ノロウイルスにかかったら? 予防法から汚物処理までを伝授!
「○○ちゃんの具合が悪くて、先ほど嘔吐してしまって…」
子どもを預けている園からの、ドキッとする電話。寒くなるこの時期、ウィルスが猛威をふるい始めます。ノロウイルスは、11月頃から発生して、ピークがくるのは12~1月。お子さんからパパ、ママに移って、お正月どころじゃなかったなんていう話も聞きます。
11月、そんな感染拡大を防ぐための「ノロウイルス対策セミナー」が、東京都江戸川区の「輝きベビー保育園 篠崎」で行われました。園とダスキンが主催したこのセミナー、十河剛先生及び株式会社ダスキンハイジーン・拠点推進室 食の安全衛生推進チームの小林英明氏が登壇し、感染予防法と汚物処理法を伝授してくれました。
ノロウイルスに感染して、嘔吐してしまったら?
ノロウイルスの特徴は、感染力の強さ。嘔吐物は、ウイルスでいっぱいです。
保育園には、感染をなるべく広げないように、嘔吐処理グッズが用意されていることが多いのですが、嘔吐対処に困っているご家庭も多いのではないでしょうか。このいざというときに慌てない準備アイテムとして、ダスキンが提唱する「ノロセーフティーBOX」をご紹介します。
ノロセーフティーBOX (全部バケツに入れてひとつに)
<消毒液セット>
□塩素系漂白剤(家庭用のものでOK)
□ペットボトル(500ml)
□じょうご
<嘔吐処理アイテム>
□キッチンペーパー(たくさん使います)
□ごみ袋(2枚)
□レジ袋(2枚)
□使い捨て手袋(一人につき2セット)
□マスク
□ヘアキャップ
□使い捨てレインコート(嘔吐物を服につけないように)
□段ボール片(嘔吐物をかき集めます)
□ゴーグルまたは眼鏡(嘔吐物を目にとばさないよう)
□バケツ
嘔吐をしたときは、これらが入ったバケツをさっと持ってきて、処理していきます。
①嘔吐した時点で広範囲にウイルスが飛散している可能性があります。まずは自分の完全防備! レインコート、ゴーグル、マスク、手袋、レジ袋(足にかぶせてガード)で、自分につかないように完全ガード!
②手袋をしたまま、消毒液を作ります。ペットボトルに半分まで水を入れ、漂白剤をキャップ2杯(10ml)入れ、さらにペットボトルの上まで水を入れてよく振れば完成。
③はじめに、作業の「入口」となる印がわかるように、キッチンペーパーに消毒液を浸して、「ここから立入禁止」がわかるように置いておきます。
④嘔吐物のまわりや上にも、消毒液に浸したペーパーを敷き詰めます。段ボール片で嘔吐物とキッチンペーパーを真ん中に寄せていき、ごみ袋に入れます。ウイルスの付着した外側の手袋1組も入れて、消毒液を上からふりかけてごみ袋をかたく閉じます。さらに、もう一枚のごみ袋で二重にします。
⑤残った床面をキッチンペーパーで覆い、消毒液をかけて拭き取ります。その後、もう一度消毒液キッチンペーパーで拭き、さらに水拭きも行います。最後に印替わりに置いたペーパーで足底を拭き、使ったキッチンペーパ―や自分をガードしていた手袋類はすべてごみ袋に入れ、よく縛って捨てます。その後の手洗いうがいも万全に!
※絨毯やカーペットに嘔吐してしまったら、スチームアイロンで消毒できます。ただし、85℃を1分以上維持しないとウイルスが死滅しないため、ご家庭では現実的に難しい面もあります。
ノロウイルス感染の予防法は?
手洗いうがいが予防の基本です。ただ、手洗いの方法を調査したところ、爪や親指まわりが洗えていない人が多いということがわかっていますので、すみずみまで念入りに洗いましょう。爪ブラシなども有効です。
実はノロウイルスは、アルコール消毒だけでは死滅しません。体が回復してもしばらくは便に排出されるので、トイレの後、食事の前もしっかり手洗いすることが大事です。
ノロウイルスの他にも、ロタウイルスやサボウイルスなど、感染症胃腸炎の原因病原体はさまざま。楽しい年末年始を迎えるためにも、家族みんなでしっかり対策してみてくださいね。
文=日下淳子(編集ライター/元保育士)