言葉が遅い、落ち着きがないetc.「うちの子、もしかして発達が遅いかも!?」後編
子どもの成長を見守るのは親の喜びです。反面、他の子に比べて発達がのんびりだと、心配になるのも親心。「発達障害」という言葉も一般的になり、不安を感じるママも増えています。そんなママたちへ、発達の専門家にうかがいました。前編に続き、小児科医でNHK Eテレの「すくすく子育て」でもおなじみの榊原洋一先生がアドバイス!
子どもの発達について、ママたちが悩むことランキング1位は? 記事の前編を読む
それでも不安。うちの子、だいじょうぶ……?
ママたちのお悩みQ&A
発達の途中でこんな様子が見られるようになった! これって普通なの? ママの疑問に、榊原先生がズバッと回答してくれました!
Q1
3歳の男の子。偏食がひどく、離乳食で食べていたものも食べようとしなくなりました。
(ともままさん/3歳&0歳男の子ママ)
A. 他の食品で栄養を補えば、まったく問題なし!
いまの日本では、偏食で栄養失調になることはまずありません。調理法を変えるなど工夫するのはいいことですが、嫌いなものを無理やり食べさせる必要はなし。その子が食べられる食品で、必要な栄養をしっかり補えるよう考えてみましょう。
Q2
もうすぐ4歳の女の子。家では明るく元気なのに、幼稚園では固まって動かなくなり、おしゃべりもしません。
(あんこうさん/3歳女の子ママ)
A. 不安が強いタイプ。
焦らず見守れば、自然に治ります。
特定の場面や状況で話せなくなるのを場面緘黙症と言いますが、主に幼少期に見られる症状です。発達に問題があるわけではなく、社会的な不安が強いことなどが要因。子どもを焦らさず様子を見ましょう。自然に治ってゆくケースが大半です。
Q3
3歳の女の子。おしゃべりが上手になってきた2歳半くらいから、どもることが増えました。
(ヒカルさん/3歳女の子ママ)
A. とにかく気づかないふりをする!
スルーすることが大切。
どもる→注目される→緊張する→さらにどもる。という悪循環を断つのが一番の改善策です。どもっても、絶対に言い直させないこと! むしろ周りの人が「何もなかった、気づかなかった」ふりを徹底してあげることが大切です。
Q4
4歳の男の子。お箸が上手に持てません。幼稚園では「もうそろそろ補助箸は卒業してください」と言われました。どうやったらうまく使えるようになるのか……。
(CYさん/4歳男の子、1歳女の子ママ)
A. そのうち使えるようになります。
幼稚園にも協力してもらいましょう。
おもちゃを上手に持って遊べるなら、箸もそのうち持てるようになります。うるさく注意し過ぎると、食事そのものを嫌がるように。先生にも伝えてサポートしてもらいましょう。
Q5
1歳の男の子。育児系のサイトなどを見ていると、他の子より少し遅れているだけで、発達障害と結び付けて考えてしまいます。
(じゅんママさん/1歳男の子ママ)
A. ネットの情報は玉石混交。
信頼できる情報源を見つけること。
ネットは便利ですが、間違った情報もそのまま流れている場合が多数。情報源を吟味しましょう。公共放送や大手企業が運営する公式サイトなど、専門家をはじめ多くの人のチェックを経てアップされているものは、信用度が高いといえます。
Q6
6歳の男の子。小学生の長男がADHD*です。下の子も一度、診断を受けたほうがいい?
(まりもさん/10歳&6歳男の子ママ)
*ADHD=注意欠陥・多動性障害
A. いま特に気になる行動がないなら、
そのまま見守りましょう。
上の子に発達障害がある場合、下の兄弟が同様の障害を持つ確率は2~3割と言われます。しかし、7~8割は障害がないわけです。心配な気持ちもわかりますが、障害を探し出すより、気になる症状が出てから診断を受けても遅くはありませんよ。