台風が一家を連れてやってくる…子どもの頃の勘違い第2弾【ぼくとフジオ・28】
『ねたあとゆうえんち』や『よなかかいじゅうイビキラス』(ともに白泉社)などでおなじみの絵本作家でイラストレーターの大串ゆうじさんが、子育ての中で日々湧いてくる「妄想」を描きます!
こんにちは。今回は以前(第15回)も発表した「子どものときに勘違いしていたこと」図鑑の第2弾をやりたいと思います。
前回、「子どものときに勘違いしていたこと」を考えたり絵にするのがとても楽しかったので、他にもまだまだありそうだなとここ数日、いろいろと考えていました。みなさんは、スーパーのレジやATMなどで最初は一列に並んで、あいたところに列の先頭の人が入る「フォーク並び」というのご存じですか? 僕は何故か、それは「フォークソング」からきていて、仲良くライブをみましょう、みたいな、そんな優しい並び方、マナーが由来なんだろうと勝手に思い込んでいました(笑)(コンサートでお行儀よく座って楽しんでるようなイメージです)。
先日スーパーで並んでいる時に、「あれ? この形は……食器のフォークの形になっている!! ……あ〜〜なるほど! そういうことか!」と、やっと意味がわかった次第です。
と、こんな風に大人になっても勝手な思い込みや勘違いがあるくらいなので、子どもの頃はそういうものの宝庫だと思います。
息子のフジオ・4歳とオリンピックを観ていて、日本の国旗を見ると「トーキョーだ!」と言ってました。自分が「トーキョー」という国に住んでいると思っているみたいです。そういう子どもの頃の感覚、改めて面白いな〜と思いました。ということで「子どものときに勘違いしていたこと」図鑑の第2弾を作ってみたいと思います。
第28回 子どものときに勘違いしていたこと 2
その1 台風一家
これは思ったことある人、けっこういると思います。「たいふういっか」というインパクトある響きが耳に残る言葉です。僕のイメージでは着物姿の頑固なお父さんが台風一家を引き連れてやってくるイメージでした。
その2 ハロー注意報
お天気関係でもう1個。「ハロー注意報」もけっこう思ったことある人、多いのではないでしょうか? 陽気な外国人がいっぱい空から振ってきて「ハロ〜!」と挨拶してくるので、緊張しないで挨拶するように注意しましょう……という絵にしてみました。
その3 団子事件
子どもの頃に「談合事件が……」なんてニュースがあると、ニュースの内容はさっぱりわからないのですが、団子を食べて悪い大人が悪い相談してるのかな……? と思っていました。
その4 バカ図を踏む
子どもの頃、お父さんと一緒にお相撲を観ている時に、まだまだの力士に「場数を踏まなきゃだな〜」みたいなことを言っていて、バカの図を踏むってこと? それともバカになって恥をかいたりして、いつか立派な力士になるってことかな? とか、いろいろと考えてしまいました。
以上「『子どものときに勘違いしていたこと』図鑑」第2弾でした。
こうやってみると、天気情報やニュースからの勘違いが多いですね。昔はスマホやネットなどがなかったので、テレビ1台を家族みんなで観ていました。そうなると夜はお父さんが好きなニュースやお相撲、野球などの番組をなんとなく一緒に観ることが多かった気がします。そこで難しい言葉を覚えたり、勘違いしながらもそれはそれで社会勉強にもなっていたんだな〜と今回の内容を振り返り思いました。今度フジオと一緒にお天気ニュースでも観たいと思います。
ありがとうございました。
大串ゆうじ
おおくしゆうじ/1976年茨城県出身。多摩美術大学絵画科油画専攻卒業。個展などで作品を発表しながら、雑誌、テレビ、広告などのイラストレーションで活躍。著作絵本に『よなかかいじゅうイビキラス』、『ねたあとゆうえんち』(白泉社)『しょうてんがいくん』(偕成社)がある。
www.senggeng.com/kushi/