虫に感謝と敬意を込めて。家族で楽しむ妄想虫マシーン【ぼくとフジオ・29】
『ねたあとゆうえんち』や『よなかかいじゅうイビキラス』(ともに白泉社)などでおなじみの絵本作家でイラストレーターの大串ゆうじさんが、子育ての中で日々湧いてくる「妄想」を描きます!
こんにちは。今回は虫をテーマにしてみたいと思います。
コロナ渦が始まって約1年半、遠くへのお出かけや人混みを避けて、近所の公園や川などで遊ぶことが増えました。幸い息子・フジオ(4歳)は自然、特に虫が大好きなので、公園や原っぱなんかに行けば何時間でも虫探しを楽しんでくれます。フジオの影響で僕も妻も一緒に虫の番組や図鑑を見るのが楽しみの一つになっています。自宅では今までカブトムシ、クワガタ、カマキリ、カナブン、コオロギ、バッタ……などなど、いろいろな虫を飼ってきました。
以前のような虫嫌いの妻だったら、家で虫を飼うなんて絶対にあり得ないことだったので、息子の影響にビックリしています。僕は、トイレに行く時などに玄関に居るカマキリを観察するのが好きで「コイツは一体何考えているんだろう……? 何も考えて無さそうだけど……何も考えてないってどういう状態だろう? でも本能はある訳だからな~。心とはなんだろう?」とかそんな哲学的な物思いにふけることが増えました。
我が家に多大なる影響を与えてくれている虫に感謝と敬意を込めて、今回は虫をモチーフにしたかっこいいマシーンを考えてみることにしました。フジオが最近レゴブロックで「めっちゃすごいマシーン作ったよ!」とよく言ってるので、それをヒントにしました。
第29回 出撃! 妄想虫マシーン!
その1 てんとうむしマシーン「ゆうびんスターセブン」
フジオもママも大好きなてんとう虫、5月ごろ、草っぱらとかで意識して探すとけっこう見つけることができると知りました。赤いので郵便配達マシーンにしました。
その2 バッタマシーン「タイム・ジャンプ号」
今年もいっぱい見つけました。時々ものすごいジャンプをするのや、もの凄い大きいのがいてビックリします。ジャンプした瞬間にタイムスリップするマシーンを考えました。タイムパトロール隊が運転しています。
その3 カブトムシマシーン「蜜探査初号機KABUTO」
カブトムシを飼ってみて思ったことは、「蜜が大好き!」ということです。けっこうな量を一晩でペロッとたいらげてしまいます。その能力を生かして高級蜜を探し出すマシーンを考案しました。夜に活動するマシーンです。
以上、妄想虫マシーンでした! 大人になってからこんなに虫のことを考えるとは思っていませんでした。影響を与えてくれた息子に感謝したいです。そろそろコオロギの季節なので、今度の休みにでも家族で探しに行こうかな~と思います。
ありがとうございました!
次回、いよいよ最終回になります~! よろしくお願いします。
大串ゆうじ
おおくしゆうじ/1976年茨城県出身。多摩美術大学絵画科油画専攻卒業。個展などで作品を発表しながら、雑誌、テレビ、広告などのイラストレーションで活躍。著作絵本に『よなかかいじゅうイビキラス』、『ねたあとゆうえんち』(白泉社)『しょうてんがいくん』(偕成社)がある。
www.senggeng.com/kushi/