「玉ねぎを切ると涙が出るのはナゼ?」を科学で解決!【お料理を科学する・2】
おいしい料理には、実は科学的な理由がありました! ママの中には、調理のコツは知っていても、そのカラクリを知らない人も多いのでは?
「玉ねぎを切るとナゼ涙が出るの?」「ごぼうやじゃがいも、お水につけるのはナゼ?」など、身近な食材に関する料理の「?」を管理栄養士さんにお聞きしました! ギモン1~4に続いてご紹介します。
ギモン5:圧力鍋を使うと、早く火が通るのはどうして?
加熱する温度が高ければ高いほど、食材には火が早く通ります。通常はどんなに火力を強くしても100℃までしか温度は上がりません。ところが、圧力鍋は鍋の中に水蒸気を閉じ込めてくれるので、鍋の圧力が高まり、120℃くらいまで温度を上げることができるんです。そんなパワフルな圧力鍋なら、固い食材にも素早く火を通すことができるので、ママのお料理の時間も短くなりますよ。
ギモン6:玉ねぎを切ると、なぜ涙が出てくるの?
玉ねぎを切っていると、鼻がツーンと痛くなって、涙が出てきますよね。実は、玉ねぎの中には「硫化アリル」というニオイのもとになる成分が入っていて、これが涙を出させようとする犯人です。玉ねぎを切るとこれが外に飛び出し、目や鼻に入ってくるとその刺激で、泣きたくなくても涙が出てくるのです。玉ねぎを冷蔵庫でよく冷やすと「硫化アリル」は半分眠ってしまうので、切っても涙が出にくくなりますよ。
ギモン7:ごぼうやじゃがいもを切った後、なぜ水に浸けるの?
ごぼうやじゃがいもの中には、野菜の色を変えてしまう犯人(酸化酵素)が眠っています。切ったところが空気に触れると、その犯人が目覚めてしまい、切ったばかりの部分を赤茶色や黒っぽく変えてしまいます。でも、切ってすぐに水に浸して野菜の切り口が空気に触れないようにしておくと、色はあまり変わりません。さらに、水に「酢」や「塩」を加えておけば、「酸化酵素」はまた完全に眠ってしまうので、野菜はきれいな色のままになりますよ。
ギモン8:玉ねぎを水に浸けると、からくないのはどうして?
ときどき、生の玉ねぎを食べるとからく感じることがありますよね? からい玉ねぎはなかなか食べにくいもの。実は、玉ねぎの中には「からい味」のもとが潜んでいるんです。でも、からい味のもとは水に溶ける性質なので、水に浸けてしまえば、玉ねぎから出ていってくれますよ。ただし、水に長く浸けすぎると玉ねぎの栄養も少なくなってしまうので、水にさらすのは5〜10分くらいにしましょう。
管理栄養士・フードコーディネーター
美才治真澄さん
びさいじますみ/企業やメディアに向けたレシピ提案や栄養相談、オーダーメイドのケータリングを行う。女子栄養大学生涯学習講師。著書『満たされスープ』(世界文化社)、『世田谷農家に教えてもらう本当においしい野菜の食べ方』(マガジンハウス)他。bisaijimasumi.com
イラスト/きどふみか 編集協力/仁田ときこ(kodomoe2017年6月号掲載)※この記事は、2017年11月にウェブ掲載されたものを再編集しています
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