海外でも人気の日本の発酵食文化。国際交流をはじめるなら、とにかく一緒にご飯を作って食べればいい【日登美のタベコト in Berlin・54】
ベルリン在住で6人の子どものお母さん。モデルとして活躍する傍ら「台所から子育て、暮らしを豊かに」をコンセプトに、オンライン講座とウェブサイトを主宰している日登美さんによる、「食」からはじまるエッセイです。
料理は世界をつなぐ
ちょっと前になりますが、コロナがあってから数年ぶりにベルリンで料理教室を開催しました。
以前から交流のあるベルリンの発酵アーティスト店の「ミミファーメンツ」さんで、一汁一菜をテーマにした発酵ビーガン料理を作りました。今回は日本の方は一人もいらっしゃらず、こちらにお住まいの方向けのクラス。日本の発酵食文化は海外でもとても人気があるのです。
さまざまな年齢や国籍の方が集まったこのクラスは、多様でまさにベルリンを象徴しているかのよう。そんなみんなが一緒に手を動かし、味見をしたり、料理をしたり、おしゃべりしたり。日本の文化に食卓を通して出会っていく。そういえば、私も外国暮らしを経て何度も、一緒に料理をすることでそこの国の人たちと知り合ってきたことを思い出しました。
料理って不思議で、知らないと思っていた国でも、文化でも、一緒に食べるとすぐにわかりあえてしまう。自然とみんなと仲良くなれちゃう。国際交流を始めるなら、とにかくみんな家に呼んで一緒にご飯作って食べたらあっという間だなぁと思ってしまいます。
「同じ釜の飯を食べる」という諺もあるけれど、海外暮らしが長くなるほど本当にご飯って人をつなぐなぁとしみじみ思います。だからこそ、自分の国のご飯を作れるっていいなと思う。自分の国のご飯を大事にしたいなと思う。
その国の味も楽しみながら、やっぱり味噌や醤油やお米や和食を海外でも作っていきたいなと思うのです。自分の国の文化を大事にすることが、ひいては他国の文化を大事にすることにつながっているように思うのです。
ともあれ、自分の好き!を人も好きになってくれるって嬉しいですよね。そういう単純なことが実は世界平和の第一歩だったりして!? なんて思った料理教室の1日でした。
日登美/ひとみ
3男3女6児の母。10代よりファッションモデルとして雑誌、広告等で活躍。その後自身の子育てから学んだ、シュタイナー教育、マクロビオティック、ヨガなどを取り入れた自然な暮らしと子育てを提案した書籍、レシピ本など多数出版。現在はモデルとして活躍する傍ら、オーガニック、ナチュラル、ヘルシーをモットーに、食、暮らしと子育てのワークショップ、オンライン講座などを行う。
台所から子育て、暮らしを豊かに。「Mitte(ミッテ)」
instagram / @hitomihigashi_b
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