息子が噛まれた! ママには伝える? 2~3歳の「友達トラブル」ケーススタディ
2025年7月25日

息子が噛まれた! ママには伝える? 2~3歳の「友達トラブル」ケーススタディ

親はどう関わる? どう声をかける? kodomoe読者さんから寄せられた実際のトラブルやお悩みに、上町しぜんの国保育園・園長の青山 誠さんが豊富な経験からアドバイス&アンサーしてくれます!

トラブルに見えても
人間関係を学ぶ大事な機会

わが子の友達トラブル、親としては心が痛みます。みんな仲良くしてほしいと思うけれど、「トラブルと感じるのは、大人側からの見方かもしれません」と青山さん。

「子どもの人間関係の発達は、遊びの発達とイコール。だから、自分ひとりの世界から友達と遊ぶという広がりができるにつれて、何かしら起きるのは自然なことです。友達ともめたりやり合ったりというのは、子どもにとっては“自分とは違う他者がいることの発見”。それはとても価値のある経験で、そうした経験を積むことで子どもは自ら人間関係を学んでいきます。親が先回りしてトラブルを回避したり、無理に謝らせて解決に持ち込むと、大事な経験ができないことにもつながります。『ルールだから』とかたくなに従わせなくて大丈夫。これから多様性のある社会を生きていく子どもたちは、状況や場面に応じて柔軟に対応できる力が必要です。そんな力を育めるように、親は寄り添ってあげられるといいですね」

友達トラブル
考え方・対応のポイント

ママの気持ちと子どもの
気持ちは分けて考えよう

親がトラブルと感じたとしても、本人はそう感じていない場合も。親が納得したい気持ちと、子どもがどうしたいかは分けて考えて。

子どもの気持ちを否定せず
まずは共感を

子どもが生き生きと育つには、感情を否定されないことが大事。「イヤ」「ダメ」もその子の素直な気持ちなので、尊重してあげたい。

噛む、たたく=乱暴と
とらえないで

大人からしたら「乱暴」と見える行動も、子どもにとっては言葉ではまだ表せない思いの表現であることも。

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友達トラブル
CASE STUDY 2~3歳 編

kodomoe読者から寄せられた実際のトラブルやお悩みに、青山さんが豊富な経験からアドバイス&アンサー!

Q.2歳の頃、友達にその子のママが目を離したすきによく頭を噛まれていました。
息子は何が起きたか分からずポカーン……。その子のママに伝えた方がよかった?(エベレストさん/4歳男の子ママ)

A.子どもとママの気持ちは別で考えると対応が見えてくる

「わが子には『びっくりしたね』とケアを。伝える・伝えないは相手のママとの関係性にもよりますよね。子育て仲間として事実を共有したほうが今後も気持ちよく付き合えるのであれば、伝えるのもアリ」

Q. 衝動的に噛みついたり、叩いたりしてしまいます。
どうしたらいい?(Kたろさん/2歳女の子ママ)

A. 目の届く場所で起きたときだけその場で注意しましょう

「園でのできごとを聞いて後から家で注意しても、子どもは早く解放されたくて『うん』と言うだけで、あまり効果がありません。家でその行動が見られたらその場で止めればいいと思います。また、衝動的な行動に見えても、相手への関心や意思表示であることも多く、頭ごなしに叱らないで」

Q.同じおもちゃがあっても人が持っている物を欲しがる。
言っても聞かないので引き剥がすしか方法がなかった。これでいいの?(maimaiさん/2歳男の子ママ)

A.その場は無理に収めても後で共感やフォローを忘れずに

「相手の子が魅力的か、相手の反応が見たいか、なのでしょう。公園で見知らぬ親子が相手の場合は諦めさせるしかない場合も。そんなときは後で『あの子のおもちゃ、すてきだったよね』と共感を」

Q.自分が遊んでいる場所に、他の子がくることをいやがります。
見ず知らずの子に「こないで」「だめ」と言ってしまうのですが。(sunさん/3歳女の子ママ)

A.平行遊びをしていると自然に受け入れられることも

「自分のテリトリーが大事な時期。交わらずに同じ遊びをすることを『平行遊び』と言いますが、ママが相手の子を誘って、会話が聞こえる程度にわが子からやや離れた位置で、わが子と平行遊びをしてみては。わが子も気になって、自然と受け入れられることも」

Q. おもちゃを譲れる子と譲れない子がいると思いますが、元々の気質というのはあるのでしょうか。(kiroさん/2歳男の子ママ)

A. 譲れる=いい子ではなく自然なふるまいです

「気質は関係なく、この年齢なら譲れなくて普通。そもそも譲れるのがいいことというわけではなく、大人が介入して無理に譲らせると、自分を出すのが苦手になってしまう場合もあるので、要注意」

教えてくれたのは
青山誠さん
あおやままこと/上町しぜんの国保育園(東京都世田谷区)園長。「りんごの木」の柴田愛子さんとの共著をはじめとする執筆や、講演の他、大学講師としても活躍。子どもを主体にした保育を実践中。

イラスト/藤田マサトシ(kodomoe2022年6月号掲載)

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