味付けの「さしすせそ」とは? 子どもとママの素朴なギモンにお答えします!【お料理を科学する・1】
2020年11月9日

味付けの「さしすせそ」とは? 子どもとママの素朴なギモンにお答えします!【お料理を科学する・1】

おいしい料理には、実は科学的な理由がありました! 調理のコツは知っていても、そのカラクリを知らない人も多いのでは?
「ハンバーグはどうして手でコネコネするの?」「スイカやトマトに塩をかけると、なぜ甘くなるの?」など、子どもとママが不思議に思う料理の「?」に、管理栄養士の美才治真澄さんがお答えします!

ギモン1:ほうれん草を茹でるとき、どうして塩を入れるの?

味付けの「さしすせそ」とは? 子どもとママの素朴なギモンにお答えします!【お料理を科学する・1】の画像1塩を入れて茹でると、ほうれん草は明るいきれいな緑色に変わっていきます。
これは、ほうれん草に含まれている「クロロフィル」という緑色の素(色素)が、塩の働きによって鮮やかな緑色になるため。塩が少なすぎると効果が少ないので、茹でるお湯の0.5〜1%(お湯1リットルに塩小さじ1〜2)を入れるとよいですよ。

ギモン2:ハンバーグはどうして手でコネコネするの?

ハンバーグの材料の「ひき肉」には塩に溶ける成分が入っています。
塩を入れてこねることで溶けた成分同士がくっついて、粘り気が出てきます。このネバネバした感じがないとハンバーグはきれいな形にまとまりません。上手に丸くすることもできませんし、焼いたときにポロポロと崩れてきてしまいます。よくこねたハンバーグはふんわりとしていて、とてもおいしいですよ。

 

ギモン3:スイカやトマトに塩をかけると、なぜ甘くなるの?

実は、塩をかけることでスイカが本当に甘くなったわけではありません。人間の舌は、甘さよりもしょっぱさを先に感じる性質があります。塩のしょっぱさの後にスイカの甘さを感じたおかげで、実際よりもスイカが甘く感じただけ。これが、舌の感覚のマジックです。
ちなみに、塩をたくさんつけてしまうと、しょっぱさと甘さがお互いの味を消し合ってしまい、その効果はなくなってしまいます。スイカやトマトに塩をかけるときは少しだけにしてね。

 

ギモン4:味付けの「さしすせそ」の順番の理由は?

調味料は「さ(砂糖)し(塩)す(酢)せ(醤油)そ(味噌)」の順番で入れます。「砂糖」は味がしみにくいので、一番先に入れて甘みをつけます。「塩」は砂糖より味がしみやすく、材料を固くする働きがあるので、先に塩を入れた後に砂糖を入れても塩の効果で材料は甘い味になりません。「酢」「醤油」「味噌」は早く入れると熱で香りが飛んでしまうので、砂糖と塩で味をつけた後に入れましょう。

 

味付けの「さしすせそ」とは? 子どもとママの素朴なギモンにお答えします!【お料理を科学する・1】の画像2管理栄養士・フードコーディネーター
美才治真澄さん
びさいじますみ/企業やメディアに向けたレシピ提案や栄養相談、オーダーメイドのケータリングを行う。女子栄養大学生涯学習講師。著書『満たされスープ』(世界文化社)、『世田谷農家に教えてもらう本当においしい野菜の食べ方』(マガジンハウス)他。bisaijimasumi.com

イラスト/きどふみか 編集協力/仁田ときこ(kodomoe2017年6月号掲載)※この記事は、2017年11月にウェブ掲載されたものを再編集しています

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