『ラッキーカレー』【親子の読み聞かせに。今日の絵本だより 第343回】
kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子の読み聞かせにこんな絵本はいかがですか。
『ラッキーカレー』
シゲタサヤカ/作 小学館 1540円
1月22日は、カレーライスの日。
1982年に、全国学校栄養士協議会がこの日を「全国統一献立日」と決め、メニューをカレーにしたことから定められた記念日です。
おいしいカレーの絵本もたくさんありますが、その中でも今一番旬なこちら、昨年11月発売になった『ラッキーカレー』をご紹介します。
仕事が終わって、おなかがペッコペコなおじさん、ペコペコさん。
晩ごはんは、ちょうど鍋に一人分残っていたカレーにすることに。
お皿によそって、スプーンを手に、
「いっただっきまーすっと
おっと!
ラッキョウを わすれてた!」
カレーライスにつきもののラッキョウがないなんて、それは大変。
席を立って、ラッキョウを手に再び戻ってきたペコペコさん。
ところが、おや?
食べようとしていたカレーライスに、何やらおかしなことが……?
この『ラッキーカレー』、もしかしたらどこかで見たことがある気がする方もいるのでは。
2019年春に日本マクドナルド「ほんのハッピーセット」®に登場し、大人気だった作品です。
単行本化にあたって通常の絵本サイズになり、新たな描きおろしも加えたページ増の「完全版」となりました。
おうちに「ほんのハッピーセット」®版がある方は、ぜひ見比べてみてください。単なる大判化ではない変化(進化!?)がわかりますよ。
シゲタサヤカさんは『ラッキーカレー』とほぼ同時に『カレーは あとの おたのしみ』(えほんの杜)も刊行されています。
シゲタさんの絵本は、時に他の作品とリンクしているのがワクワクポイントですが、この2冊を合わせて読むと、カレーにまつわるすごい秘密を知ってしまうことに。
詳しく書けないのがもどかしいのですが、「えええ!?」「……なるほど!」というこの衝撃、ぜひ手に取って体感してくださいね。
選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。