子どもとママの素朴な「?」に答えます お料理を科学する!
玉ねぎを切ると、なぜ涙が出てくるの?
玉ねぎを切っていると、鼻がツーンと痛くなって、涙が出てきますよね。実は、玉ねぎの中には「硫化アリル」というニオイのもとになる成分が入っていて、これが涙を出させようとする犯人です。玉ねぎを切るとこれが外に飛び出し、目や鼻に入ってくるとその刺激で、泣きたくなくても涙が出てくるのです。玉ねぎを冷蔵庫でよく冷やすと「硫化アリル」は半分眠ってしまうので、切っても涙が出にくくなりますよ。
ごぼうやじゃがいもを切った後、なぜ水に浸けるの?
ごぼうやじゃがいもの中には、野菜の色を変えてしまう犯人(酸化酵素)が眠っています。切ったところが空気に触れると、その犯人が目覚めてしまい、切ったばかりの部分を赤茶色や黒っぽく変えてしまいます。でも、切ってすぐに水に浸して野菜の切り口が空気に触れないようにしておくと、色はあまり変わりません。さらに、水に「酢」や「塩」を加えておけば、「酸化酵素」はまた完全に眠ってしまうので、野菜はきれいな色のままになりますよ。
玉ねぎを水に浸けると、からくないのはどうして?
ときどき、生の玉ねぎを食べるとからく感じることがありますよね? からい玉ねぎはなかなか食べにくいもの。実は、玉ねぎの中には「からい味」のもとが潜んでいるんです。でも、からい味のもとは水に溶ける性質なので、水に浸けてしまえば、玉ねぎから出ていってくれますよ。ただし、水に長く浸けすぎると玉ねぎの栄養も少なくなってしまうので、水にさらすのは5〜10分くらいにしましょう。
お肉の「アク」って何? どうして取るの?
お肉を茹でていると、茶色っぽい泡がプカプカと上に浮いてきます。これが「アク」です。お肉の中の「たんぱく質」と「脂肪」という成分が、熱を加えることでお肉から溶け出し、お湯の中で泡のような形で集まっているんです。「アク」はたんぱく質なので食べることもできますが、おいしくないですし、見た目もよくないので、おたまで取りのぞいた方がお料理はきれいにおいしく仕上がりますよ。
ごぼうやれんこんを茹でるとき、酢を入れるのはなぜ?
ごぼうやれんこんは、切ったところが空気に触れると黒く変色してきます。ちょっとおいしくなさそうかな? お正月のおせち料理やおもてなし料理では、見た目がきれいな方がきっと喜んでもらえますよね。ごぼうやれんこんの色を作る成分は、「酢」とくっつくことで、もとの色よりも白くなる性質があるんです。だから、ごぼうやれんこんは白いままでいてもらうために、酢を加えたお湯で茹でることをおすすめ。きれいな白い色になりますよ。
卵の白身や生クリームはなぜ泡立つの?
泡立て器で強くかき混ぜると、卵の白身や生クリームの中に空気がどんどん取り込まれていきます。小さい泡がたくさんできて、もとの液体のときよりも大きく大きくふくらんでいきます。かき混ぜ続けると、小さい泡は次第にしっかりした固い泡に変身し、こうなると、泡は途中でしぼんだりせず、泡立ったままの形を保ちます。おいしい生クリームを作るには、しっかりかき混ぜるのがポイントです。
管理栄養士・フードコーディネーター
美才治真澄さん
びさいじますみ/企業やメディアに向けたレシピ提案や栄養相談、オーダーメイドのケータリングを行う。女子栄養大学生涯学習講師。著書『満たされスープ』(世界文化社)、『世田谷農家に教えてもらう本当においしい野菜の食べ方』(マガジンハウス)他。bisaijimasumi.com