
一刻も早く患部を冷やし軽く見えても病院へ
氷水に浸す、冷水のシャワーを当てるなどしてすぐに患部を冷やします。20分以上は冷やし続け、必要なら病院へ。口内のやけどは、氷水でくり返しうがいをさせます。
こんなときはすぐ病院へ
●冷やしても痛みが強く、水ぶくれがある
●体表面積10%以上のやけどは、すぐ救急車を
動物にかまれた
菌、狂犬病ウイルスに感染する恐れも。医師の診断を
何にかまれたのか確認し、すぐに流水と石けんで傷口を洗い流して、消毒をします。保冷材などで冷やしながら、病院へ。傷がない場合、冷やして痛みを押さえ、様子を見ます。
こんなときはすぐ病院へ
●傷や出血がある
●へびにかまれたときは、救急車を
鼻血
いきなりティッシュをつめず鼻をつまんで圧迫止血!
血液がのどに流れ込まないよう下を向かせ、鼻を深くつまんで圧迫止血します。鼻呼吸ができない状態で10分以上止血して。出血が治まったら、濡れタオルなどで冷やして安静に。
こんなときはすぐ病院へ
●頭を打って鼻血が出た
●出血が多い。止血しても出血が続く
虫に刺された
毒針や毒毛を取り除き毒を洗い流す
蜂に刺されたときは、針を抜き患部をつまんで毒を押し出してから洗い流します。毒蛾は鱗粉を洗い流し、毛虫は粘着テープなどで毒毛を取り、その後洗い流して冷やします。
こんなときはすぐ病院へ
●大量の蜂に刺されたり、腫れや痛みがひどいとき
●スズメバチに刺されたときは、救急車を
ものがのどにつまった
背中を叩いて吐き出させる
何を誤飲したか、即確認を
異物をつまらせて窒息の恐れがあるときは、腰を抱えて前かがみにし、背中を強く叩きます。乳児はひざにうつぶせに抱き、頭を低くして肩甲骨の下を叩き、吐き出させます。
こんなときはすぐ病院へ
●洗剤などの化学薬品や電池などを誤飲した
●意識や呼吸がないときは、救急車を
おぼれた
水を吐き出させたら体を保温して体力回復
うつぶせにしてお腹をひざにのせ、背中を叩いて水を吐き出させます。濡れた衣服を脱がせて毛布などで保温。脈や呼吸がないときは、ただちに心臓マッサージや人工呼吸を。
こんなときはすぐ病院へ
●大量に水を飲んでぐったりしている
●呼吸や心臓が止まっているときは、救急車を
伊藤隆一先生
いとうりゅういち/的場医院院長。日本小児科医会常任理事。小児救急医療の専門家として、家庭でできる救急処置を啓蒙している。
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イラスト/ホリナルミ 取材・文/田所佐月