エプロン姿の息子たち。性別も年齢も、台所には関係ない!【日登美のタベコト in Berlin・3】
ベルリン在住で6人のお母さん。モデルとして活躍する傍ら「台所から子育て、暮らしを豊かに」をコンセプトに、オンライン講座とウェブサイトを主催している日登美さんによる、「食」からはじまるエッセイ、第3回です。
可愛い子には料理をさせよ
ドイツでは夫婦家事分担がほぼ基本で、料理だって女性がするとは限らない。お母さんだけが甲斐甲斐しく台所に立つ時代など、もうとっくに過ぎ去っているのがベルリン。今や性別や年齢など台所に関係ないのです。皆さん、この流れに乗っちゃいましょう(笑)!
いや、別にね、女性が料理してもいいのですよ、私も好きですし。でもね、そうでなくちゃならないってわけじゃないの。でね、夫がやってくれないのなら子どもを鍛えてみてはどうかしら?と思うのです。いや。別にね、わざと使える人材を作ろうとか思ってるわけじゃないの。おいしいものを作れるって、人生を豊かにすると思いませんか? いつでも誰かが作ってくれないと、お腹空かせて待っているなんてつまらないじゃない? 子どもたちも自分で好きなものを作れたら、もっと自由に生きられるんじゃないかなって思うの。
ともあれ我が家は小さい頃から子どもにふんだんに台所でお手伝いをしてもらいつつ、つまみ食いさせつつ、料理をしてきました。もちろん散らかしたり失敗もあって、かなりテンパって叱り飛ばしたりもして本末転倒ってこともありましたよ。でもね、おいしい記憶や食欲はそれに勝るのですねぇ。
今や双子16歳の男の子はティラミスを作れるイカした男になりました。なんなら朝からふわふわのパンケーキを焼いてくれたりもします。実はそれくらいしかまだレパートリーがないのだけど(甘党男子)。これはモテるな、ドイツで、と思います。
でも子どもたち、ずっと料理に興味を示してくれたわけではないんです。そのためには、一つコツがあるんです。それは「お母さんが頑張らないこと」。
頑張るのは最初だけでいいんです。 幼少期に一緒に料理して、おいしいもの食べて、楽しい思い出作って。大きくなったら、お母さんはもう疲れてできないとか、今日は作りたくないとか言っちゃうくらいがちょうどいいです。そうすることで、子どもは「俺がやるっきゃないか」となるのです。
娘もご飯と味噌汁を食べたくなれば自分で作ります。逆に未だ料理に手を出さない子もいますけど。とにかく作って食べるの繰り返しの先には、「あ、俺つくるよ?」とかなんとか言って、鼻歌まじりに台所に立つ素敵な少年、少女の姿があるかもしれません。
料理ができるって「自分で食べることができる」。そういう一つの自由を手に入れるってこと。なかなか良い教育だと思うのだけど、どうでしょう?
そんなわけで、可愛い子には料理をさせよう。そしてお母さんはちょっとさぼろう。
日登美/ひとみ
3男3女6児の母。10代よりファッションモデルとして雑誌、広告等で活躍。その後自身の子育てから学んだ、シュタイナー教育、マクロビオティック、ヨガなどを取り入れた自然な暮らしと子育てを提案した書籍、レシピ本など多数出版。現在はモデルとして活躍する傍ら、オーガニック、ナチュラル、ヘルシーをモットーに、食、暮らしと子育てのワークショップ、オンライン講座などを行う。
台所から子育て、暮らしを豊かに。「Mitte(ミッテ)」
instagram / @hitomihigashi_b
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