お風呂に入りながら目的地に行けるバス。「乗り物」について妄想【ぼくとフジオ・13】
『ねたあとゆうえんち』や『よなかかいじゅうイビキラス』(ともに白泉社)などでおなじみの絵本作家でイラストレーターの大串ゆうじさんが、子育ての中で日々湧いてくる「妄想」を描きます!
こんにちは。今回は、「乗り物」でいろいろと考えてみたいと思います。
コロナの事もあり、どうしても乗り物に接する機会が減っていたので、フジオと一緒に遊んでいる中で「乗り物」の妄想がなかなか湧いてこなかったのですが、それでもフジオは現在の「虫、恐竜、魚」ブームが来る前は「乗り物大好き時代」が長いこと続いていたので、今でも電車やバスに乗ると楽しそうだし、パトカーや消防車を見かけると興奮しています。
赤ちゃんの頃から振り返ってみても、まず乗り物のオモチャが大好きになり、そこからトミカ、次にプラレール、新幹線大好き時代と進んでいきました。なぜかミニカーを一列にキッチリ並べる事が大好きで、気づくといつもめっちゃ真剣な顔で何台ものトミカを縦にキッチリと並べていました。理屈抜きで乗り物というものは子どもの心を引きつけるものがあるんだな〜と その姿を見ながら思ったものです。
僕自身は、何故か子どもの頃から乗り物にはあまり興味がなく、今だに車の種類とか全然わからないのですが、ドライブは大好きでした。子どもの頃から旅行とかで知らない街を走っている時に窓を開けて何気ない風景をボ〜っと眺めるのがとても好きだったのを覚えています。
一度、どこかの街で、「スナック」という看板をやけに見かけるので、「スナックっていうお店なに?」と親に質問したことがありました。僕はスナック菓子を出してくれるお店だと思ったので……この街の人達、スナック菓子食べすぎじゃない?と考えた記憶があります(笑)。
今でもドライブは大好きで、ドライブしながら風景を見つつ、コクコクと寝てしまう瞬間は至福の時だと思っています(あ、免許は無いので、運転は妻です。寝ると怒られます)。いまだに自分の中で、車は大人の誰かが運転してくれるものだと思っているところがあるのですが……、ってもう44歳なので、そろそろ免許取りたいです!(フジオが18歳の時に一緒に免許合宿行こうかな〜。58歳か……(笑)、うーん、いろいろがんばります。)
ということで「乗り物」をテーマに考えてみました。
第13回 妄想乗り物図鑑
その1 おふろバス
ゆっくりお風呂に入りながら目的地までいけるバスです。天気がいい日の夕方くらいに乗ると最高かもしれません。「バスのバス」というアイディアです。
その2 ナマケモノレール
世界で一番遅い乗り物です。途中で寝てしまったりするとしばらく止まってしまうことも。仕事をサボったり、ゆっくりと本を読んだり、贅沢な時間を過ごせることでしょう。
その3 巨大お父さんの肩車
巨大お父さんの両肩に車を装着させてみました。遊園地みたいで楽しいので近所の子どもたちには大評判です。
以上「妄想乗り物図鑑」でした。乗り物の妄想、まだまだあるので、次回も「乗り物」をテーマにいろいろ考えてみたいと思います。
ありがとうございました。
大串ゆうじ
おおくしゆうじ/1976年茨城県出身。多摩美術大学絵画科油画専攻卒業。個展などで作品を発表しながら、雑誌、テレビ、広告などのイラストレーションで活躍。著作絵本に『よなかかいじゅうイビキラス』、『ねたあとゆうえんち』(白泉社)『しょうてんがいくん』(偕成社)がある。
www.senggeng.com/kushi/