2025年2月8日

思春期に親子の辛辣なやり合いがあったとしても「絶対揺るがない絆」を幼少期に作っておく方法【日登美のタベコト in Berlin・92】

 ベルリン在住で6人の子どものお母さん。モデルとして活躍する傍ら「台所から子育て、暮らしを豊かに」をコンセプトに、オンライン講座とウェブサイトを主宰している日登美さんによる、「食」からはじまるエッセイです。

絶対ゆるがない絆

年始早々我が家は誕生日ラッシュなのですが、皆さん、誕生日の定番のごはんというのはありますか?

我が家ではブラジル在住時代に現地で覚えて定着した「フェジョアーダ」と呼ばれる豆の煮込みが家族全員大好きで、それをリクエストされることが多いです。毎年毎年飽きもせずですが、それはそれで歳を重ねると思い出とともに染み込んでいく「美味しさ」というものがあり、いいものです。

24歳の誕生日を迎えた長女は久々の実家ご飯。バースデーケーキはケーキ嫌いなので子どものころからずっとゼリーのケーキが定番。

末娘の誕生日リクエストは我が家の定番料理フェジョアーダ。お腹も心も満たされる。

美味しさっていうのはいろいろありますが、心地よく体が覚えているものっていうこともあります。食べることって、ある意味で体の内側へのふれあいの体験なんですよね。お風呂に浸かって気持ちいい、マッサージしてもらって気持ちいい、そういう体に触れる心地よさって実は子ども時代にはとっても大事で。そういうものがあることで、思春期になった時に辛辣なやり合いがあっても、絶対揺るがない親子の絆になっていく、ということがあると思うんです。

誕生日のダークチョコケーキもずっと我が家の定番。誕生日だけの特別な味。

同じように毎日の食事っていうのも、お母さんのおむすびでお腹を満たした記憶、もっと言ってしまえばおっぱいやミルクを飲んで育った時の満腹感と幸福感。そういう心地よさが、体の内側のふれあいと言えると思います。これが親子の絆を強くするとも言えちゃうほど。

ベルリンのマクロビレストランで次女とランチ。ママが作ってるご飯の味だー! と次女。いいやら悪いやら(笑)。

子育てって躾、とか、こうさせなくちゃ! という厳しい気持ちのものよりも、気持ちよかった、心地よかったという体験からこそ育つ力があると思うんです。
だから、日々の食卓もこうしなくちゃ! とか、がんばらなくちゃ! という厳しさより、どれだけ心地よい体験を一緒に紡いでいけるか、なんだろうなと思います。
親としては、考えねばならないことも多いと思いますが、まずはリラックスして。そういう毎日の状態をこそ、子どもたちは吸い込んで大きくなっていくから。

日登美/ひとみ
3男3女6児の母。10代よりファッションモデルとして雑誌、広告等で活躍。その後自身の子育てから学んだ、シュタイナー教育、マクロビオティック、ヨガなどを取り入れた自然な暮らしと子育てを提案した書籍、レシピ本など多数出版。現在はモデルとして活躍する傍ら、オーガニック、ナチュラル、ヘルシーをモットーに、食、暮らしと子育てのワークショップ、オンライン講座などを行う。 

台所から子育て、暮らしを豊かに。「Mitte(ミッテ)
instagram / @hitomihigashi_b
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